ななさんの御指摘について 2 投稿者:信濃の山猿 投稿日: 6月16日(日)13時07分23秒
これまでの脳死判定事例中、脳死判定終了後移植に至らなかった事例が二件報告されています。法的脳死判定4例目の、千里救命救急センターのドナーから腎臓2、肝臓の提供がありました。腎臓は二つとも移植されましたが、肝臓は移植先の信州大学へ運ばれた後で、「医学的理由」により移植が中止されました。法的脳死判定8例目の患者は脳死判定終了後の移植適性検査により「移植に適さない」として全く臓器提供には至りませんでした(これは原氏が想定していた事態ですね)。
なお、UNOS1997年統計では、全提供臓器のうち移植に使用可能な臓器の割合は、心臓45%、肝臓82%、肺14%、腎臓93%だそうです(額田勲編著『脳死・移植の行方』かもがわブックレット,1999)。
さらに付け加えますと、法的脳死判定後の費用についてレシピエント負担を考える場合、こうした事態にも対応可能なかたちのものを考える必要がありますね。
ななさんの御指摘について 投稿者:信濃の山猿 投稿日: 6月16日(日)12時16分48秒
移植法、施行規則、ガイドラインを合わせて考えた場合、私は、法的脳死判定によって脳死と判定された者の身体は法的に死体となり、その者の死亡時刻は脳死判定終了時であり、本人の提供意思表示及び家族の不拒否にはこのことについての承認も含まれているものと考えています。それゆえ現行法の下では、脳死した者の身体への処置は、@Aを問わず、死体への処置であり、遺族は判定終了時で戸籍修正請求権を失うと考えます。しかし、 法的脳死判定後の脳死した者の身体に関するななさんの御主張には、行政権の濫用の指摘等があります。
このななさんの御指摘には考えてみなければならない点が二つあると思います。一つは、既成法と新法及び上位法と下位法の関係です。例えば、死体への処置といった保険各法がそれまで想定していない事態への処置、あるいは脳死状態での検視という刑事訴訟法がそれまで想定していなかった事態を、新しい法律が規定した場合、既成法の改正なしに、新法の効力はどこまで及ぶのか、という問題です。この点については私は全くわかりません。どなたか教えていただけませんか。
二つめは、施行規則、ガイドラインが臓器移植法に対して、法の規定を越えた拡大解釈、法の精神を無視した恣意的解釈を行っているか、という問題です。具体的には、法律は、脳死した者の身体を移植に使用できることだけを規定しているのであって、脳死した者の身体を死体とすることは規定していない。脳死した者の身体が死体であることを規定しているのはガイドラインであり、ガイドラインがこうした法律に規定されていないことまで規定するのは、「行政の裁量権の濫用」だ、という御指摘です。
これについては、法律は第一条 目的で、「移植術に使用されるための臓器を死体から摘出すること」と死体からの摘出であることを明記しており、第6条の1.2.3項の規定で脳死した者の身体を死体とする手続きを規定している、と解釈していますので、ガイドラインは死体とする時刻、死亡時刻を規定しているだけであるから、行政権の濫用には当たらないと考えます。
検証会議 投稿者:なな 投稿日: 6月16日(日)11時37分39秒
> その実際については、検証会議では明らかにされないのでしょうか...?ご存知の方がおられましたら、どうかお教えください。ご存知かと思いますが、他の方の参考のためにも下記に「検証会議」関連の公開記事禄のURLを紹介させていただきます。
(「公開」といっても不十分なところ、都合の悪いところには触れられていないなどの問題点は残っていると思います)----------------------------------------------------------------
検証会議において検証される具体的な項目、手続きの詳細は↓こちら『脳死下での臓器提供事例に係る検証項目及び検証手続について』
http://www1.mhlw.go.jp/shingi/s0003/s0322-3_11.html#betu1第1回から第5回までの検証会議の議事要旨はこちら↓
http://www1.mhlw.go.jp/shingi/hokeniry.html#nousi第6回以降の検証会議の議事要旨はこちら↓
http://www.mhlw.go.jp/shingi/other.html#kenkou
↑これには移植臓器別の「医学的検証作業グループ」による医学的評価の議事録も載っています。尚、検証会議の構成員は↓の第1回会議議事要旨に載っています。
http://www1.mhlw.go.jp/shingi/s0003/s0322-1_11.html
----------------------------------------------------------------<余談>
「検証会議」の議事禄を読んでいくつか気になったことのひとつに、ドナーカードの提示や臓器提供承諾の意思表示の問題があります。
「家族よりドナーカードの提示があった」「家族より臓器提供の申し出があった」と殆ど全ての事例で家族側の主体的、積極的意思表示があったように簡単に書かれています。
この辺の経緯について、本当にありのままに書かれているのかなという疑問がわいています。(実際はもっと複雑、込み入っていると思うのですが・・・・)
Re 「臓器提供者の死亡時刻」に関連して 投稿者:なな 投稿日: 6月16日(日)11時36分25秒
>> 平成九年十月八日 健医発第一三二九号
> これについては、「平成十年 健医発九六八号で改正」されていますが、ゆうみんさん、的確な情報ありがとうございます。
> この議論は、現行法が施行される以前のものなのでしょうか...?
紹介した四氏による「対談」の初出は(『諸君!』1999年7月号)です。対談の中でも「今年(1999年)」という表現がありますので、現行法が施行された後の議論です。
「臓器提供者の死亡時刻」について再度、丁寧なご説明をいただきましたが、説明主旨は既に理解しているつもりです。どうやら問題の捉え方に根本的ズレがあるようです。
厚生省の『「臓器の移植に関する法律」の運用に関する指針』の内容を「臓器移植法」に照らして何も問題のないものと捉え、その認識を前提とするか、指針に対し現行「臓器移植法」から拡大解釈された恣意的運用の問題点の存在を認めるか、の違いだと思います。私は後者の見方に立っているということです。
行政の「指針」はあくまでも法律(「臓器の移植に関する法律」)に依拠しなければならないわけですが、同法では脳死判定患者の死亡時点を明確に謳っているわけではないと思います。臓器摘出後の心停止(三徴候)をもって死亡時刻としても他の法律との整合性という面では大きな不都合を生じるわけでもないでしょうし、判定終了時を死亡時刻とすることに比べればより法的整合性があるようにも思います。
もし仮に、何らかの事情で脳死判定後に臓器提供が中止された時、家族が延命処置の継続を希望し、死亡(死亡診断書→戸籍記載)の取り消しを訴えたら、法的に微妙な問題になると思います。判定医がいくら行政通達をたてにとって「(旧)厚生省のガイドラインに沿って死亡診断書を書いたものは取り消せない」と言っても、本家の法律には具体的な死亡時刻の規定なんか書いていないわけで、家族から「臓器提供のために脳死判定を承諾したのであって、それがやむなく無効になれば、他の脳死患者(ドナー意思表示のない)と同じように死者とは扱わないでほしい。」という訴えがあった場合、その訴えの前には民法、刑法などの法に照らしても「指針」の正当性を押し通す根拠は相当に弱くなると思います。
しつこいようですが、亡くなられた原弁護士(元「脳死臨調」委員)はいくつかの例を想定して法的不整合性を指摘しておりました。↓http://www.mikkyo21f.gr.jp/info_appeal-4.html
> この「臓器提供者(ドナー)」となられた方が、その後の「脳死臓器移植」に向かう一連の段階で、「提供希望臓器」が移植に適さないと判断された場合は、その後の処置は中止されると考えられます。
これまでの事例では、脳死判定終了後に臓器摘出が中止された例はなかったと思います。
ただ、2回目の脳死判定が中止された事例があり、↓にその検証が記載されています。
http://www.mhlw.go.jp/shingi/0106/s0619-1.html> 実際に、どの段階で判断されるのか等に関しては、ケースバイケースなのだと思います。これは、あくまで個人的な推測ですが、HIV検査等の検査結果が出されるのを待ちながら、同時に臓器の摘出術も行われるのではないかと思います。そして、肉眼的な観察や、組織検査へ組織の一部を回したり...等行われるのではないでしょうか。
臓器提供という方向になったら「できるだけ新鮮な臓器を早く」となり、両者が時間的に並行して行われるということも分からないわけではありませんが、摘出後に移植不適という事態になることは極力避けるべきだと思います。家族にしてみれば、「検査で分かるのなら何で待たなかった」「切り刻んでから臓器は使えなかったはないだろう」と無駄なメスを入れたことに対する憤りを持つことになるのではないでしょうか。
これまでに、摘出された臓器全てが移植不適とされた事例はなかったと思いますが、複数の臓器のうち一部の臓器が移植不適とされ廃棄された事例はありました。その場合、遺族にはどのような釈明があったのか・・・・不明です。
原さん 投稿者:森岡正博 投稿日: 6月16日(日)02時06分29秒
原さんの言葉>また何日、何ヵ月か生きることになるでしょう
は、少なくとも法的にはありえない、つまりこの場合法的には「死体」となっているはずです・・・。
確認できました 投稿者:なな 投稿日: 6月15日(土)18時40分48秒
ゆうみんさん、質問の件ですが、Web上↓で「指針」を確認できました。失礼しました。
http://www.medi-net.or.jp/tcnet/DATA/guide.html
ただ、私の投稿(6月15日(土)01時41分42秒)で紹介した原秀男弁護士の発言は妥当性を失っていないと思います。
日本の行政の特徴というか特異的な点だと言われておりますが、法律で正式に定められた以外のことが、あまりにも「指針」という通達などで拡大的、恣意的に解釈された法律行政が多いと思います。
「行政の裁量権」の乱用ということです。法的脳死判定後に臓器提供が中止された場合、その後患者が生き続け、家族が戸籍記載(死亡)の修正を申し出た時、法的にも混乱すると思います。
Re 臓器提供者の死亡時刻について 投稿者:なな 投稿日: 6月15日(土)18時07分59秒
> 「・・・・・。 法的脳死判定によって死亡診断がなされた場合には、死亡時刻の記載の他に、脳死判定に係る第一回目の検査終了時の時刻についても、死亡診断書の(18)「その他特に付言すべきことがら」の欄に併せて記載すること。」この記述(旧厚生省による省令か行政指針通達かとおもいますが)の出展先を教えていただけませんか。
> この欄への記載によって、「法的脳死判定」により「死亡」と診断されたことが解ります。また、その後移植に適さない等の理由により、臓器摘出に至らなかった場合の取扱いについても同様です。
「第一回目の検査終了時の時刻」を記載させるのは、第一回と第二回の間に規定の6時間以上の時間があけられたことを確認できるようにするものだと思います。
「臓器摘出に至らなかった場合の取扱いについても同様です」の同様とは具体的にどのようなことでしょうか。
臓器提供者の死亡時刻について 投稿者:ゆうみん 投稿日: 6月15日(土)02時26分05秒
補足させていただきますと、「・・・・・。 法的脳死判定によって死亡診断がなされた場合には、死亡時刻の記載の他に、脳死判定に係る第一回目の検査終了時の時刻についても、死亡診断書の(18)「その他特に付言すべきことがら」の欄に併せて記載すること。」
とあります。この欄への記載によって、「法的脳死判定」により「死亡」と診断されたことが解ります。また、その後移植に適さない等の理由により、臓器摘出に至らなかった場合の取扱いについても同様です。
《参考》■死亡診断書(死体検案書) 別紙13
http://www.ncvc.go.jp/nousi-sim/document/doc13.html■「シミュレーションの実施内容」
http://www.ncvc.go.jp/nousi-sim/index2.html■「臓器提供に関する関係書類」
http://www.ncvc.go.jp/nousi-sim/nousi-doc.html
信濃の山猿さんへ(2) 投稿者:なな 投稿日: 6月15日(土)01時42分43秒
> 2.「保険法」の観点からは、移植法の施行後も、死亡時刻は心摘出時または臓器摘出による心停止時とされているのでしょうか。また、保険各法の改正なしには、移植法施行後も、法的脳死判定による脳死の人を保険法上死者とは扱えないとすれば、移植法で脳死状態での検視を規定しても、刑事訴訟法の改定なしには脳死状態での検視はできないと類推されるのですが、保険各法の場合と刑事訴訟法の場合では事情が異なるのでしょうか。「保険法」自体には死についての定義や死亡時刻の認定基準など、そのものは書かれていないでしょう。
ご質問の点について、私の意見を書きます。
法的脳死判定された人であっても死者と扱う必要、法的な必然性さえないと私は思います。またそれは、現行の「臓器移植法」との間に大きな矛盾をもたらさないと思います。(厳密に見れば、死者と扱っても、死者でないと扱っても論理的不整合が生じることにおいては同じだと思いますが)
もし検死が必要だという事態が生じても、臓器摘出の心停止後とすることによって大きな問題が生じるとも思えません。
いずれにせよ、「臓器移植法」は論理的不整合をはらんでいるのですから、刑事訴訟法や保険各法などを修正してもその不整合性の最終的「解決」はされないと思います。また敢えてその必要もないと考えます。> 3.@を医療給付とみなす場合には、同一状態の者への同一行為だけを根拠とし、Aを除外する場合には生体か死体か(保険法上の観点からは生体?)、そして、本人のための診療行為か否かを判断の基準にされていますが、@について生体か死体か、本人目的か否かを判断の基準にされない理由はなんでしょうか。
その「基準」とは、厚生省のガイドライン通達がそう考えているのだろうという私の"推測"です。
厚生省のガイドラインでは法的脳死判定後は死者と見なしているようですが、@を医療給付とするのは脳死判定前からの医療の「継続性」と臓器提供しない患者との同一的な措置との整合性を考えれば世間的にも受け入れられるだろうと考えてのことだと思います。(これも同省の考え、意思に対する私の推測です) Aを除外するのは、自ら死者と扱っている上に、治療(延命措置)とは言えない、医療とは異質の臓器保全処置や臓器摘出までをさすがに医療給付とは主張できないだろうということです。
信濃の山猿さんへ(1) 投稿者:なな 投稿日: 6月15日(土)01時41分42秒
いくつかご質問をいただきましたが、私はそれらに的確にお答えできるほどの見識も自信も持ち合わせてはいません。ただ、問題となっている疑問点は多角的に検証してみたいところだと思っています。
以下、私なりの考えを書かせていただきますが、書き込みに事実誤認等の誤りにお気付きの方は是非、ご指摘下さい。多くの方の意見と的確な情報の交換によってより深い認識(一元的に結論を帰結できるものなのかどうか疑問ですが)を得ていきたいと考えています。> 質問1.@を「医療給付」とみなす規定は臓器移植法の附則にあり、同法では法的脳死判定により脳死と判定された者は死者として扱われると思いますが、ななさんご自身は@を死者への処置とお考えでしょうか、生きている患者への処置とお考えでしょうか。
ここがかなりポイントになるところだと思います。「臓器移植法」は法的脳死判定を下した患者を死亡した者、つまり「脳死は人の死」と明確に定義した法律でしょうか。同法の第六条第一項に『・・・・移植術に使用されるための臓器を、死体(脳死した者の身体を含む。以下同じ。)から摘出することができる。』 と、わざわざ回りくどく「脳死した者の"身体"」と書いています。またご存知の通り、付則第四条では、眼球又は腎臓の摘出において、「脳死した者の身体」と「死体」ではその扱い(本人意思の有無と家族の承諾)に重要な差異があることも明示しています。条文を素直に読めば、「脳死した者」と「死体」とを完全に同列視したものとは受け取れません。
柳田邦男氏は「臓器移植法」は論理的な不整合性を持った妥協の産物だという主旨を述べておられます。また、弁護士の原秀男氏は梅原猛氏、米本昌平氏、光石忠敬氏らとの対談で、『「死体(脳死した者の身体を含む)」という言葉は、解釈をめぐって、いざというときに現場が混乱する可能性があります。例えば、ある患者が脳死判定を受けて臓器を提供することに決まった後、血液検査をしたら、エイズ検査が陽性だったことがわかり、臓器が移植に使えないことがわかった場合、そのときはもうすでに死亡診断書が脳死判定の日時で役所に提出されたと仮定します。移植しないことになれば、患者は治療を続けますから、また何日、何ヵ月か生きることになるでしょう。このような場合、戸籍訂正の手続きなどはどうなるのでしょうか。現行法からは判断ができません。』(梅原猛 「脳死は本当に人の死か」 PHP研究所)と述べております。氏の指摘する同法の論理的矛盾、曖昧さの存在はまさにその通りだと思います。
確かに、りんごさんも言及されている通り、旧厚生省は「臓器移植法」のガイドライン(指針)や省令などを通して、医師法に定められている死亡診断書の死亡時刻の設定方法を決め、検死の問題もそれに合わせるような通達を出しています。私は、これは、「臓器移植法」成立時において、移植推進派や厚生省が押していたいわゆる「中山案」の「脳死は人の死である」を立法に盛り込もうとする意見が参議院での審議の中で修正された経緯を受けて、脳死者の死のポイント(時刻)をどこに落とすかという判断が移植医らの意向を受けて強引というか、かなり恣意的に決められた規定だと思うのです。臓器摘出による心臓停止時点を死亡とすれば、「中山案」に反対であった人たちの中から出ていた違法性阻却論を認めてしまう形となり、また、摘出した医師の行為が最終的な死を決めた時点となることには臓器移植に携わる医師の間から猛烈な反発が起こることもあって、どうしても避けたかったのだろうと思います。
しかし、このような人の死の時を決めるという重大な問題を一片の省令や行政指針の通達などで簡単に決めてしまうことに私は甚だ疑問があります。何より現行の「臓器移植法」の法律からそのような結論を確定的に引き出すことには相当な無理があると思います。
さらに言わせていただくと、脳死判定終了時を死亡時刻と決めて宣告することは、臓器摘出まで僅かな時間しか残されていない家族にとって、貴重な看取りの時間が、「死者なのだから」というような形で、あわただしい医療現場の中で容易に流されてしまう懸念が強いとも思うわけです。以上のことから、私自身は「@を死者への処置」とは考えていません。
isoさん 投稿者:ゆうみん 投稿日: 6月15日(土)01時09分54秒
タイムリーな情報を、どうもありがとうございました。>脳死判定や臓器提供の際に通常以上の人員や資金が必要となる点を多くの施設が負担と答えており、同省は、審議会での検討項目の一つとしてこの問題を議論していく方針。
これは、臓器提供病院の体制がなかなか整わない理由のひとつとして、当初から言われていたことではないかと思います。臓器提供にかかる諸経費の負担先等に関しても、情報を公開するなどして明確にしておく必要があるように思われます。
チャンス 投稿者:一見さん 投稿日: 6月14日(金)13時39分44秒
肝臓移植について、登録順位1位の患者がいた信州大学が、提供された臓器の
医学的な問題で、移植を断念し、同順位3位の北大の患者に移植されたと、
一部週刊誌等で報道されています。どちらが、正しい選択であったかなんて、事は問うつもりはありません。
信州大学では、医学的に提供された肝臓が移植に使用できないと判断し
北大は、リスクを承知で数少ないチャンスに挑戦しただけのこと。しかし、問題は、どちらの患者に対しても、どの程度の
説明と同意があったのかが、明らかにされていないこと。
これが、いらぬ疑惑を呼ぶ。 情報を即日公表するようなことは
いろいろ問題になるでしょうけど、一定の時間が経過した後には、
このような事柄についても、十分な情報公開がされるべきだと思いました。今現在、このあたりの情報公開については、どのような制度があるのでしょう。
費用負担 投稿者:森岡正博 投稿日: 6月14日(金)11時55分11秒
こんな基本的なことが、みなさんのようなお詳しい方々でも、解明できないというような状況で、日本の脳死移植は進んでいるのですね。(もちろん私もさっぱり分かりません)。摘出病院の会計(?)の方にでもお聞きすればいいのかな??
りんごさん、isoさんへ 投稿者:信濃の山猿 投稿日: 6月14日(金)11時25分28秒
りんごさんへ 臓器提供者の死亡時刻については、「臓器の移植に関する法律」の運用に関する指針(ガイドライン) 第8 死亡時刻に関する事項 で、「法の規定に基づき脳死判定を行った場合の脳死した者の死亡時刻については、脳死判定の観察時間経過後の不可逆性の確認時(第2回の検査終了時)とすること」 と規定されています。
isoさんへ 提供施設費用負担については、てるてるさんの過去ログ,2001年10月4日から10月30日における、ななさんと信濃の山猿とのやり取りも参考になると思いますが。
ゆうみんさま : 費用の負担先について 投稿者:iso 投稿日: 6月13日(木)23時43分42秒
はじめまして。 先日より、この掲示板を興味深く拝見していた者です。>「厚生労働省健康局疾病対策課」の説明
>また、臓器提供病院が負担している人件費等の諸経費に関しては、(社)日本臓器移植ネットワークが担保しているのではないかということでした。この引用させて頂いた件について、比較的最近、報道がありました。
********************
配信 共同通信社
掲載 東奥日報:2002年05月09日
佐賀新聞:2002年05月10日脳死臓器提供「負担大きい」 人員確保や資金面で
臓器移植法に基づく脳死判定を経験した全十八の救命救急施設のうち十七施設が、臓器提供は負担が大きいと感じ、十二施設が負担を減らす方向で制度改善が必要と考えていることが厚生労働省研究班(班長・大和田隆北里大教授)のアンケートで九日までに分かった。
脳死判定や臓器提供の際に通常以上の人員や資金が必要となる点を多くの施設が負担と答えており、同省は、審議会での検討項目の一つとしてこの問題を議論していく方針。
また、マスコミ対応や第三者による検証作業を多くの施設が負担とするなど、移植の透明性確保への理解が進んでいない実態も明らかになった。
********************残念ながら、正式発表の資料は見つかりませんでしたので裏付けはとれていませんが、研究班の正式名称が判れば、厚生労働省HPの検索で出てくるかもしれません。
記事を読む限り、施設が負担している費用は「(社)日本臓器移植ネットワークが担保」という範囲で収まっているとは思えないのですが・・・。
死亡時刻 投稿者:りんご 投稿日: 6月13日(木)21時42分18秒
またまた、横入りすみません。以前、脳死臓器移植のドナーになる人の死亡時刻について、
知り合いの医師にたずねたところ、
たしか、2回目の法的脳死判定で脳死が確定した時刻が死亡診断書に記載する死亡時刻と
言っていたような・・・。
詳しい方、教えて下さい。
ななさん、教えてください 投稿者:信濃の山猿 投稿日: 6月13日(木)17時32分43秒
丁寧に考察してくださってありがとうございます。事実問題については、調べることができていませんので、私には明確なことをいうことができません。ここでは附則11条が置かれていることの意味と条文の解釈問題に限定して考えています。
ななさんが脳死状態の人への「処置」を、@呼吸・水分・栄養管理、入院期間延長等の、臨床的脳死判定により脳死と判定された者と法的脳死判定により脳死と判定された者とに共通な処置とA法的脳死判定により脳死と判定された者への特殊臓器提供のための処置との、二つに分けてお考えになって、附則11条にいう「当該医療給付関係各法の規定に基づく医療の給付」は@のことだけだが、これには費用補填の可能性もある(実際にはなされてはいないだろうけれど)とお考えになっておられることには、なるほどと思い、教えられました。そこでななさんのお考えをもう少し知りたいと思い質問なのです。ななさんが@を医療給付と考える理由は、1)「保険法の観点から見ても脳死判定(法的であれ臨床的であれ)された患者は死者とはみなされていない」、2)同一状態の者への同一行為が、臨床的脳死判定による者と法的脳死判定による者とで区別されるのは、整合性を欠く、ということだと思います。
質問1.@を「医療給付」とみなす規定は臓器移植法の附則にあり、同法では法的脳死判定により脳死と判定された者は死者として扱われると思いますが、ななさんご自身は@を死者への処置とお考えでしょうか、生きている患者への処置とお考えでしょうか。
2.「保険法」の観点からは、移植法の施行後も、死亡時刻は心摘出時または臓器摘出による心停止時とされているのでしょうか。また、保険各法の改正なしには、移植法施行後も、法的脳死判定による脳死の人を保険法上死者とは扱えないとすれば、移植法で脳死状態での検視を規定しても、刑事訴訟法の改定なしには脳死状態での検視はできないと類推されるのですが、保険各法の場合と刑事訴訟法の場合では事情が異なるのでしょうか。
3.@を医療給付とみなす場合には、同一状態の者への同一行為だけを根拠とし、Aを除外する場合には生体か死体か(保険法上の観点からは生体?)、そして、本人のための診療行為か否かを判断の基準にされていますが、@について生体か死体か、本人目的か否かを判断の基準にされない理由はなんでしょうか。まことにぶしつけな質問で恐縮なのですが、教えていただけると助かります。
脳死肺移植の女性死亡 投稿者:りんご 投稿日: 6月13日(木)10時56分13秒
横入りすみません。ショックですう。河北新報のHP、記事より抜粋
>東北大加齢医学研究所付属病院(現医学部付属病院、仙台市青葉区)で2000年3月、国内初の脳死肺移植を受けた神奈川県の40歳代の女性が10日に死亡していたことが12日、分かった。
>臓器移植法の施行後、これまで国内の移植実施施設で行われた10例の脳死肺移植のうち、死亡したのは3人目。
[2002年06月13日木曜日] http://www.kahoku.co.jp/NEWS/2002/06/20020613J_10.htm
いくつか要点の整理(2) 投稿者:なな 投稿日: 6月13日(木)01時42分32秒
ただ、さらに付け加えなければならないことがあります。
臨床的な脳死判定がなされても臓器提供しないケースにおいては延命措置(人工呼吸器による呼吸管理など)などの医療行為は、信濃の山猿さんも述べておられる通り、保険給付の対象になります。一方、同じ状態の患者に対する同じような行為であるはずなのに法的脳死判定後の脳死患者への呼吸管理は医療行為ではないと言って、医療給付という考え方、概念から100%切り離すことができるのかという疑問も残ります。
信濃の山猿さんは法的脳死判定後のそれを「死体への処置」と書かれ、だから「健康保険の適用はありえない」とされていますが、刑法、民法を含めて医療給付関係各法のどこをどう見ても「脳死臓器移植法」に基づく法的な脳死判定であれ、臨床的な脳死判定であれ、そのような患者を「死んだ者」、「死体」と見なす規定、条文はありません。ですから、保険法の観点から見ても脳死判定(法的であれ臨床的であれ)された患者は死者とは見なされていないと言えます。
以上のようなことを考え合わせれば、附則第十一条の『健康保険法、国民健康保険法その他政令で定める法律の規定に基づく医療の給付に継続して、第六条第二項の脳死した者の身体への処置がされた場合には、当分の間、当該処置は当該医療給付関係各法の規定に基づく医療の給付としてされたものとみなす。』(一部、括弧書きは省略)の基本主旨は、脳死以前からなされていた患者への呼吸管理などの医療が、一方のドナーとはならない患者では臨床的脳死判定後でも引き続き医療行為とされているものが、患者の状態としては変わらないのにもかかわらず、もう一方の法的脳死判定された患者においては医療行為と見なされないのは矛盾した、不整合なところが残るとの観点から、そのような記述になったと解釈できないでしょうか。もちろん、臓器提供しない脳死患者の場合の措置とは全く異なる、移植を念頭においた臓器保全だけを目的とした諸処置や実際の摘出術に至っては脳死以前からの「継続」した処置とは言えないでしょうから、それらを医療給付と見るには甚だ無理があると思います。
このように考えれば、「継続」した呼吸管理などの措置が医療行為、医療給付として、脳死判定以前のそれと同じように保険給付の対象と理解され、その請求もできるものかもしれません。しかし実際には、臓器提供病院において法的脳死判定後のその措置に対して保険給付請求がされているのかは疑問です。以上、要点を整理させていただくと、脳死判定以前から引き続いて行われる呼吸管理などの措置が附則第十一条に該当するとは言えても、それ(脳死判定以前の医療行為)とは切り離された臓器保全のための処置や摘出術に至っては、医療給付とはとても言えないし、保険給付の対象とはならないだろうということです。
いくつか要点の整理(1) 投稿者:なな 投稿日: 6月13日(木)01時41分26秒
まず第一に事実問題。
これまでの脳死臓器移植例においてドナーになされた「処置」(法的脳死判定のための諸検査、臓器保全処置、さらには臓器摘出術など)の費用について、提供病院側から「診療報酬」請求がなされ、実際に保険給付(診療報酬の支払い)された実例があるのか。また、ドナー側に保険の自己負担分の請求が病院からなされたケースがあったのか。この点については、これまでの脳死臓器移植例を見聞する中で知り得た範囲では、そのような事実、実態はなかったのではないかという理解をしています。(これに反する事実を掴んでいらっしゃる方がおりましたらどうぞお知らせください、発言を訂正させていただきます。)次に前回書いたことについてですが、別な角度から補足したいと思います。
信濃の山猿さんがおっしゃる通り、「脳死臓器移植法」の附則の(経過措置)として第十一条には『処置に要する費用の算定は、医療給付関係各法の規定に基づく医療の給付に係る費用の算定方法の例による。』との文言があります。この条項は一見、法的脳死判定がされた患者への「諸処置」について、それを健康保険法をはじめとする医療給付関係各法が定めるところの診療行為(医療給付)と見なし、保険診療機関に対する保険給付の対象とするかのような規定に受け取れます。
しかしここで書かれていることは、あくまでも「費用の算定方法」については「関係各法の規定に基づく医療の給付に係る費用の算定方法の例による」ということだけであり、「処置」が診療報酬として保険給付の対象となると明確に書かれているわけではありません。
この辺が曖昧というか、臓器移植にかかわるドナー側の「処置」費用がどのように位置付づけされているのか、未整備なところだと思います。
信濃の山猿さんはかなりはっきりと「処置」が健康保険適用できる、されていると述べておられますが、私はかなり難しい解釈になると思います。付則第十一条が信濃の山猿さんが言われるような「効力」を持つためには、診療報酬制度が改定されなくてはならないと思います。健康保険組合、支払基金側が診療機関に対して当該の医療もしくは処置行為に対して保険給付をする場合には、必ず「診療報酬制度」に依拠してなされます。そして、医療給付関係各法の基本精神が給付対象を診療行為に定めているわけですから、脳死患者(ドナー)の処置行為に対しては支払を拒否できる部分もあると思います。
(ちなみに、診療に対する給付といっても分娩時や死亡時にもなされる給付はあります)
診療報酬の改定はこれまで頻繁に行われ、今年度も改定はありました。しかし、これまでのところ脳死患者(ドナー)の臓器移植に向けた処置行為を保険給付対象とすることを念頭においた診療報酬の改定があったことは私の知る限りないはずです。
JKさん 投稿者:ゆうみん 投稿日: 6月12日(水)19時51分11秒
大変示唆に富んだ資料をご紹介いただき、どうもありがとうございました。この「脳死・臓器移植」の問題を、医療費負担の面から見直してみることも大事なようですね。いま、ちょっと臓器移植と「高度先進医療」の取り扱いについて、調べてみようかと思っています。
すみません、訂正です 投稿者:信濃の山猿 投稿日: 6月12日(水)14時08分50秒
訂正 下から2行目
誤 「治療の継続」
正 法的脳死判定前からの医療給付の継続
訂正 上から8行目
誤 費用補填と認めた
正 費用補填を認めた
ななさんへ 投稿者:信濃の山猿 投稿日: 6月12日(水)12時23分28秒
「治療以外の何らかの医学的(医療ではない)処置」は私の上げた1)〜5)のことでよろしいのでしょうか。これを前提に申し上げます。ななさんのお考えでは、現行法附則11条は、死体とされた者へのこれらの処置を規定された病院が行うことの「合法性」を認めたもの、「医療の給付としてされたもの」 であって、「保険給付という費用の補填を認定したもの」ではないということになりますが、この解釈は少々困難なのではないかと考えます。理由は、まず、条文にあります。生きている患者の治療について述べられている保険法の規定に基づく「医療の給付」と法的脳死判定を経て死体とされた者について述べられている保険法に基づく「医療の給付」に関して、条文上の違いが全くありません。条文の相違がないない場合に、前者については「保険給付という費用補填と認めた医療給付」と、後者については「費用補填を認めぬ医療給付」と読み分けることができますか。また、「保険法に基づく医療給付」で「保険給付という費用補填」を伴わない医療給付」というものが医療給付関係各法の規定に基づいた法的な概念としてありうるのでしょうか。現行法の附則11条は、死体とされた者への「処置」に対する健康保険適用という社会通念上ありえない事態に法的基盤を与えているものなのではありませんか。
もう一つは、この附則の成立過程に関わるものです。現行法成立の前日まで、参議院特別委員会では中山案と猪熊案が検討されていました。御存知のように、中山案は脳死を一律に人の死とし、脳死判定に本人の承諾を必要としていませんでした。それゆえ、脳死と判定された者の家族が脳死を人の死とは考えない場合、この家族の考えを尊重して、判定から心停止までの間の「処置」を保険適用とするために、この附則が設けられ、そのため附則には当然のことですが「6条2項の規定により」という文言は入っておりませんでした。ところが、現行法では6条2項の規定によらない判定で脳死と判定されても、その患者は生きていますから当然、保険法に基づく医療給付がなされます。したがって、死体への処置には健康保険の適用はありえないという原則を守るなら、附則11条は必要がなくなったわけです。ところが、現行法で附則11条が「6条2項の規定により」を付加された形で残されたため、死体への処置に対し、費用負担を伴う医療給付がなされ、さらにそれが治療の継続と規定されたままであるため、ドナー側の負担という奇妙な事態を引き起こす結果になっているのではないでしょうか。
Re 移植に関わる費用 投稿者:なな 投稿日: 6月12日(水)10時24分45秒
> 「臓器の移植に関する法律」附則第11条には「健康保険法、国民健康保険法の規定に基づく医療の給付に継続して、第6条第2項の脳死した者の身体への処置がされた場合には、当分の間、当該処置は当該医療給付関係各法の規定に基づく医療の給付としてされたものとみなす」とあり、費用の算定も医療給付関係各法によるものとされています。上記の点についてです。
法的な脳死判定された患者を、治療(医療)以外の目的のために、医療を本分とする、つまり健康保険法等の関連諸法規において医療を提供する機関と規定された病院がその患者を継続入院させて治療以外の何らかの医学的(医療ではない)な処置を講じることを認めるために、「医療の給付としてされたものとみなす」という法的な文言が必要だったのではないでしょうか。
したがって、それらの「処置」(信濃の山猿さんが挙げられた(1)〜(5))は「医療の給付としてされたもの」という認定はあっても、保険給付という費用の補填を認定したものではないように思います。(確定的な根拠は明示できませんが)
そもそも、あらゆる医療保険というのは本来的に治療や苦痛緩和などの医療行為に対して給付されることを前提としているはずですから。> 疑問に思いましたので、私と日本医大の法医の先生で厚生省(当時)に問い合わせをしたことがあります。返答では,3)は、当時は、ネットワーク負担ということでした。しかし現在では、ネットワークの財政悪化に伴い「実費負担」が求められるようになったはずです(新聞記事が見つからないので確信はないのですが)。他の項目に関する返答はまことに要領の得ないもので、私たちにはどうなっているのか理解できませんでした。それゆえ、現在、1)から5)までの費用は、附則第11条の規定に従って処理されている、つまりドナー負担となっている、と理解しています。費用総額は示されていませんが100万円はくだらないと思います。
100万を越える法的脳死判定後の諸処置費用がドナー側に「実費負担」が求められていることはないと思いますが。
> この問題を明快に解決するには、これまでの処理方法の実態を開示するしかないのではないでしょうか。
確かに、ドナーの処置、摘出術などに関わる費用がどのように流れで、誰が負担し、どう処理されているか、実態が明らかでないところが多いので、法的な意味でも曖昧さが残る現状の情報公開は、今後のより正しい、あるべき姿を求めていく上でも必要だと思います。
超党派の動き 投稿者:りんご 投稿日: 6月12日(水)05時40分55秒
時事通信より<15歳未満の臓器提供可能に=法改正検討へ−超党派議連>
超党派でつくる「生命倫理研究議員連盟」(中山太郎会長)は11日、国会内で総会を開き、15歳未満の脳死者からの臓器移植を可能にするため、臓器移植法の改正を念頭に検討に入ることを確認した。来年の通常国会にも議員立法で改正案を提出したい考えだ。
http://www.jiji.com/cgi-bin/content.cgi?content=020611184141X180&genre=pol
知人が見つけてくれたのですが 投稿者:JK 投稿日: 6月12日(水)03時08分30秒
みなさんが言及していらっしゃる新聞記事とは、これのことでしょうか?=コンパス2002=
〈移植あっせん組織ピンチ〉
臓器移植の際、提供者と患者をつなぐ役割を担っている日本臓器移植ネットワークと骨髄移植推進財団の両あっせん組織が財政危機に陥っている。国の財政削減のあおりで財源の柱となる国庫補助金が大幅に減少、内部には「一般企業ならもはや倒産」との声もある。両組織は補助金頼みの財政構造を改めるため、患者へのあっせん費用請求など新たな収入確保の道を模索しているが、異論もあり、将来像は見えない状態だ。
「このままでは余裕資金が底をつく。補助金に代わる収入の柱が必要」。昨年暮れ、東京都内で開かれた移植ネット臨時理事会で、森達郎理事は患者にあっせん費用二十万円の負担を求めることなどを柱にした再建策≠提案した。
これに対し、日本移植者協議会理事長の大久保通方・同ネット理事は「移植数に比べ、人員や事務所の数が多すぎる。抜本的な見直しをしないと未来はない」と反論。議論は紛糾したまま、結論は持ち越した。
こうした危機の背景になっているのが両組織の財政構造。移植ネットの場合、二○○○年度は約七億八千万円の支出のうち、実に約五億四千万円が補助金。独自の収入といえば、一人当たり三万円の患者登録料などしかない。移植の際、提供者家族に説明などをするコーディネーター派遣などの費用は大半が補助金で賄われてきたことになる。だが、国の財政削減に伴い補助金額は年々減少。○二年度は、三億八千万円に減額されるのに伴い、赤字額は一億七千万に膨らむ。
骨髄財団も同様。補助金減額により本年度は企業の資本金に当たる基本財産八億円のうち二億円の取り崩しを余儀なくされた。しかも移植の普及に伴い赤字が膨らんでいる。昨年度は七百件の移植が行われたが「一件当たりの費用は約七十五万円。約四十万円の患者負担を求めているがとても足りない」と埴岡健一事務局長は窮状を訴える。
そこで、打開策として、移植ネットはあっせん費用の患者負担とともに、人件費を削減する案を理事会に提案。骨髄財団も補助金を全額打ち切る代わりに提供者からの骨髄液の採取、患者への提供などの費用を医療保険の適用対象にして、出来高払いの収入が得られるよう国に要望した。
ただ、これも「医療費削減が求められている中で、新たに保険が適用される余地はない」との否定論もあり、認められるかどうかは微妙な情勢だ。
厚生労働省の吉田学・臓器移植対策室長は「あっせんという通常の医療とは異なるプロセスをだれが負担するか議論していかなければいけないという認識はある」と一定の理解を示すが、「効果的な運営法を考えてもらいたい」とリストラも注文。すぐに国に救済策を求めるのは難しそうだ。
(池内孝夫)
皆様ありがとうございました 投稿者:JK 投稿日: 6月12日(水)01時33分51秒
通りがかりの者にしては、ばかに足繁く通い過ぎですので、遅ればせながら、私の本来のハンドルネームを名乗らせていただきます。うーむ(汗)
みなさま。おのおののご専門の立場からの詳細な解説を有り難うございます。えーと、私はまだ分かりません。やっぱり1〜5はドナーが払うんですかね?
しかし、森岡先生は、摘出に関してのドナーの負担は無いという結論を出していらっしゃいますよね。
一方、森川先生は摘出までがドナー負担だと・・私の読み込みが足りぬようで。
また出直してきます。
ありがとうございました 投稿者:森岡正博 投稿日: 6月11日(火)23時44分41秒
ということは、結局、摘出に関してのドナー側の負担はないということでいいのでしょうかね。
臓器摘出費用についてですが、 投稿者:ゆうみん 投稿日: 6月11日(火)23時05分08秒
以下の所に直接電話をかけて確認しましたので、ご報告します。・「(社)日本臓器移植ネットワーク」の説明
「平成14年4月15日以降に臓器提供のご承諾をいただいた臓器移植術につき移植患者お一人当たり10万円のご負担をいただきます。(ただし、移植実施日より満3ヶ月以内に移植臓器が廃絶した場合は全額返却、住民税非課税世帯は全額免除)」((社)日本臓器移植ネットワーク」のHP情報からの抜粋)
この文章の解釈は、深読みはしないで、「移植患者(レシピエント)側が負担する」ということでいいようです。
でも、この文章は、やっぱり変だと思います。主語と述語がはっきりしないですし、「移植臓器が廃絶した場合」という表現にも、配慮が足りないように感じます。「廃絶」という表現は、止めていただきたい。
・「厚生労働省健康局疾病対策課」の説明臓器提供者(ドナー)の法的脳死判定にかかる費用、人工呼吸器による呼吸管理や血液循環の維持等の臓器提供者の管理、並びに臓器摘出にかかる費用は、基本的には移植患者(レシピエント)側が負担している。大学病院等では、一部「高度先進医療」の適応としている所もあるということでした。
また、臓器提供病院が負担している人件費等の諸経費に関しては、(社)日本臓器移植ネットワークが担保しているのではないかということでした。(←全額なのかどうか等、詳細まではちょっと解りませんでした。)
「一人あたり10万円」以下の記述は、ネットワークの「おしらせ」に従う限り、誤りです。削除させてください。附則の「医療の給付としてされた者」は「もの」です。すみません。
移植に関わる費用 投稿者:信濃の山猿 投稿日: 6月11日(火)15時37分23秒
提供意思表示カード、日本臓器移植ネットワークQ&Aには、提供には「費用はかかりません」とあり、同ネットワーク 用語集「移植に関わる費用(推定)」には「臓器を提供する側には、提供に付随する検査や手術などについての費用の負担はありません」とあります。
他方、「臓器の移植に関する法律」附則第11条には「健康保険法、国民健康保険法の規定に基づく医療の給付に継続して、第6条第2項の脳死した者の身体への処置がされた場合には、当分の間、当該処置は当該医療給付関係各法の規定に基づく医療の給付としてされた者とみなす」とあり、費用の算定も医療給付関係各法によるものとされています。
第6条第2項の脳死した者の身体は、提供のための法的脳死判定によって「脳死」と判定された者の身体ですから、その者への「処置」には1)法的脳死判定 2)移植適正検査(3回) 3)HLA,リンパ交差試験等の組織適合性検査 4)臓器保護技術 5)摘出手術まで入院期間延長等が考えられます。
ネットワークの説明が正しいなら、これらの費用はレシピエント負担のはずです。しかし、附則を素直に読めば、これらの負担は、それまでの保険給付に基づく治療の継続処置として、保険給付を受けるドナーにかかってくることになります。疑問に思いましたので、私と日本医大の法医の先生で厚生省(当時)に問い合わせをしたことがあります。返答では,3)は、当時は、ネットワーク負担ということでした。しかし現在では、ネットワークの財政悪化に伴い「実費負担」が求められるようになったはずです(新聞記事が見つからないので確信はないのですが)。他の項目に関する返答はまことに要領の得ないもので、私たちにはどうなっているのか理解できませんでした。それゆえ、現在、1)から5)までの費用は、附則第11条の規定に従って処理されている、つまりドナー負担となっている、と理解しています。費用総額は示されていませんが100万円はくだらないと思います。
この問題を明快に解決するには、これまでの処理方法の実態を開示するしかないのではないでしょうか。
なお、「一人当たり10万円」の件は、一人の提供者から心臓だけの提供があった場合、1移植施設がコーディネート費用として10万円を、腎臓二つの提供だけがあった場合は、別々の二つの移植施設での手術なら,1施設5万円,2施設で計10万円をネットワークに支払う(結局、レシピエント負担)ということではないでしょうか。
この問題 投稿者:森岡正博 投稿日: 6月11日(火)15時03分25秒
いずれにせよ、はっきりさせておかないといけないですね。
森川さんは、いま在米中かもしれない。
移植にかかわる費用 投稿者:なな 投稿日: 6月11日(火)04時24分13秒
に関して・・・・・臓器提供者側には(摘出にかかわる)費用は一切かからないことになっているはずです。
移植ネットワークのHPにあるQ&Aにも書かれていますよ。↓http://www.jotnw.or.jp/studying/qa_1.html#k
唯一例外的なものと言えるのは、生体肝移植におけるドナー側の(手術)費用でしょう。
↓には生体部分肝移植におけるドナー費用は150万円と書かれていますね。
http://www.jotnw.or.jp/studying/24.html
この移植は血縁者間で行われることがほとんどなので、実態的には移植を受ける側が全ての費用を負担しているのが実態ではないかと推察されます。
(親子間が一番多いので、その場合、どちらが負担するかという話はほとんど意味がないかもしれませんが)それと10万円の「コーディネート経費」ですが、これは「財政困難」に至っている移植ネットワークの運営維持費に当てられるのでしょうね。
通りがかりの者さん 投稿者:ゆうみん 投稿日: 6月11日(火)00時31分06秒
どうも紛らわしい書き込みをしてしまって申し訳ありません。>実は、某大学における生命倫理という講座で、森川功先生が「臓器摘出の費用はドナーの負担であり、それ以降の諸費用はレシピエントの負担であるから注意せよ」というようなことをおっしゃっていたのを、その講座を受けていた愚息が聞きつけて来て家で話したのが、私がかような疑問を抱くにいたったきっかけなのですが。
実は、わたしも何かの報道か新聞記事かで、臓器提供側に費用負担が課せられるようになったというのを目にしたような気がしていましたので、ちょっと探したのですが見つからなかったのです。
>>平成14年4月15日以降に臓器提供のご承諾をいただいた臓器移植術につき移植患者お一人当たり10万円のご負担をいただきます。(ただし、移植実施日より満3ヶ月以内に移植臓器が廃絶した場合は全額返却、住民税非課税世帯は全額免除)
>これは、「(社)日本臓器移植ネットワーク」のHP情報からの抜粋で、・・・
やっぱり「臓器提供のご承諾をいただいた臓器移植術につき移植患者お一人当たり10万円のご負担を・・・」という、この文章の解釈が鍵だという気がします。
もう一度、読み返してみましたら、「臓器提供側の経費負担」という最初の解釈で正しいように思えてきましたが、いかがでしょうか...?。
あれれ? 投稿者:通りがかりの者 投稿日: 6月10日(月)22時54分15秒
>平成14年4月15日以降に臓器提供のご承諾をいただいた臓器・・に関しては、と理解すべきなのかな?
てことは、やっぱりレシピエントが費用負担するのでしょうかね(汗)いやはや、ほんと分かりにくい文章です。
しかし、ドナーが何も負担しないのであれば、森川先生は一体何をおっしゃりたかったのでしょう。
あっ、ゆうみん様。ご丁寧な説明をありがとうございます 投稿者:通りがかりの者 投稿日: 6月10日(月)21時49分49秒
問題の一節の解釈ですが・・>臓器提供のご承諾をいただいた臓器移植術につき移植患者お一人当たり10万円のご負担をいただきます・・
やっぱ、この文章はトラップに満ち満ちていますねぇ(汗)
日本語って、主語無しでも一応話が通じたように錯覚しがちな言語ですので。少なくとも、「臓器提供のご承諾をいただいた < 承諾したのは、無論ドナーのことでしょう。
(レシピエントは、臓器提供を承諾もなにも、提供そのものができませんから)一方、
「移植患者お一人当たり10万円のご負担」<これは、レシピエントとも取れますよね。
でも、本当にそうならば、単に「移植患者お一人当たり10万円のご負担をいただきます」とだけ書けばよろしいので、「臓器提供のご承諾をいただいた臓器移植術につき」って但し書きが先行しているのはおかしくもあります。だって、提供することをドナー本人が承諾してない臓器をレシピエントが奪い取れるはずもないので。
つまるところ、ゆうみんさんの初めの解釈のように、
「臓器提供を承諾したドナー(というかドナーの係累)は、レシピエント一人当たり10万円を負担する」
と理解した方が辻褄合いますね(笑)
ということは、レシピエントが3人なら30万円、4人なら40万円てことでしょうか。
しかし、ドナーが家計の担い手であり、かつ、彼(もしくは彼女)に、学齢期の子供が居た場合などどうなってしまうのでしょう。昨今の教育は金かかりますけど。
実は、某大学における生命倫理という講座で、森川功先生が「臓器摘出の費用はドナーの負担であり、それ以降の諸費用はレシピエントの負担であるから注意せよ」というようなことをおっしゃっていたのを、その講座を受けていた愚息が聞きつけて来て家で話したのが、私がかような疑問を抱くにいたったきっかけなのですが。
何だかわかりませんね。
RE:臓器摘出費用について 投稿者:ゆうみん 投稿日: 6月10日(月)20時27分46秒
>これは、「(社)日本臓器移植ネットワーク」のHP情報からの抜粋で、よく読まないと理解し難い文章のように感じられるのですが、本人の生前の意思表示により、「意思表示カード」を所持されている人が、「臨床的に診て脳死状態」と診断された場合に、その家族が「法的脳死」と診断された後の臓器提供を承諾された場合、「その臓器を用いて移植手術が行われた人数に応じて、ドナー側が一人当たり10万円の費用を負担する」ということだと思います。
自分で書いておきながら申し訳ありません、10万円の費用を負担するのは、レシピエント側かもわかりません。紛らわしくて、どうもすいません。どなたかご存知の方、よろしくフォローくださいm(_ _)m。
臓器摘出費用について(続き) 投稿者:ゆうみん 投稿日: 6月10日(月)20時16分18秒
日本で唯一の臓器あっせん機関である「社団法人 日本臓器移植ネットワーク」に対して、国庫補助金が大幅に削減され、更に民間助成金や寄付金が減少したのには、実は、ネットワークの説明とは異なる理由があります。・「(社)日本臓器移植ネットワーク」は、民間の「腎臓(じんぞう)移植普及会」が「日本腎臓移植ネットワーク」を経て、「臓器移植法」の法律施行と同時に、現在の形になったものであるので、「腎臓移植のあっせんのみを行っていたネットワークが、脳死でのあっせんを行うことは基本的に無理があり、抜本的な改革が必要である」との意見があがっていた。
・企業からの寄付を、特定の団体に流すトンネル機関の役割を果たし、事務手数料を得ていた。
・ネットワークは特定公益増進法人であるため、寄付主は税法上の優遇措置が受けられる。厚生労働省から「好ましくないのでやめるよう」と指導を受けた。
・小紫会長の個人的色彩の強い組織との批判がある。2001年8月に、役員57人のうち9人が小紫会長の関係者で占められていることが、「公益性から見て適当ではない」と厚労省から改善勧告を受けている。
・公益法人の運営にとって寄付は欠かせないが、これまでは、主に小紫会長と個人的なつながりの強い団体に頼っていた。
詳しくは、以下のURLをご参照ください。
■「社団法人 日本臓器移植ネットワークに対する厚生労働省の改善勧告書」(厚生労働省発表、平成13年8月21日付)
http://isweb26.infoseek.co.jp/family/tity/files/kankoku_3.pdf(リンク)■「社団法人 日本臓器移植ネットワークに対する改善勧告書の交付について」(厚生労働省発表、平成13年7月30日付)
http://isweb26.infoseek.co.jp/family/tity/files/kankoku_1.pdf■臓器あっせん料 定着と組織の透明化が先だ
http://www.mainichi.co.jp/eye/shasetsu/200201/27-2.html■臓器移植:人材の育成が急務 寄付金頼みの財務体質も−−臓器移植ネットの問題点を検証
http://www.mainichi.co.jp/eye/feature/details/science/zouki/199906/22-1.html
http://isweb26.infoseek.co.jp/family/tity/files/kankoku_3.pdf
臓器摘出費用について 投稿者:ゆうみん 投稿日: 6月10日(月)20時05分44秒
通りがかりの者さん、どうもはじめまして。>移植手術の費用はレシピエント側が負担するけれども、
>臓器摘出費用はドナー側負担である・・・多分、以下の事ではないかと思います。
>平成14年4月15日以降に臓器提供のご承諾をいただいた臓器移植術につき移植患者お一人当たり10万円のご負担をいただきます。(ただし、移植実施日より満3ヶ月以内に移植臓器が廃絶した場合は全額返却、住民税非課税世帯は全額免除)
これは、「(社)日本臓器移植ネットワーク」のHP情報からの抜粋で、よく読まないと理解し難い文章のように感じられるのですが、本人の生前の意思表示により、「意思表示カード」を所持されている人が、「臨床的に診て脳死状態」と診断された場合に、その家族が「法的脳死」と診断された後の臓器提供を承諾された場合、「その臓器を用いて移植手術が行われた人数に応じて、ドナー側が一人当たり10万円の費用を負担する」ということだと思います。
■財政構造改革と会費値上げ・コーディネート経費徴収についてhttp://www.jotnw.or.jp/jotnw/index.html
倫理と関係ありか無しか分かりませんが 投稿者:通りがかりの者 投稿日: 6月 9日(日)17時26分33秒
単刀直入ですみません。実は、臓器移植に関わる費用についてですけれども。
移植手術の費用はレシピエント側が負担するけれども、
臓器摘出費用はドナー側負担である・・・というような話を最近耳にし、驚いているのですが、
どなたか、本当の所を教えていただけませんか?
町野案をたたき台に? 投稿者:てるてる 投稿日: 6月 9日(日)08時17分16秒
中山太郎議員たちが作ろうとしている改正案は、
「親権者の承認でこどもの臓器提供ができる」
という町野案をたたき台にするようです。
こどもの意思表示を可能にする方向ではないらしい。
そして、この改正案を進めるにあたっての障害は、
脳死に対する社会一般の理解不足ということらしいです。
2chふうに意見を言わせてもらうと、
「おい、おまいら、いままで、森岡・杉本案、てるてる案を読んでいないのかよ! 森岡板の過去ログ読め!」http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20020609-00000123-mai-pol
<臓器移植>15歳未満の提供検討 超党派で法見直しへ
脳死からの臓器提供を認めた臓器移植法施行から4年半がたち、現在15歳以上となっている臓器提供者の年齢制限の引き下げをめざす動きが出てきた。超党派の「生命倫理研究議員連盟」(代表・中山太郎元外相)が11日に会合を開き、臓器提供者を15歳未満にすることを含めた抜本的な見直しを検討する。死生観や子供の命にかかわる問題のため、議連では保護者らにも参加を呼びかけ、慎重に議論を進める考えだ。自民党も議連と意見調整しながら見直しに向けた検討作業に入る方針だ。
現行法は臓器提供者(ドナー)の書面による意思表示が移植の前提条件。民法の遺言可能年齢に準じて15歳未満の意思表示は無効となるため、子供の体格に合った臓器が必要な心臓移植などは、国内で受けることができなかった。法施行後も外国で心臓移植を待ちながら力尽きた子供がおり、患者団体が年齢制限引き下げを強く求めていた。
厚生労働省の研究班が00年8月、「子供は親権者の承認で提供が可能」とする試案を提示。議連の中山氏もこれが議論のたたき台になるとみている。ただ、依然として脳死への理解不足も指摘されており、議連ではPTA団体などとの意見交換も計画している。中山氏は「『脳死』は社会的に認知されたが、子供はいまだに心臓移植を受けるため多額の費用を負担して海外に渡っている」と検討を始める必要性を説明する。
臓器移植法は97年、共産党を除く各党が党議拘束を外し、賛否を各議員の判断に委ねる異例の形で採決が行われ、賛成多数で成立した。同法は付則で法施行から3年後の00年10月に見直しを行うと定めていたが、当時は「実施例が少なく『脳死』の社会的な認知が十分ではない」として見送られた経緯がある。 【竹島一登】(毎日新聞)
[6月9日3時21分更新]
国会の動き 投稿者:てるてる 投稿日: 6月 8日(土)08時51分46秒
こどもに法的脳死判定をおこない、臓器提供を実現するための法案を、
来年の国会に提出するために、議員たちが動き出したそうです。
↓
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20020608-00000584-jij-pol15歳未満の臓器提供実現へ始動=超党派議連、11日に総会
超党派でつくる「生命倫理研究議員連盟」(中山太郎会長)は11日、国会内で総会を開き、15歳未満の脳死者からの臓器移植に道を開くため、臓器移植法の見直しに着手する。既に検討に入った自民党の「脳死・生命倫理及び臓器移植調査会」と連携しながら、年内に同法改正案をまとめ、来年の通常国会に議員立法で提出する方向だ。 (時事通信)
[6月8日7時3分更新]
額田さん 投稿者:森岡正博 投稿日: 6月 8日(土)06時34分54秒
額田さんの言動には日頃から尊敬を抱いていますが、下記引用の>根底に脳死は人の死ではないとする日本の文化があるため、臓器移植は
>なかなか進まないは、疑問です。かねてから言っているように、日本でアンケートすると、脳死肯定50%、否定30%が平均値です。否定者の比率は、他の先進諸国と、たいだい同じです。脳死は人の死ではないとする日本文化がある、という実証的な根拠は、いままで提出されたことがありません。
清水昭美氏 投稿者:りんご 投稿日: 6月 7日(金)23時45分39秒
そういえば、「看護教育6月号」医学書院)に「川崎協同病院「安楽死(殺)」事件−問われる生命への姿勢」という清水昭美氏の論文が掲載されています。
くわしくは、雑誌をみてみて。http://210.139.255.161/igak/detail_zashi/02407new.shtml
額田勲氏 投稿者:てるてる 投稿日: 6月 7日(金)23時16分08秒
香山リカさんは、川崎協同病院での安楽死事件をきっかけに、
「論座」の記事を書かれたんですけれども、先の臓器提供を
望む被告の記事が載ったのと同じ神戸新聞2002年6月7日付朝刊
第4面にも、川崎協同病院での安楽死事件に関連して、額田勲氏
が、安楽死や脳死・臓器移植について、発言しています。
かなり大きなインタビュー記事です。
川崎協同病院の事件については批判的ですが、終末期医療について、
脳死・臓器移植について、問題点を指摘しています。「問われる高度技術社会の死」
「なぜ続く『安楽死』事件」
「神戸生命倫理研究会 額田代表に聞く」
「医療への人間性復権が課題」
「4要件以外にも悲惨なケース」
「技術に走る現代医学に苦言 額田氏著書『いのち織りなす家族』」> 終末期の生と死の問題を考えるきっかけになると思いますが、
事件が起きても議論は一向に発展していきません
「日本の文化の独自性があるからだと思います。
本当は安らかな死とか望ましい死を待望する声は
ほうふつとしてある。脳死問題がいい例です。
臓器移植法をつくっても、根底に脳死は人の死では
ないとする日本の文化があるため、臓器移植は
なかなか進まない」> 「臓器移植では脳死臨調にあれだけの識者を集めたが、
受益者は国民全体という視点での問題整理がなかった。
そのことが最大の失点です。専門部会をつくっておけば、
生と死の問題についていろんな観点から問題点の整理が
できた」
> 「もう1つは医療経済の点からの議論です。終末期医療
というのは、実は医療経済の問題でもある。しかし、
高齢社会の肺炎死一つとっても、何をもって基準とするのか
脳死以上に難しい」
香山リカさんの、「死の自己決定権」への疑問 投稿者:てるてる 投稿日: 6月 7日(金)22時20分00秒
「論座」2002年7月号(現在発売中)の「フロントライン」に、
香山リカさんによる、
「『死の自己決定権』論の限界」(p.12-13)
という論考が載っています。
たいへん、いい論考だと思います。
香山リカさんが体験した、分裂症(てるてる注;統合失調症)で
長期入院されていた患者さんの死に関する話です。
香山さんの気持ちを要約すると、次のようになります。この患者さんが急性肺炎で亡くなられたとき、香山さんは、力を
尽くしたけれども、及ばなかったと、患者さんの御両親に報告し、
人工呼吸器の装着も考えたのだが、云々、というと、その御両親は、
感謝の意を表された。のみならず、人工呼吸器を着けないでくれて
よかった、という雰囲気が見られた。
自分は、患者の家族に責められると思っていたところ、感謝された
のでほっとしたが、しかし、これでいいのかと疑問に思う。
この患者の御両親を責めることはできない。しかし、医師である
自分まで、安心してしまっては、生きていたかったであろう患者の
怒りや痛みは、どこへいくのか。ここからは、引用します。
> 延命治療による家族の負担を減らすため、医療費削減のため、
といったきわめて現実的な目的のためなら、まだ納得できる。
疑問を抱かざるを得ないのはむしろ、それが人間としての尊厳を
保つことにもつながる、と精神的な意義を主張する意見だ。> では、肉体が健康なら意識は清明なのだから、その時点を
もって「正常な自己」と見なせばよいではないか、と
言う人もいる。ところが、意識が完全にクリアな状態のときは、
今度は防衛、抑圧などさまざまな無意識の装置がその人の
本当の思いを隠蔽したり歪めたりする、といのが精神分析の
考え方だ。> 精神医学の中でもいろいろな見解があることも事実だが、
極端にいえば「完全に正常な自己での本当の意志など、
確認することは不可能だ」ということにもなる。それでは
社会システムが機能しなくなるから、日常のレベルで
決定や契約を行う程度の自己はあるものという前提のもとで
私たちは生活している。しかしそれは、自らの死に方まで
決定することができるほどの揺るぎなきものではないのでは
ないか。> こう述べてくると、私は安楽死や尊厳死絶対反対と
主張しているように思われるかもしれないが、そうではない。
さまざまな現実的事情で、患者本人や家族がそれを選択する
ことはあり得ると思う。ただそこに、安易に「それが
自己決定の基本だ」などと、理想論や精神論を持ち込むな、
と言いたいだけだ。引用は以上で終わりますが、本文を是非御確認ください。
2ページの論考ですが、たいへん、いいと思います。
うーむ 投稿者:森岡正博 投稿日: 6月 7日(金)12時57分51秒
>てるてるさんそれは新事態ですね・・・。
まあ、しかし、その前に「死刑反対」なんですけど、わたくしは・・。厚生労働省に言っても仕方ないのかもしれないけど。
臓器提供を希望する被告 投稿者:てるてる 投稿日: 6月 7日(金)08時22分13秒
神戸新聞2002年6月7日付朝刊第30面に、
「死刑なら『臓器を提供』〜強盗殺人の被告が希望〜弁護団、法整備訴え」
という記事が載っています。
かつて強盗殺人罪で無期懲役の判決を受けた人が、仮出獄中にまた殺人罪を
犯し、広島高裁でまた無期懲役判決を受けたが、最高裁が、死刑が相当として
審理を差し戻し、再び広島高裁で審理中という状態になっています。
この人が、もし、死刑の判決を受けたり、拘置中に亡くなったりした場合に、
臓器提供をしたい、と申し出たそうです。
臓器提供を望むようになったいっかけは、ラジオで、骨髄移植で助かった
白血病の少女の話を聴いたからなので、骨髄バンクのドナー登録を希望しており、
また、ドナーカードに、全臓器提供の記入も済ませているとのことです。
さらに、脳死での移植も望んでいるが、現在の刑法では、
死刑は心臓死を前提としているし、脳死では提供施設以外で
臓器提供をできないので、心臓死後の臓器提供ならば可能、と、
厚生労働省が判断しているそうです。
被告の弁護団は、骨髄バンク登録のための血液検査と、
適合患者が見つかった場合の骨髄採取のため、
拘置一時停止を求めているそうです。神戸新聞のオンラインの記事で読むことができます。
http://www.kobe-np.co.jp/
http://www.kobe-np.co.jp/kyodonews/news/20020607KIIAKA02500.html
死亡時、臓器提供したい 弁護団、法整備働き掛けへ
--------------------------------------------------------------------------------2002/06/07 02:00
強盗殺人罪で二審までの無期懲役判決を最高裁が破棄し、広島高裁で差し戻し審公判中の男性被告(49)が、死刑になったり、拘置中に死亡した場合の臓器提供や、拘置中の骨髄提供を希望していることが6日、関係者の話で分かった。弁護団は希望を受け、関連法の見直しなどを法務当局に働き掛ける。
法務省によると、死刑の可能性がある被告や死刑囚、無期懲役の受刑者などで臓器提供の希望は前例がないという。
被告は脳死での提供も希望しているが、死刑は心臓死を前提としているほか、脳死では提供施設以外で臓器摘出はできず、実現性はない。しかし、厚生労働省などによると、心停止後の提供は法的には可能という。被告は骨髄バンクのドナー登録も希望している。