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きっかけは、一本の電話だった。それはある不動産屋さんからの電話で、「家を買うことをお考えになったらどうですか?あなたは家を買える人です」というものだった。私が公務員の官舎に住んでいることをどこからか知り、これならいい客になると思ったのだろう。 その当時、マイホームなど全く興味もなく、ましてや買う気などさらさらなかった。まあ、しばらく話の相手をしてやるかくらいの気持ちで、応対した。 今にして思えば「さらさらなかった」というのは嘘かもしれない。それ以来何度かその業者から電話がかかってきて、「物件を見に行きませんか」としつこく誘うものだから「まあ見るだけなら」と軽い気持ちで行くことにした。 |