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1/100敷地模型を元に、スタッフと打ち合わせをしました。
先ずは、「将来にわたって誰にも邪魔されないであろう」敷地北側の借景をメインに考えよう、という方針でスタートしました。
先ずは、建蔽率を反映したボリュームを幾つか置いてみました。「第一種低層住居専用地域」であり、建蔽率50%容積率80%と、建築制限の厳しい地域であるために、うまく計画しないと、ぼってりとした住宅になってしまいそうです。
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study-model-01 |
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隣もそうであるように、もっとも、オーソドックスな形です。シンプルな形ですが、内部空間が複雑に構成されていれば面白いのではないか、と考えました。 |
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study-model-02 |
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study-model-03 |
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study-model-04 |
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study-model-05 |
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北側の借景に寄り添わせてテラスを確保し、建蔽率一杯に建築すると南側道路沿いに取るつもりの駐車場もままなりません……。 |
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study-model-06 |
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「東京カテドラル大聖堂」のような内部空間のプロポーションです。北側隣地の借景と、南側上空の空を素直に結ぶとこんな形になりました。 |
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study-model-07 |
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南側と北側を素直に『筒状の空間』でつないでやると、こんな感じでしょうか?内部空間は、スキップフロアになっており、北側の借景と、南側上空がつながるように、構成してあります。 |
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study-model-08 |
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これも、「北側の借景と、南側上空をつなげる」ことをテーマにしています。形が蛇行しているのは、敷地北端の形状が鋭角にとがっていることに引っ張られてしまっています。
ただ、この敷地面積と建蔽率の中にクライアントの要望を入れようとすると、どうしても敷地北側の形状を積極的に受け入れざるを得なさそうです……。 |
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study-model-09 |
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これも、「北側の借景と、南側上空をつなげる」路線です。階段状に空間が連なっています。 |
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study-model-10 |
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これもです。
南側の直射日光は少なめに抑えて、北側の安定した採光を、大きな開口で取り入れられないか、と考えていました。
階段状に配置された各室が、腰から上の部分には、窓が設けられており、その下の部分からは、全ての部屋が段々畑上に見下ろせる、という空間構成にしようと考えていました。
「それぞれの諸室が、それぞれにオーソドックスな自分だけの窓を持ち、しかし一方でワンルーム的な側面を持つ」という不思議な空間をイメージしていました。 |
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study-model-11 |
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これもそのシリーズです。 |
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スキップフロアが、螺旋状に連なっている空間です。 |
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study-model-13 |
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最初の単純なボリュームのなかに、階段状のスキップフロアのプランを入れ込んでいます。南側は、道路向かいにそそり立つであろう住宅を想定し、トップライトで光だけを取り入れる形にしています。
要望である「テラスに面したリビング」は、敷地北端の三角形の部分に設けるしかありません…。 |
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study-model-14 |
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これも、同様のイメージで作ったものです。
「北側の借景と、南側上空をつなげる」ことを普通に捉えて、きちんと解決していこうとすると、どうしてもこういう形になります。きっとこれが、その課題に対しての一番オーソドックスな作り方であり、ある意味での「正解」なんだと思います。
……しかし、面白くないんですよねぇ……。
ある程度優秀な建築家であれば、誰でもこの答えに辿り着いてしまいそうな気がして……。 |
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study-model-15 |
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面白くないので、細長い空間を蛇行させています。リビングとついになるテラスは、リビングの横に配置する予定です。 |
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study-model-16 |
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同じく、面白くないので、先端を少し曲げてみています……、が、やはり何も面白いものは生まれてきません。
この敷地で、この条件だと「今回は大して良い案が出来ないんじゃないか」と、心の中で「諦めモード」が芽生え始め、何度目かの打合せも沈みがちになっていったのですが……、 |
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study-model-17 |
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変形した敷地の「変形した部分にギリギリの大きさ」で建物を作り、建蔽率の許す限りの大きさで中庭を取ったものです。
一見して、アバンギャルド過ぎてリアリティのないこの形が、最も合理的なのではないか、と、思いはじめました。 |
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study-model-18 |
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担当スタッフと一緒に上の模型を眺めながら、勝手な空想がスラスラと展開してゆきます。
(上の模型はそうなっていないですが)
北側の三角形はリビングの棟で、その三角形の一面(東側)にはキチンが造り付けられており、北向きの一面は北側の借景のための大きな開口部、そして残る一面はテラスに面している、という構成です。中庭を挟んでその向こうの棟にその他の諸室が配置されています。
頭の中で、あっという間に「抜群に筋のいい建築」が組みあがりました。 |
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study-model-19 |
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先ずは、両方の三角形共に平屋で構成してみました。
2つの三角形のあいだに設けた中庭は、ちょうど「都市のスキマ」のような場所を狙って、設けています。 |
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study-model-20 |
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全体を2階建てのボリュームに置き換えました。
北側の「リビング棟」は、中二階にして高い天井高さを確保してあり、そのまま、テラスを介して、「個室棟」の2階とフロアが連続してゆきます。
「個室棟」の1階部分には、水廻りと寝室、クローゼット、玄関、客間を詰め込んでいました。いま思うとプランニングにはかなり無理があり、「無理やり詰め込んでいる」感じが拭えません。
しかし、今までの案と比較すると、雲泥の差で良くなっています。「基本的にはこの路線しかない」と確信しました。 |
2010-09-11 |
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study-model-21 |
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プランニング上の問題点を克服するために、「個室棟」をいじっています。三角形の形状がプランニングし辛い元凶だと考え、出来るだけ方形を導入しようと考えました。
しかし、今度は駐車場の取り方に無理が出てきます。
それに、内部のプランも思ったほどに改善しませんでした。
しかし、とにかく上の案(study-model-20)で一度クライアントの意見を聞いてみようということになりました。
わたしたちにとっては最上の案でも、クラアントが同じように考えてくれるとは限りません。
「三角形2つの連なり」は、形としても刺激が強すぎて、受け入れてくれない可能性が高いのではないか、と思えました。
これ(study-model-20)が最上の案であるにしても、いきなりこれを押し付けるのはまずいのではないかと考え、もうひとつ、中間的な「駄目案」を作り、それを「てこ」に提案した方が良いと考えました。
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study-model-22 |
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これがその「駄目案」です。
基本構成は、「三角形案」と全く同じです。
棟の形状自体は直方体ですが、(必然的に)中心に設けた中庭は隣家の壁面にドンとぶつかってしまい、空間の広がりと良好なプライバシーが確保できなくなってしまいます。
これを元に、一見理不尽に見える「三角形案」が以下に理に適っているかを説明しようと考えました。 |
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