日本の天皇皇后両陛下に謁見して、ご慈愛を受けた日
私と妻は、日本の明仁天皇陛下および美智子皇后陛下のご慈愛を受け、2006年6月13日10時55分から11時25分まで、チュラロンコン大学のマハーチュラロンコン館111号室にて、両陛下に謁見する栄誉を得ました。この経験は、私と妻にとって喜びに満ちた経験でした。
全部で60人ほどの招待客のなかで、私と妻は3番目に謁見しました。招待客のなかには大臣や元大臣の顔もありました。私と妻について面倒をみてくれた大使館の人によると、私をあまり緊張させないようにという配慮で、私たちの前に二人の人が謁見し、私たちは3番目となったそうです。
大使と大使館の書記官が、私と妻を両陛下の前に案内し、私たちの紹介をしてくれました。天皇皇后両陛下は、手を前に差し出されて握手をお求めになり、私が来たことに対して喜びの意を表されました。そして、私の設立した博物館についてお話になりました。特に、皇后陛下が喜びの意を表されました。ということは、博物館のことが陛下のお耳にもはいっているということです。そして、遠くから来てくれてとてもうれしい、と仰いました。両陛下は、クンユアム郡の博物館に関する活動をしてきたことについて感謝の言葉を述べられ、日本国民としてとても感謝している、と述べられました。
陛下は、第2次世界大戦時に日本兵を助けてくれたタイ国民すべて、特にクンユアム郡在住の、ゲーオ・ジャンシーマーさん、パーン・ターヌーさん、ピムパー・ガンターさんに感謝の気持ちを持っておられると述べられました。当初、この3人もこの場に招待する計画があったそうですが、高齢で健康状態が良くないことから、3人は来ることが出来ませんでした。両陛下は、3人が来ることができなかったこともご存知で、この3人のお年寄りによろしく伝え、身体を大事に、そして早く元気になることを祈っている旨伝えるよう、私に託されました。
また陛下は、私の著書(第2次世界大戦でのクンユアムの人々の日本の兵隊さんの思い出)を読んでおられるが、まだ読み終わっていないこと、良い内容であることを述べられました。私は、第2次世界大戦に関係する活動を支援するために、平和の為の財団を設立したこと、そしてチェンマイの事務所のなかに小さな博物館を作る計画があること、展示する品物のいくつかはもう用意してあることを報告しました。陛下は、博物館と財団を支援している人に感謝の言葉を述べられ、再度、第二次世界大戦時に日本兵を助けてくれたタイ国民に対してお礼の言葉を述べられました。
私は、陛下に、陛下からのご慈愛ほど喜びと感激を感じた出来事はなく、今回のことは私と妻にとって、人生で最も幸せな出来事です、と述べました。そして、私および博物館と財団に関する活動をしている者は、陛下に献上するために、そしてこれからのタイ人と日本人の関係のために最善をつくして活動すること、また、今年はタイのプミポン国王の在位60周年の年にあたり、この度の栄誉を国王に献上したいことを述べました。
最後に、私およびタイ国民は、天皇皇后両陛下のご長寿と、さらなるご健康、ご繁栄をお祈りしていることを伝えると、両陛下は小さくお辞儀をされ、感謝の言葉を述べられました。
両陛下は、私と妻が想像していた以上にご関心をお持ちでした。私たちとお話いただいた時間が他の人よりも長かったため、記者の人たちも関心を持ち、チェンマイまで取材に来る人も何人かありました。
私と妻は、両陛下のお気持ちに大変感激しており、これから先の人生に、これ以上の経験はないだろうと思っています。
また、謁見の際のこれらのご慈愛のほか、大使館を通して、私と前述の3人のお年寄りあてに記念品を賜りました。直径4.5cm、高さ7.8cmの、銀製の杯で、直径1cmほどの天皇家の象徴である菊のご紋がついており、マンゴスチンの皮の色をした皮製の箱に収められています。
私と妻は、大使、公使および、在タイ日本大使館職員の方々すべてにお礼申し上げます。謁見前から謁見の最中、謁見後チェンマイに戻るまで、すべてにおいて便宜を図っていただきました。
私は、今回のこの経験を、一生心に刻みつけるとともに、ご関係者の皆様にご報告する次第です。
2006年6月14日
警察中佐 チューチャイ チョムタワット
平和財団代表
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