奇門遁甲のことを知ってもらうために(もう既に知ってる方にはつまらない部分ですが・・・)簡単に基礎知識について触れておきます。あくまで基礎部分であり、応用等は各個人で行ってください。奇門遁甲で使用する要素には三奇、六儀、八門、九星、八神があります。これらについて解説していきます。
 
 

●三奇●


三奇とは十干のうちの、乙・丙・丁をいいます。術の中には三奇とは別のものを指すこともあるらしいのですが、

奇門遁甲では人中三奇である乙奇、丙奇、丁奇を指します。

乙奇の属性は木で伝説によれば乙は日の出を意味したので日奇とも言われます。

丙奇は火に属し伝説では月を照らしたことから月奇といわれます。

丁奇は火に属し天空の星星を表したことより星奇といわれます。

一説によれば南にある星、南極星(おそらく架空の星)を表していたとされています。

日、月、星の中で最強なのが星奇とされています。

 

 
         
 

●六儀●


六儀とは十干のうち戊、己、庚、辛、壬、癸をいいます。それぞれは六甲で表現されることもあります。

甲子、甲戌、甲申、甲午、甲辰、甲寅という表現です。上記の三奇と六儀の天干の配置によって作盤していきます。

 

 
         
 

●八門●


八門は排宮法によれば、杜門、景門、死門、驚門、開門、休門、生門、傷門の八つの門のことをいいます。

飛宮法では、これに中門を加えて九門とします。しかし、飛宮法でも中門を用いない方法や、

死門を更に加えて九門とするやり方もあり千差万別です。

この八門は八卦が八門に変化したものとして考えられています。

一般的には八門のうち開門、休門、生門は吉門とされ三吉門と呼ばれています。

景門、杜門は次吉とされケースバイケースで吉凶が変化します。傷門、死門、驚門は凶門とされています。

それぞれの門には定位と五行が割り振られていますが、先に述べたように八卦と同じなのでお分かりになると思います

 

 
         
 

●九星●


九星には、天禽、天心、天柱、天任、天英、天蓬、天ゼイ(漢字がないためゼイはカタカナ表記)、天冲、天輔の

九つの星をいいます。これは実際には北斗七星に二つの虚星を足したものとされています。

九星にもそれぞれ五行と定位がありますが、ここでは略します。

天輔、天禽、天心を上吉とし天冲、天任を次吉とし、天柱、天英を小凶、天蓬、天ゼイは大凶としています。

日本で九星というと気学などの九星(九宮という表現かも)を指しますが奇門遁甲では別のものとしてとらえます。

 

 
         
 

●八神●


八神は、またの名を八詐門ともいいます。

排宮法では直符、トウ蛇、太陰、六合、勾陳、朱雀、九地、九天の八つをいいます。

飛宮法ではこれに太常を加えて九神とします。

勾陳、朱雀は流派によっては、玄武、白虎とすることもあります。

一般的に直符、太陰、六合、九天を吉神、九地を次吉神、トウ蛇、勾陳、朱雀を凶神とされています。

 

 
         
 

●布局法●


上記 の要素はある一定の法則により配置されます。これらの配置法は流派により違いがあるので

それぞれの皆様が信ずる布局法に拠ってください。

基本的な流れは局数を求めることから始まります。

この局数を求めることもクセがあってそれぞれの流派により様様です。

当然局数の取り方が変われば作盤の結果も違ってきます。

局数が決まれば地盤が決められそれをもとに、直符、直使をもとめ天盤を配置していきます。

作盤方法も幾通りもあります。

奇門遁甲が難解といわれる所以にはこういう複雑な作盤方法や流派が壁となっているのかもしれません。

 

 
         
 

●挨星法●


内藤流奇門遁甲をやられている方には少し上記の内容は違和感があるかもしれません。

逆に上記の様式による遁甲を実践されている方には内藤流に違和感を覚えるかもしれません。

それくらい内藤流の奇門遁甲は通常のものとは違います。

また内藤流を支持している人の多くが通常の奇門遁甲のことを符使式と呼んでいます。

私はこの符使式という言葉にとても違和感を覚えます。(^_^;)

内藤式遁甲は挨星法ともよばれ、九星を天地盤合わせて易の六十四卦で方位の吉凶判断を行います。

内藤流は奇門遁甲を応用した内容となっており、太古の日本に伝わった遁甲の再現ではとも言われております。

ですが、厳密に言えば内藤流は作盤の際、遁甲盤は参照しても

三奇と八門を用いていないので奇門遁甲とは言えないでしょう。

ただ、それを応用しそれにより効果があったという話も聞きますのでこれまた侮るべからざる方位術といえましょう。

私個人としては内藤先生のことは好きな遁甲家の部類なんですけどね。

 

 
         
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