COLONEL 5
透明ではない
暖かくもない
なのに
光のようだと思う
いつまでもずっと降り注いで ─
開け放していた窓から迷い込んできた鳥は黄色い羽。
天井を回り机の端に羽を休めた。
頬杖をついたまま見入る。風が吹き花瓶の花を揺らすと、驚いたように羽ばたいた。
出口を探しているのだろう、ただ狭い部屋の中を戸惑ったように行き交っていた。
やがて諦めた様に机に舞い戻る。
そっと、両手でつくった空間に包み込むと、鳥は、ぴくっと身体膨らませた。
柔らかな温かさが伝わってくる。
「おまえがいる場所ではないよ」
窓から逃がしてやる。
鳥の影は直ぐに視界から消えたが、伸ばしたままの手はそのまま青空に吸い込ま
れていきそうで、つい身を乗り出した。
靴の踵が床を蹴る音が一つ聞こえ、振り向くとエドワードがドアの前にいた。
いつもより顔色が悪く見えて近寄る。
退くかと思ったのに、逆に向かってくるから心の中で少し驚いた。
「 ─ 昨日よりは少し背でも伸びたかな?」
動揺を抑えて、壊れ物を扱うように柔らかく抱き締める。
まるで今し方、小鳥を生け捕りにしたように ─ だけど、鳥は逃がせてもエドワードは
逃がしたくないという想いが知らずに力をこめさせる。
「さっき ─ ・・」
ふと、エドワードは胸に押し付けていた顔を上げた。
「何処かに行ってしまうかと思った」
「窓から?」
小さい頭が頷く。
「ここに迷ってきた小鳥を放してやっただけだが」
笑って手の平を見せると、エドワードはその手首を掴み、自分の両頬に押し付けた。
「・・以外・・触るな ─ 」
「難しいなそれは」
そうして、まだ青ざめている額にキスすると、エドワードの腕が首の後ろに伸びた。
「思いのほか 我がままだな でも ─ 」
強く結んでいる唇が、言いかけては止める言葉が知りたい。
「もっと何でも言っていいよ」
エドワードは、
「何でもきいてあげるから」
頷いて、耳元に唇を寄せた。
─ 大佐がいるだけでいい ・ ・ ─
光のような言葉
君はなにも知らないで
たやすくそれをくれる
おしげもなく許してくれる
エドワードを抱き上げて部屋の鍵をかける。
この物語りには続きがある
それはこれから
ゆっくりと歩きながら語ろう
走り過ぎて息が切れないように
急ぎ過ぎて通り過ぎないように
その題名は探さなくてもいい
君の胸にある
私の胸にある
ただ一つの言葉に決まっているから ─ END
─ back ─
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