地獄の静止点




花びらに浮かぶ 妖しい官能美

虚ろな瞳 情欲に膨らむ蕾
 
ゆるやかに花弁が
 
sin θ の 曲線を描き始めた


そこに 爛熟の花芯を求める唇が

円周の静止点を求め ユックリ移動 

豊満な谷間をすべり 情欲に満ちた
 
さくら色の花弁の周囲を優しく周遊



脂の乗った 妖艶な美しい 花弁が 

情欲を飲み込むように大きくうねり

潤いに満ちた 花芯が
 
迫りくる唇を感じて 

大きく息づき もがきながら 蠢く





蜜の欲望と化した 蝶の触唇が

正弦曲線上で 静 止  

A点で 地獄の回転を始めた

タテ軸 X と ヨコに変化する Y軸が

sin θ 曲線と 重なり合って

過去 味わった事のない

未体験の波動を生み 生体共鳴し

激しく ブートする


薔薇の悦びが 乱れ咲き 

全身を突き抜け 激しく乱舞 

限界を超えた 官能が荒れ狂い

次々に解き放なたれる 命の叫び! 

やがて 身体がドロドロと溶けはじめ 

魂が開放されて行く







    2007.07.07七夕  照 高


櫨紅葉
 緋衣まとひ 燃え盛る
  炎なびきて 燃えつくばかり

  深空に
 
  余すとこなく さらけ出し
    
心放して 薔薇乱れ咲き



  激しさに
   命の叫び
解き放つ
    山彦響く
愛の流刑地

              照 高