最強の剣豪は誰か
上泉伊勢守の巻(1)


上泉伊勢守は、剣豪しての挿話がない。
上位にランクされるのは弟子達のそうそうたる顔ぶれというのが根拠。それしかない。
弟子たちも最強にランクインされるが、柳生石舟斎や疋田文五郎、丸目蔵人はとく登場するが、
神後伊豆守、奥山休賀斎はあまり登場しないし、穴沢浄賢なんかもう忘れられてしまっている。
奥山休賀斎の弟子の小笠原源信斎は上泉伊勢守でさえ敵わないだろうと同門のものたちが語ったとか。
さらに、小笠原源信斎の門下から針ケ谷夕雲や神谷伝心斎がでた。
弟子たちは、確かに超有名人が多く、豪華な顔ぶれと言える。
弟子の顔ぶれで最強とされるなら、上泉伊勢守の師である愛洲移香斎(その息子説あり)は、もっと強かったのだろうか。
愛洲移香斎の陰流を上泉伊勢守が新陰流へとUPさせたのだから上泉伊勢守のほうが一枚上手とも言える。
完成度というなら、さらに柳生が完成させ、柳生の中でも、尾張の天才といわれた柳生連也斎が一番となる、のか。
上泉伊勢守は、数々の流派を学んだが新当流、念流、陰流の他は駄目とし、陰流の奇妙から新陰流を興したのだが、
それにしても、新陰流という流名は、大変分かりやすい命名である。新しい陰流である。
困ったのは、弟子たちだ。工夫して一流を興そうとしても命名が難しくなったのだ。
まさか、"新陰流V3"とか"2倍強くなる新陰流"などにするわけにはいかない。ま、超新陰流くらいか。
一刀流のように小野派一刀流という風に命名できなかったのだろうか。

