Goro's BAR 新春スペシャル

【2004年12月】
〜従業員忘年会〜
ゴロー(そっと扉を開けるて中の様子を見るが、そのまま帰ろうと扉を閉める)
   (呼ばれて仕方なく戻ってくる)
   「君たちもう出来上がっちゃってるね、飲みすぎじゃない」
   「じゃあね、改めて乾杯しよう、乾杯!」
   (一人ワインのオーナー・ゴロー)
   「やっぱり、新しい女の子を一人もね
    店にゲットすることができなかった
    まあちょっと、来年こそはね
    ちょっと、新しい人にね、フロアレディーを増やして
    店の売り上げを徐々にアップしていきたいなと
    じゃあ、みんな来年もよろしくね」
従業員「オーナーについていきます」
   「好きや! オーナー」
ゴロー「大丈夫?」
従業員「オーナー大好き!」
(フロアレディたちは酔いながらもオーナー・ゴローが大好きと言い張ります。)
ゴロー「一人も来てないんだよ、ホントに、大丈夫?」
従業員「大丈夫」
   「オーナーがいれば大丈夫ですよ」

ナレ「はたから見れば、優男が飲んだくれたちにからまれているようなもんだが
   実は何を隠そう、夜の街・赤坂を闊歩する華やかな夜の蝶と、その雇い主
   そんな修羅場を潜り抜けてきた女たちの集まる店
   それがGoro’s BAR

【2005年1月1日】
〜Goro’s BAR〜
表でボーイたちが元旦から働くことをぼやいている
キレイな女優さんみたいな人(大竹しのぶ)
腰がストローみたいな子(長谷川京子)
ナイスバディーでモデルさんみたいな子(インリン・オブ・ジョイトル)
背がすらっと高くてガンダムみたいな女の子(梨花)
が来店してくれることをボーイたちは望んでいるようです

ナレ「正月早々、騒がしくなりそうなGoro’s BARに
   なんやら危険な匂いが漂ってきてるとは、まだ気が付いていないようだ」
(店の前に立つあやしい人影)

〜新春特別営業 開店前のGoro’s BAR〜
友 近「さあ、今年もね、皆さん頑張っていきますよ」
従業員「はい」
友 近「1年の抱負を言いますから、それを皆さんで復唱してください、いいですか」
   「飲んで騒いでサラリーマン、財布の中身はカラリーマン」
   「はい、1年頑張っていきましょう」
さやか「いやー、今年もいい1年になりそうですね」
ゴロー「そうだね」
さやか「よかった、楽しかった」
ゴロー「幸先イイね」
   「あ、みんな、あけましておめでとう」
友 近「おめでとうじゃないですよ
    ちょっと、なに、なに、チ−ママと一緒に
    ちょっと、どういうことですか、それ」
ゴロー「あ、なんかいけなかったかな」
友 近「みんなのオーナーじゃないですか、そんな、もう
    ダメですよ、チーママだけ」
ゴロー「結構、強引な誘いだからね、いつもね
    こないだはバースデーカード、ありがとね」
友 近「ちょっと、なによそれ」
さやか「やっばい」
ゴロー「いや、でもね、初詣に行っておみくじを引いてきただけだからね」
さやか「おみくじ引きましたっけ、わたし見てないですよ」
ゴロー(やばいという顔)
友 近「持ってんじゃない」(取ろうとする)
ゴロー「まあ、良かったよ、結果は」
さやか「見せてください」
ゴロー「ちょっと…」(チーママ・さやかに取られる)
さやか「えー、大凶だって」
ゴロー「あちゃー」
さやか「しかもね、魔物があなたを襲うだって」
友 近「魔物?」

タクヤ「すいません」
ゴロー「ん、この音は
    この音はなんだ」
   (女性が次々に入ってくる、オーナー・ゴロー思わず拍手)
タクヤ「魔物です」
ゴロー「この店に、あなたは用はないはずだ
    何しに来たんだ」
さやか「オーナー、この方誰なの?」
ゴロー「僕の兄です」
従業員「えー!?」
タクヤ「しょうもない兄貴で、どうもすいません」(ウインク)
さやか「あー」(倒れる)
   「熱い視線にやられてしまった」
ゴロー「タクヤ兄貴、この店に何しに来た!!」
ボーイ「ボ、ボーイなら、間に合ってますよ」
タクヤ「この店って、死んだ親父の持ち物だったでしょ
    ていうことは、兄貴である俺も相続権があるってことじゃん」
ゴロー「8年前にあんたは、なんにも言わずに勝手に家を飛び出して
    その間に、うちの親父は死んでしまって
    その間あなたは、なんにも連絡をよこしてくれなかった
    で、俺が頑張って、この店を立て直し
    いや、1人じゃない
    ここにいるみんなと、そうだ、ここにいるみんなと僕があって
    そして今のGoro’s BARがあるんだ」
さやか「そうよ、この店はあなたのものじゃない」
ゴロー「そうだ」
さやか「オーナーの、そして私たちのものなの」
ゴロー「そうだ!!」
タクヤ「だから
    みんなも一緒にもらいにきたっつってんじゃん」
さやか「私たちも?」
ゴロー「ふざけるな!!」
タクヤ「ふざけるな?
    私だけでしょうか、ふざけて生きるのが好きなんです」
さやか「今の言葉、超カッコいい!!」
(フロアレディたち、兄貴・タクヤに寄っていく)
ゴロー「ちょっと待てよ、君たち
    ちょっと待って…なんで」
タクヤ「体って正直だよね」(とチーママの肩を組む)
従業員「チーママが」
ゴロー「ちょっと待て!!」(引き離す)
   「はっきり言っておくがな、この店も、ここにいるみんなも
    兄貴に渡すわけにいかない」
タクヤ「だったら、ここでちゃんと決着つけるか?」
ゴロー「決着?」
タクヤ「おまえと俺、どっちが、この店のオーナーにふさわしいか」
ボーイ「タクヤさんとゴローさんが勝負するんだな」
   「そうだな」
タクヤ「そのまんまじゃないか」
   「だから、もし俺が勝ったら、ここGoro’s BARじゃなくて
    Takuya’s BARにしてもらうからな」
従業員「Takuya’s BAR」
ゴロー「望むところだ」
タクヤ(ウインク)
ゴロー「ウインク?」


ナレ「性格美人ぞろいが売り文句のこの店も
   どういうわけだか、男運にも金運にも見放された女たちばかりが
   流れ流れて、そのままいついた
   こういう夜の商売じゃ、頼りになるはずの男どもも
   女たちに押されっぱなしで、店は青息吐息
   先代オーナーだった親父さんが死んじまって
   あとを継いだ息子が2代目オーナーになったんだが
   兄貴がいたとは、誰も知らなかった
   しかも兄弟で店の看板を争うってのは、年の初めから
   これは一体どうなっちまうのかね」


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