Why(なぜ)?



河原にそよぐ 傷ついた葦
抜かれて 折られ
捨てられるのを
じっとうつむき 待っている

けれども それを折らないで
杖とされたのはなぜ?

大切 大切 大切だから
あなたは とても 大切だから

油の切れた 古いランプ
芯まで燃えて
燃え尽きるのを
くすぶりながら 待っている

けれどもそれを消さないで
輝かせたのはなぜ?

必要 必要 必要だから
わたしは あなたが 必要だから

力尽きはて 倒れたわたし
何もできない
自分に気づき
声を殺して泣いていた

そんなわたしの手をとって
立ち上がらせたのはなぜ?

愛してる  愛してる 愛してるから
いのちささげるほど 愛してるから


聖書の言葉
  「彼はいたんだ葦を折ることもなく、くすぶる燈心を消すこともなく、まことをもって公義をもたらす。(イザヤ42:3)」



さまよえるたましい



どこへ行けばいいの?
どこへ向かえばいいの?
行き先が わからないのに
ひたすら歩き続けた
何かを求めて……

気がつくと さっきと同じところを
歩いていた

さまよえる わたし
さまよえる たましい

生きていてもいいの?
何をしたらいいの?
どうしてよいかわからずに
自分を痛めつけていた
答えを探して……

気がつくと 泥沼に落ちこんで
もがいていた

さまよえる わたし
さまよえる たましい

漂流をくりかえし
たどりついた場所は
初めてなのになつかしく
声を上げて泣きじゃくる

気がつくと 抱きあげられていた
主(しゅ)のふところに

とらえられた 心
愛される わたし



つくし



教会へ行く土手の坂道
春になると いつもそこにお前がいた
ずっと待っていたんだ
やっと出てきてくれたんだね
  今年も会えてよかった
手術から7回目の春

美しい色の花びらや
人の目を惹くものは何もないけど
そんなこと気にせずに
天に向かってまっすぐと
ひたすら伸びていく
わたしはお前を見習いたい


聖書の言葉
私は切なる思いで主を待ち望んだ。
主は、私のほうに身を傾け、私の叫びをお聞きになり、
私を滅びの穴から、泥沼から、引き上げてくださった。
そして私の足を巌(いわお)の上に置き、私の歩みを確かにされた。
主は、私の口に、新しい歌、われらの神への賛美を授けられた。
多くのものは見、そして恐れ、主に信頼しよう。 (詩編40:1-3)



ディープ



傷を受けた心 
いつまでたっても治らずに
眠れぬ夜がつづいてる
神さまどうか この傷包み いやしてください

ディープ ディープ 深い あなたの愛で
わたしの心 包まれて そして いやされていく

疲れはてた体 
すべての力を失って
このまま もう起き上がれない
神さまどうか わたしを抱(いだ)き 力をください

ディープ ディープ 深い あなたの愛で
わたしの体 抱かれて 力注がれていく

気がつくと わたしは
  ほころびだらけで
言葉と
  態度で人を傷つけていた
神さまどうか このほころびを つくろってください

ディープ ディープ 深い あなたの愛で
わたしのたましい つくろわれた 傷ついた御手で


「ナイーブで傷つきやすいのに…ひどいこと言われて……わたしは傷ついています!」
これまで何度神さまに訴えてきたでしょうか。そのたびに傷を癒していただきました。
少しも無理できない体。忙しい日がちょっと続いただけで寝込んでしまいます。病に伏した時は、もう起き上がれないかと思いました。そんなわたしに神様は力を与え、再び元気にしてくださいました。

ふとふりかえると、自分自身に問題があることに気づきました。『傷ついた』と被害者意識でいたわたしでしたが、実は人の心を傷つけていたのでした。
わたしの魂はほころびだらけでした。まずこの魂こそ繕(つくろ)っていただかなければならなかったのです。
ほころびを繕ってくださったのは、十字架の釘がさされたあとのある傷ついた手でした。
十字架によらなければ繕うことのできないほど大きなほころびだったのです。



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