1950年の2月の上旬、赤帽の創業者の松石俊男は東京の東中野の交差点で老婦人が手提げ袋をさげ、足元には荒縄で荷造りした荷物を置いてタクシーを
呼び止めているのを目にしました。
何台ものタクシーは止まるだけで、老婦人を乗せることはありませんでした。
この老婦人は途方にくれて、荷物の上に腰をおろして座りこんでしまいました。この時松石俊男の頭には「どうして老婦人が重い荷物で困っているのに助けてあげないのか、
きっとこのような荷物で困っている人が多いのではないか。なんとかこの人たちの手助けはできないのか」と考えながら書店に立ち寄った松石俊男は軽運送事業の本が目にとまり、
軽運送事業を思いつきました。これが赤帽の誕生です。
1950年当時、鉄道の駅には旅客の荷物を運搬する沢山のポーターが常駐していました。赤い帽子が目印だったため、乗客からは赤帽さんと呼ばれていました。
ある日、松石俊男は汗だくになりながら乗客の荷物を運んでいる赤帽さんが滴り落ちた汗が荷物につくと自分のタオルで拭き取り、その後、自分の汗を拭き取る光景を
目にしました。お客様の荷物を大切にする赤帽さんの姿勢に強く心を打たれました。
赤帽という組織の名前には荷物と共に必死に生きる赤帽さんの歴史をその姿に感銘を受け「礼儀、親切、信頼」を指導し続けた熱い想いが込められています。
赤帽の現在のロゴキャラクターは「あかぼうくん」です。赤い帽子をモチーフに帽子を上から見た形と、元気に走っている姿をデザインしています。
また、あかぼうのロゴマークは以前の漢字表記を一新し、幅広い世代に親しみやすいひらがなと英文字を組み合わせました。愛嬌のあるキャラクター、親しみやすいマーク、
この二つが赤帽を身近に感じてもらうための大切な目印です。