「成田は、あんたからコイツを取り戻したいの。
大事な親友を、エロ教師から守ろうと必死なんだよ。」
エロ教師…って…
絶句した直江の手を離れ、高耶がフラリと前に出る。
「譲…」
「俺だって子供じゃないよ。高耶、直江先生が好きなんだよね?
だけど…だから…俺は認めない。高耶には、もっと普通の幸せがあるんだ!」
譲は揺るぎない瞳で高耶と直江を見つめると、フゥと息を吐いて、
「はぁ〜、スッキリした。ずっと言いたかったんだ。ごめんね、高耶。
それ、友チョコだと思って食べてね。」
にっこり笑って、クルッと高耶に背を向けた。
去ってゆく譲と入れ替わりに、千秋が前に進み出る。
「仰木、俺のは本物の逆チョコな。いわゆる攻め宣言ってヤツ?
直江に厭きたら、いつでも来いよ。」
そう言って、お洒落にラッピングされた箱を手渡しながら、千秋は直江に目をやった。
高耶には、イマイチ意味が伝わらなくても、直江はバッチリわかったはずだ。
千秋は直江にウインクすると、まだショックの抜けきっていない高耶の肩を軽く引き寄せ、
頬にチュッとキスをして、ヒョイと後ろに跳び退いた。
「…千秋! このやろう…待ちやがれ! からかいやがって、許さねえ!」
我に返った高耶が、いつもの調子を取り戻して追ってくる。
それを追い越す勢いで走るのは、鬼のような顔をした直江だ。
夕暮れの茜雲が光る空の下、置き去りにされてしまった直江の車で、
ビタースイートなチョコレートが、極上の香りを解き放つ時を、静かに待っていた。
オンリーのペーパーに悩んでたとき、某さまに逆チョコの話を聞きまして…(笑)
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思わず萌え萌えで書いちゃいました。(^^)
高耶さんが直江の机にチョコを置いてったのは、ちょっとバレンタインを意識してたかも?と思います。
某さま、ネタありがとうね〜♪