「擬死再生」
それは闇のお堂の中に籠り、人格再生の為の秘密の法要を営む儀式で
死界から現世へ  罪深い人から〜清く美しい人へ 生まれ変るという。 
地獄から天国へ通じる生と死の間に架かる橋を「天の浮橋」と呼んでいる。

擬死再生の秘儀

太陽系 惑星 
 
二つの星が 互いを求め 

ブラックホールに 吸い込まれて行く

恍惚とした感悦が さざ波となって押し寄せ

巨大な波が 喜びの大きさを予感させ

波の周期の 速まりと共に
 
頂上へと 快感が押し上げられてくる



波をつかみ 隙間をぬい

波の動きにあわせ 

指先が 谷間をゆっくりと降りて来る

這入ると思わせ はいらず 

それでいて 波を離さず 

波動に合わせ 波頭を巧みに乗り換え

心地よい 夢幻の花園へと導いて行く


              

指先が最後の巨大な波を 見極めると  
 
花芯にぴったり 張り付き

花びらの奥の蜜を 吸い採っていく

 
バタフライの 力強い羽ばたきに
 
乱れる花びら 

責めたて 攻め寄せる喜びに

身体の奥で炎が舞い 蜜が溢れ

激しい蝶の動きに 耐え切れず
 
のどの奥から絞り出す 切ない悲鳴
 

花弁を わなわなと震わせ

唇を結び 髪を振り乱し

尾を引く悲痛な叫びを 一声残し

無限地獄に 落ちていく

 
      大きな渦に巻き込まれ 急浮上すると

      硬直していた肉体が 虚脱の表情を漂わせ

      総てのストレスを吐き出した裸体が 横たわっている

      死の淵で知った 究極の喜び! 擬死再生の秘儀

      生と死の狭間で 天の浮橋を何度も彷徨い  

      虚ろな瞳は 開く力さえ失っている


      秘儀を仕込まれた 花芯は

      妖精の美しさを取り戻し 次第に輝きを増していく

 

                                     2006.10.27日 照高作     




コメント
愛の交流が肉体を何故美しく変化させるのだろう? 
それは究極の喜びを感じあう事で、日常のストレスが体外へ排出され解毒作用が働くことにより 
体内細胞を活性化させ美しくなると考えるのは無理だろうか?
貴方も炎舞う 未来への扉!開いて見ませんか?