スノーホワイト
「鏡の独り言」



はじめに…


  都会の片隅のホストクラブ「スノーホワイト」
  その名前は、言わずと知れた「白雪姫」から取られた店の名前である。
  オーナーの趣味で、店内にアンティークの姿見が置いてある。
  そして、この店の人気メニューは、りんごを使ったカクテルと言うこだわり。
  そんな中で、競合店の注目の範疇から外れながらも
  店に出ているメンバーには、足蹴く通う常連が増えつつあった。
  そんな、彼等と彼等を取り巻く人々の日々を見守る、店の鏡の独り言として、
  お話しは進んでいく。

  まず、私鏡の紹介から、
  店に来るお客の中には、古ぼけた汚い鏡と言うが、れっきとしたヨーロッパ生まれの、
  一級品では無いが…。充分この店の中心として役に立っていると自負している。
  そして、白雪姫の継母のように、毎日誰かが話しかけて来る。
  自分の姿を写しながら。その毎日のお話しを皆さんに、お聞かせしましょう。






一人目・ひかる

  彼は、この店のいわゆるNO,1だが、欲と言うか感情が表に出にくい。
  シャイと言えば、分かりやすいが、その実気を許すと相手に寄りかかる、
  甘ったれの部分が見えてくる。
  甘えられれば、相手は自分を頼りにしてくれると思いこむので、
  入れ込む客が、途切れる事は無かった。
  しかし、これがビジネスでなく、本質だからオーナーとしては、やっかいらしい。
  もっと計算して、客と接して行けと何度も言うのだが、
  本質だからこそ、彼がNO,1として、やっていけてると私は思う。

  そんな彼が、店に来るお客に本気になったようで、
  先日私に向かってその話を聞かせてくれた。

 ひかる「鏡よ、鏡…、僕はこんな仕事をしているけど、女性を道具と思ったことは無い。
     確かに、遊びに来てくれて、チップや高価なプレゼントをくれるお客さんも大勢居る。
     でも、楽しんで帰ってくれれば、この店での時間が来て良かったと言ってくれたら良いと、
     そう思ってやってきた。」
    「鏡よ、鏡…。僕はこの間から、来なくなったあの子の事が気にかかっている。
     毎週決まった日に、決まったメニューで僅かな時間、僕を指名して帰っていくあの子。
     きっと、普通に働いている。普通の子だと思う。こんなホストクラブに通うには場違いなぐらい、
     純な雰囲気で、でも僕と居る間は、本当に楽しそうで…。」
    「でも、鏡よ、鏡…。先週も、先々週も彼女は来なかった。
     お客との恋愛沙汰は、タブーだって知っているけど…。」
    「鏡よ、鏡…。やっぱり彼女が来てくれないのが、淋しいのは彼女を好きと言うことだろうか…。」

  私は、鏡だけど魔法の鏡じゃないので、答えてはあげられないのだが、この時店の扉が開いたのさ。
  その時入って来たのは…。

 りら 「こんにちは、開店前とは思うのだけど…。ひかるさんもう来てらっしゃいますか!?」

  そう、彼、ひかるが気になってた彼女だ。私に映った彼女の姿に、ひかるが驚いたのは、
  言うまでも無い!? 

 ひかる「来てくれたんだ!!」

  そう言って振り返った、彼の顔がどんなに明るい良い顔かは、私に映す必要も無く、私は分かっていた。

 りら 「ひ、ひかるさんだけ!?私、暫く実家へ帰っていて…
    それで母親から、父が倒れたって連絡だったから、行ったんだけど…。」
 ひかる「お父さん、大丈夫なの!?」

  おいおい、ホストがまじめに客の、親の心配してどうする…。

 りら 「大丈夫…。と、言うか私を呼び戻して地元の人と結婚させたかったらしいの。
    お見合いって言ったら、帰ってこないからって。」
 ひかる「お見合いしたの!?結婚するの…!?」

  あ〜また、こっち向いたよ…泣きそうな顔して。背中向けたつもりで、しっかり私に映って、
  彼女に見られてるよ。

 りら 「しない、出来ない。お仕事だってわかってるけど、好きな人が居るのに、結婚なんて出来ない。」

  あらあら、映してるこっちが恥ずかしくなるよ。
  彼女、ひかるの背中から抱きついちゃったよ…。
  でも、この二人は…。

  はい、この後の二人の展開は、私の口からは申せませんが、二人とオーナーの相談が、
  近々良い方向へ向かって動きだしたとだけ、言っておきます。
  ホストと客の関係からは、抜け出したとね。







二人目・夏希


  彼は、いわゆる。出向ホストだ。この「スノーホワイト」からも、他の店に行ってる。
  貴城が居るが、夏希は元々「ルナ」に居て「華」「コスモ」と渡り歩いている。
  何処へ行っても、人気者なんだが…。

 夏希 「鏡よ、鏡。俺は今まであちらの店、こちらの店と回って来たが、ここへの出向は、
     最初乗り気じゃなかったんだ。」

  おいおい、本音から来るか…(苦笑)

 夏希 「でも、何て言うか、楽しかった。この後、以前居た「華」への出向が決まっているけれど、
     行かなくて良いと言われたら、承知しそうなぐらい、楽しかった。」

  嬉しいね、でも「華」の面子が聞いたら、怒るぜ。

 夏希 「俺は、いまだに根無しな事に、不安があるから、ここのゆったりした空気が、
     居心地が良いと思ったんだろうか、何処に行っても、客は付くし、
     追いかけて通ってくれる贔屓も居る。でも、何が足らないのか、NO,2止まりなんだよ…。」
    「いや、それが不満な訳じゃない。
     でも落ち着ける場所が、本当に俺の居場所が何処にあるのかと思うと、それが不安なんだ…。」

  おやおや、結構強気な奴だと思っていたら、悩みもしっかり抱えて居たんだ、しかもホストとして、
  やっていく上で、どの店で落ち着くかは、大きな問題かもね。
  うん!?あの影は…。

 緑  「夏希…。」
 夏希 「あっ、緑さん…。」

  こっちは、緑。ベテランホストと言うか、それこそあちこちの店全体のヘルプにかり出される
  頼りになる兄貴分って人だな。

 緑  「夏希、何か悩みでもあるのか、最近妙に一人になりたがったり、若い奴連れて遊び歩いたり、
     浮き沈みが激しいようだが…。」

  流石だね、しっかり見てた訳ね。夏希の行動を…。

 夏希 「見られてたんだ…。不安なんです、近い内にこの「スノーホワイト」とも、お別れです。
     次へ行くのが、以前居たから店だこそ、不安とも言えるんですが…。」
 緑  「お前は、この仕事が好きなんだろう…。」

  おや、緑は、どう出るつもりだい!?

 夏希 「はい、好きです。そりゃ毎日女性の機嫌取るのは、骨の折れる仕事だけど、
     彼女達の嬉しそうな顔見たら、はしゃいでまた来ます。と、帰ってくれたら。
     最高に楽しいし、今度はもっと喜んでもらうぞ!!って…。」
 緑  「そう、それで良いんだよ。何処へ行っても。何処の店でも、ホストに要求されるのは、
     客に良い夢。心地よい一時を与える事が一番必要される条件だ。
     今は落ち着く店が分からなくなって、不安になるのも分かる。
     でも少し切り替えて、あちこちの店を楽しむ事が出来ないか。」

  緑が言うと説得力あるよな…。

 夏希 「分かりました。緑さんの言葉だから、余計に俺にとって重い言葉です。ここは、
     のびのびやれて、楽しかった。けれど、俺の居場所じゃなかった。居心地が良いから、
     去りがたいけど、やっぱり進まなきゃ、見つからないって事ですよね。」

  結論が出たな。

 緑  「そうだ、それで良い。俺はお前の留守中の「コスモ」に、また呼ばれたから行ってくる。
     夏希とは、すれ違いになりそうだが、元気にやってると伝えておくよ。」

  はぁ、こっちの出る幕は無かったな(笑)
  緑は、また店に来てくれる事もあるだろうが、夏希は出来れば自分の店に戻って一番になって欲しいね。
  この「スノーホワイト」にも、貴城が戻って来ることだし…。

  数日後、夏希と緑は笑顔で、次の店へ向かった。本当にこの仕事が好きなんだと分かる。良い顔だった。
  二人のこれからに、幸あれ!!だな…。






三人目・桂とゆり


  この日は、珍しい事にお客さんに話しかけられた。
  いや、彼女がいろいろ迷っている事も、承知していたので、驚きはしなかったが…。

 ゆり 「鏡よ、鏡。あなたが、本当に白雪姫に出てくる魔法の鏡なら、私の運命の人を映しておくれ…。」

  前にも言ったが、私は魔法の鏡じゃないから、このお願いを叶えてあげる事は出来ない。

 ゆり 「鏡よ、鏡…。」

  あらら、黙ってしまったよ、泣かないでくれよ…。

 ゆり 「無理よね、魔法の鏡何てある筈無いんだから…。
     鏡さん、私は好きな人が居るの、でも他の人からも、好きって言われると、
     はっきりしない彼の本心が分からなくて不安になるの、気付いたら側に居てくれるけど、
     好きとは言ってくれない。ホストってお客を喜ばせて、稼ぐ仕事じゃないの!?」

  ははぁん。彼女が誰の事を言っているのか、分かった。
  確かに、はっきり言葉に出来ないだろうと思うよ。
  と、奥から誰か出てきたな…。
  彼女気付くかな!?

 桂  「誰か、居るんですか!?まだ開店してませんが…。」

  願いが叶ったかな!?と、隠れたよ…!!(笑)

 桂  「おかしいな、女の人の声が聞こえたような気がしたんだけど…。」

  居るよ、すぐ後ろのテーブルの下に…!!隅っこに映っているのに気付かないのか!?

 桂  「しかし、大きくて古い鏡だよな、本当に魔法の鏡みたいだよな。」

  素直に感動してくれてありがたいが、毎日に近いよね、この新人さん(苦笑)

 桂  「鏡よ、鏡。僕の話を聞いてくれるかい!?」

  はい、それが役目だからね、初めてだね、きちんと話しかけてくるのは。

 桂  「鏡よ、鏡。僕はまだこの店では、下っ端だし、やっとヘルプから抜けれるかどうかって所まで
     お客がついたけど、最近指名してくれる人にどう接したら良いかで迷ってる。」
    「彼女は、元々先輩のお客さんだし、ヘルプで付いてから気に入ってくれたみたいで、
     それはありがいたけど、個人的に指名してくれるとやっぱり…。」

  律儀と言うか、生真面目と言うか、先輩の客を取ったようで、それが一番引っかかってる訳だね。

 桂  「彼女は、店のお得意さまでもあるし、毎回僕だけ指名してくれる訳じゃない。
     でも何人か指名入れても、必ずその中には入れてくれる。
     この仕事をする上では、喜ぶべきなんだろうけど…。」
 一帆 「馬鹿何だから…。」

  おっと、驚いたね。私が気付かないとは…。

 一帆 「おまえは、ホストの仕事を何だと思って居るんだ!!」
 桂  「一帆さん…。」

  先輩ホストの一人、一帆だ。こいつは見た目は柔だが骨のある奴何だよな。

 一帆 「桂、お前の言ってたお客は、白羽のお嬢さんの事だよな。」
 桂  「はい…。聞かれてたんだ…。」
 一帆 「ゆりさんは、元々貴城さんのお客さんだ。
     だが俺も指名受けてきたし、自分のお客になってくれたとアプローチもしてる。」
 桂  「はい…。」
 一帆 「お前は、まだ新人だから、下っ端だからと甘えてないか!?」

  きついね、一帆は相変わらず言うことが…。

 桂  「甘えてるって…。」

  おっと、言い返すか!?

 桂  「そうなのかな…。」

  簡単に、認めるなよ。あららすっかり俯いちゃったよ。

 桂  「でも、ゆりさんから指名が入ると嬉しい。
     大勢の時のが、ほっとするけど、個人的に二人になると…。」
    「どうしたら喜んでもらえるかって、舞い上がってしまったり、一人で話過ぎたり。」
 一帆 「女を口説く。その余裕が無いんだよ。」
 桂  「口説くって!!」
 一帆 「あなたが、好きです。今夜も素敵ですね!!って、誉める事も出来無いんだろう!!」
 桂  「だって、言葉だけの…。」
 一帆 「馬鹿!!だから、お前は馬鹿だって言うの。夢を見に来てる人にマジになってどうするよ。
     一緒になれる訳無いんだから、住んでる世界が違うんだ、
     せめて店に居る間の恋でも良いじゃないか。」

  言葉は、きついが本当の事だよな。しかし、熱血だよな一帆も…。
  あらあら、お嬢さん…。

 ゆり 「桂。私があなたを指名するの、迷惑なのかと思ってた。
     本気になって欲しいとまで思わない。店に居る間だけの、恋人で良いの、だから…。」

  積極的に出たね、さてどう答える。

 桂  「ゆ、ゆりさん…!!」

  まだ迷ってるのかい!!と、一帆は…行ったか…(苦笑)

 桂  「す、好きです。でもそれが、自分のどの感情で好きなのか、説明出来なんです。」
    「ゆりさんは、貴城さんのお客さんで、僕は、まだまだこの仕事の本質も分かって無くて…。」
 ゆり 「ゆっくりで、良いの。私があなたに会いたいって気持ちを受け入れてくれたら。それで良いの。」

  流石、遊び慣れてるお嬢さんだ。でも勝手が違う桂に実はぞっこんなのが、まる分かりだね。
  さて、ここで手なれたホストなら、抱きしめてやるもんだが、無理だろうな…。

 桂  「わかりました。一人前になるように、努力します。
     まだ開店前ですから、時間になったらご来店ください。」

  おいおい、嘘だろぉ〜〜〜〜〜!!(苦笑)
  驚いてるよ、彼女!!

 ゆり 「了解しました。改めて来ます。その時は素敵な夢見せてね。」

  あぁ、涙流して笑ってるよ。甘い言葉なんて、桂には、まだまだ無理なようだな。
  でも、この二人にとって二人で過ごす時間は、のちのち良い思い出になるだろう。
  いつか別れるとしてもね。




四人目・貴城


  久し振りに、ここ「スノーホワイト」に、貴城が帰ってきた。
  相変わらず、のほほんとしたとというか、実家は良い家だろうと言われている雰囲気のままに。

 貴城「暫く僕が留守にしてた間に、変わった事無いかな!?」

  変化は無いとも言えたが、変化もある。
  皆、貴城の帰還を心から喜びながらも、変化は見せなかった。
  まぁ、貴城よりオーナー補佐の、轟も店に出る事が決まっていたので、
  皆少しばかり、神経質になっていたのも事実何だがね。

  戻って数日後、白羽のお嬢様が来店した。

 ゆり「お帰りなさい。」
 貴城「お待たせしました、淋しくなかった!?」
 ゆり「淋しかった…。けど…。」

  と、ヘルプに呼んだ、桂を意識している。おやおや、お嬢さんは迷っているのかな!?
  桂の事は気になるし、貴城が戻ってきた事は心底嬉しそうだし…。

 貴城「僕は、君の所へ戻ってくる。お客様だと思って接している訳じゃ無いんだからね。」
 ゆり「貴城さん。」

  おいおい、戻ってくるなり、プロポーズか!!
  流石にプロだね…。お嬢さんも返事に詰まってるよ。

 ゆり「た、貴城さん嬉しい。嬉しいけど…。」
 貴城「けど!?」

  はっはは、そんな間近で見つめるもんじゃないって。
  真っ赤になってるよ、可哀想に…。

 桂 「こっ、氷入れ替えてきます。」

  流石に、居づらくなったか、このテクニックを盗むチャンス何だけどね。

 貴城「良いよ、返事は待ってる。僕は君が一番だって事だけ、忘れないで居てよ。」
 ゆり「貴城さん…。」

  さてと、お嬢さんはどう返事するのかな!?

  貴城が戻って数ヶ月過ぎてから、彼が私に話しかけてきた。

 貴城「鏡よ、鏡。僕の話を聞いてくれるかな…。」

  はい、私の役目ですから、聞きますよ。

 貴城「僕が約一年近く他の店に出向してる間に、ここもイロイロあったみたいだね。」

  ま、まぁね。

 貴城「僕も、『ラッキースター』や『ルナ』で沢山の人に出会ったから、何があっても驚かないけど。」
 貴城「ゆりさんが、以前程甘えてくれないと言うか、心此処にあらずと言うか…。」

  そりゃ、そうだろう桂との事は、知られたくないと思うよ。

 貴城「一緒に『ルナ』に出向してた『華』の、瀬奈は結局そのまま『ルナ』に居着いてしまった。」

  あぁ、その話は聞いてるよ、良かったと思ってあげるべきだろうね。

 貴城「僕も、戻ってくるべきじゃなかったのかな!?」

  それは無いよ。戻ってくれて皆本当に良かったと思っている。

 ゆり「貴城さん…!?」

  おや、お嬢さんまた開店前にやってきたと言うことは…。

 ゆり「あのね、貴城さんが帰ってきてくれて嬉しかった。」
 貴城「ゆりさん…。」
 ゆり「待ってる間は、やっぱり不安だったけど、信じていたのよ。」
 貴城「ゆりさん…。」

  あっちゃ…誰も見てないと言っても…。
  おや…!?

 桂 「すっ、すみません。声が聞こえたから…。失礼しました。」

  まったく間の悪い奴だな…(苦笑)

 貴城「桂か、構わないよ、やっと彼女の気持ちが掴めた気がするし。」
 ゆり「貴城さん…。」

  お嬢さんの様子が、普段と違う気がするんだが、私の気のせいかな!?

 貴城「ゆりさんの気持ちも分かったから、僕の不安も消えた。鏡に相談するのは正解だったかな!?」

  はい、ありがたいけど…。お嬢さん…。

 ゆり「貴城さん。あのねお話しがあって開店前だけど来たの、私の話聞いてくれる!?」
 貴城「ゆりさん…。」

  やっぱり、何かあったらしいな…。
  桂も奥へ戻るに戻れなくなってるみたいだし…。

 ゆり「私は、この『スノーホワイト』へ来るようになって、貴城さんに出逢えて、桂にも出逢えた…。」

  桂との事を告白するつもりかい、お嬢さん…。

 ゆり「でも、もう来れなくなるの、まだ正式に決まった訳じゃ無いけど、お嫁に来て欲しいって…。」
 貴城「何故!?僕の方が、先に…。」
 ゆり「仕方ないの、断る訳に行かない話だから。」
 桂 「ゆりさん…。お幸せに…。」

  おや、諦めるのかい!?お前さんは…。

 桂 「お客様と、ホストの関係何だし、夢をお互い見れたなら、良かったと思うしかない…。」
 貴城「桂、お前、もしかして…!?」

  あらら、本気で貴城は、気付いて無かったと言うことか…おめでたい奴だね(笑)

 ゆり「そうよね、楽しい夢を見せてもらった。だからこのまま、お嫁に行っても、忘れない。」
 ゆり「貴城さん、もし神様が時が許してくれるなら、また貴方と出逢いたい。
   戻ってきてくれると信じて待てた。だから…。」

  あちゃ、またですか…。

 貴城「分かりました。僕はゆりさんを一番大切な人だと信じています。
   いつか貴女を見つけだして、もう一度抱きしめます。」

  はぁ、流石だよ…。あらら、お嬢さん泣いちった。
  桂は…戻ったか、居られないよな…ゆりさんの気持ちが、貴城に向いたなら余計に…。

 貴城「今夜は、遊んで行ってくれるでしょ。お祝いしなきゃね。」
 ゆり「貴城さん…。」

  落ち込んでも、営業を忘れてないか(苦笑)

 桂 「貴城さん…!!」

  あれ、戻ってきたよ。

 桂 「さっき連絡があったんですが、夏希さんが正式に『スノーホワイト』に入店するそうです。」
 ゆり「まぁ、彼が入店するの!?でも、お会いする事は出来ないでしょうね。」
 貴城「ゆりさん!!夏希さんか…これは失恋して(ゆりと目を見合わせて)落ち込んでる間は、
   無さそうだね。」
 桂 「はい、張り切ってお客様に楽しんで頂けるように、頑張って行きましょう。」

  そうだな、しかし夏希が正式に入店か、イロイロ驚かされる話が続くね。
  まぁ、3人とも明るい笑顔になったから、これで良しかな!?








スノーホワイト・5 解説 トップ