『ヒートアップ!』

 

曇り空の下、ダン! ダン! バスケットボールの音が響く。
アスファルトの敷かれた小さな駐車場の一角に、バスケットゴールがひとつ据えられていた。
その前で数人の男達が順番にシュートを決めていく。
うっかりはずしたボールを、側で見ていた若者がひょいと手にすると、ポンポンと二回ほどドリブルして、
ギョッとするほど見事なロングシュートを決めた。
「どうせやるなら、これくらいやってくれねえとな。」
不遜な瞳で挑発する。男達の目にたちまち危険な光が宿った。

「やる気か! おぅし、やってやろうじゃねえか。」
どの男も鍛え上げた屈強な体をしている。
細身の若者に束になってかかったとしたら、ケンカで若者が勝てるなんて誰も思うまい。
「じゃ、3対3でどうだ。チーム決めて試合しようぜ。」
「俺、ぜってえお前と勝負したい! 仰木と敵になりたい奴、こっち来いよ!」
どうやら彼らはケンカなどする気はないらしい。
それどころか目を輝かせて楽しそうにチームを決め始めた。

「おまえら…俺が試合するって勝手に決めんなよ。」
呆れたように苦笑いした若者の名は仰木高耶。
男達とは旧知の間柄どころか、全員が彼だけは敵にしたくないと思うくらい、深く信頼している人である。
だが、こういう試合なら話は別だ。
彼に参ったと言わせてみたい。その瞳を屈辱で燃えさせてやりたい。
あっというまに高耶と戦いたいというメンバーが集まった。

「私もやってみたいですね。いいですか、そっちにいっても。」
「直江?」
「あなたに勝ってみせますよ。」
直江が微笑んだ。
その目をじっと見つめて、高耶がふっと微笑んだ。
「みせてみろよ。勝てるならな。」
ただのお遊びを超えた熱が生まれようとしていた。

ふつふつと湧きあがる闘争心が、ただの駐車場を熱い試合場に変えていく。
試合と言っても、ろくにルールも知らない彼らだ。
3人対3人で、ゴールを決めたら1点。十点先に入れたほうが勝ちである。
体を掴んだり蹴ったり殴ったりは禁止。力も当然禁止。ボールを持って3歩以上歩かない。
そんな最低限のルールだけで始まった戦いは、
高耶、嘉田、小太郎のチームと、
直江、潮、兵頭のチームとの第一線で火蓋を切った。

 

テレビでストリートバスケ見てて、思わずミラ変換しちゃったの。
これからどうなるやら、書いてる本人もわからなかったり・・(^^;
私の中で展開されてる試合が、文字で表現できるかが最大の心配だな(滝汗)

 

続きを見る
小説に戻る
TOPに戻る