ジュラッシックパークインスティチュート・ツアー       
レポートその1
〜 ディスカバリーセンター編〜


【イントロダクション:Welcome to JURASSIC PARK】

行ってきました。しかも3回も!!!
ジュラシックパークインスティチュート・ツアー。このイベントはアメリカのバイオ企業Ingen社が恐竜を東京に連れてきたという設定で、「ジュラッシクパーク」の世界を体感できるというSF&恐竜イベントです。
もう、恐竜とSFを愛する管理者は大人2,800円という入場料にかかわらず、3回も行ってしまいました。
ちなみに昨年の「世界最大の恐竜博2002」は1回しか行ってません。

それに今年はジュラシックパーク公開10周年。高校生の管理者が福島の田舎の映画館で実物大のCGティラノサウルスが動くのを見て、お口あんぐりになってしまったあのときからもう10年です。
あの時、私以外にもこう思った人は結構いたに違いありません。

「喰われてもいいからジュラシックパークに行ってみて〜〜〜っ!!!」

と。
とうとう、そのときが着ました。恐竜が作り物でもかまいません。どうせ、本物の映画もロボットとCGの作り物です。
とにかくジュラッシクパークに行ければいいのです。

と言うことで、以下作者が3回目会社帰りに行った時のレポートをお送りいたします


≪ディスカバリーセンター≫
ず、チケットを購入して最初に入るのがここディスカバリーセンター。ここがツアーが開始になるまでの待合室にあたるゾーンで恐竜、進化と適応、古生物学、遺伝子と遺伝子工学の学習用の展示がさています。

ここの主な展示は写真のとおりT・REXのスタン(♂)と奥に写っている巨大なDNA模型ですが、何気にっ恐竜通を喜ばせるようなものが、しかも本物が結構展示されていると言うのがミソです。
それを順番にご紹介しましょう。


≪T・REXスタンについて≫
1987年アメリカ、サウスダコダ州においてスタン・サクリソン氏によって発見されたティラノサウルス。ほぼ完全な骨格がブラックヒルズ地質学研究所によっては発掘された。同時期に同じくブラックヒルズ地質学研究所によって発掘されたスーとの比較により、尻尾の付け根にある血道弓と言う骨の形状から雄と同定。スーとスタンの発見によりティラノサウルスはメスのほうが大きいということが判明。これはティラノサウルスが、現在の猛禽類と同じく、一夫一妻制の生態であり、恋の主導権がメスにあったからと推測される。他の生物と異なりティラノサウルスはオスがメスをめぐって争う必要がなかったためオスが小型化し、産卵のためメスが巨大化したと考えられる。

(上写真はディスカバリーセンター全景、スタンはダッシュ姿勢で展示、この骨格は複製)


≪孔子鳥≫
先ずご紹介したいのがこの化石。よ〜く見てほしい。
クリスマスの鳥の丸焼き見たいなものが三体見えるだろう。
実はこれ、孔子鳥(学名:コンフキウソルニス)という白亜紀前期(約1億年前)に中国に生息していた鳥の化石である。しかも本物が3羽!

孔子鳥、右の始祖鳥と比較してもらえれば、より現在の鳥にちかい生き物かということが理解できるだろう。
実は孔子鳥は本格的な鳥としては最古のものとなるのだ。



(上写真は国立科学博物館本館所蔵)


しかし、これは単なる比較対象物でしかなかった。ほんとうのお楽しみと衝撃はこれからだ!!!


≪ミクロラプトル〜あなたは、鳥?〜≫
とにかく下の写真を見てほしい。
  
(上写真:骨格化石、しかも本物)              (右写真の化石の生態復原模型)


上の化石骨格はどう見ても恐竜である。
左上の写真の生き物はどう見ても鳥である。そしてこの2つの写真は同じ生物だという???

何なんだこれは!?
そうこれが、このディスカバリーセンターの影のメインディッシュ、ミクロラプトルである。
端的に言うと羽の生えた恐竜。しかも模型ではわかりにくくなっているが、ミクロラプトルは両手足が翼になっているのだ。つまりこの動物には4枚の翼があるのだ
化石を確かによく観察すると両手、両足に羽がはえていることがわかる。
つまりこれは、鳥になり損ねた恐竜、裏を返せば鳥と恐竜を結ぶミッシングリングと言うわけである。

 と言葉で言ってもわからないのでこの図を見てくれ。
 これはミクロラプトルの復原図だ。これを見て一言。

 これってもう完全に鳥じゃん!!!!
 その上両足も翼になっているぅ!!!
 何がなんだかわからない生き物だこりゃ。ただ、
これを見てしまえば鳥=恐竜という ことを理屈ぬきで信じたくなるよね。科学的態度じゃないけど。

ミクロラプトルはさっき取り上げた孔子鳥と同時代の生物だ。生態は現在のムササビのように木からへ木へ滑空して生活していたらしい。このミクロラプトル、ベロキラプトルと同じドロマエオサウルス科の恐竜ながら樹上生恐竜だったのだ。大きさはカラス程度、もしこいつが生きてカラスと一緒にごみを漁っていても変な鳥と思ってしまうだろう。4枚の翼を持つ特異な姿から恐竜から鳥への進化の過程ではさまざまな試行錯誤があったことが予想される。
さらに、この恐竜の発見はこの新しいジュラシックパークにも微妙な変化を与えている。
Ingen社はこれまで欠損した恐竜のDNAを補うためカエルのDNAを使っていたが、今は鳥のDNAを使うようになったのだ。Ingen社の説明では鳥の遺伝子を使うことで恐竜の制御は完璧というが・・・・・
(右図は「A FIELD GUIDE TO DEINOSAURUS」P18より引用)

             
              
ちなみに、これがミクロラプトルの化石の生成過程。かなり哀れ・・・・・・・・・・・・


≪ズニケラトプス〜偉大なる祖先〜≫
うぃ〜す。おいらズニケラトプス。USAのズニ盆地からやってきたニューフェースだぜ。
そこのちびっ子、おいらはトリケラトプスと呼ぶのはやめてくれ。
そこのお姉さん、おいらは焼肉にされそうになっているんじゃないぜ。
いま9000万年の眠りを経てよみがえろうとしているところなんだぜ。
そこのところ世露死苦!!!

と、ズニケラトプスさんに簡単に自己紹介してもらいました。彼は古生物学を解説するコーナーの展示物としてあったのですが、これを見た人のほとんどが、トリケラトプスと思っていたようです。ズニケラトプスですが実はどの恐竜図鑑にもまだ載っていない最新の新種です。
これのすごいところは角が生えているところとその生息年代です。
角竜に角が生えているのは当たり前ですが、ズニケラトプスの場合のほぼトリケラトプスやカスモサウルスといったカスモサウルス亜科の恐竜たちとほぼ同じ角の生え方をしています。また、生息年代は9000万年とかって角竜の祖先動物にちかいと言われていたプロトケラトプスが8000万年前よりもまえになっています。これは、トリケラトプスの祖先たちが予想以上に古い時代にすでの北米大陸にいたと言うことが考えられます。
ちなみにズニケラトプスは後の時代の角竜と同じく群れで生活していたようです。


≪スタン写真集≫
 
(頭骨アップ)                             (後方からの撮影)
 
(全身像:姿勢はダイナミック)                 (食べられ視点)
 
(全身像その2:対比人物付)               (前脚アップ。やっぱり小さい。噂の3本目指の痕跡は確認できませんでした。)
 
(漢の証、血道弓。メスでは腰に近い1本目の長さが半分です。)  (本物の化石。中央は卵の化石。他の肉食恐竜同様細長い。)
                       
                    (触れる歯の模型。切るためというより砕くために進化したという感じ)
スタンの化石は、実はもうすでに東京には上野の国立科学博物館、お台場のダイノソア・ファクトリーに2体もあります。今年の夏は東京には3匹のT・REXがいてそのすべてがスタンというものすごい事態になっていました。そのなかでもジュラシックパークのスタンは映画の影響か、獲物を追いかけるダイナミックな姿勢で展示されたいました。(実際にこのように獲物を追いかけたかどうかについては諸説ありますが・・・・)
そんなことで、恐竜めぐりを趣味にしている身としてはもうおなじみの恐竜になってしまていますが、じつは管理人にとってスタンは最も思い入れの深い恐竜です。
1995年、池袋サンシャインシティでスタンをメインにした「世界最大の恐竜博1995」が開催されました。当時、福島から東京に出てきたばかりの管理人は、浪人中の身にもかかわらずどうしても、当時日本初公開、最大のティラノサウルス、スタンを見たくて開催初日に開場一時間前から並んで一番乗りを果たしたと言う思い出があります。
そんな青春の思い出とともにあるスタンは特別な恐竜です。
*現在世界最大の肉食恐竜とされるのはアベりサウルス科のギガノトサウルスで、最大のティラノサウルスはシカゴのフィールド博物館のスーである。しかし、1995年当時ギガノトサウルスは一般に発表されておらず、スーはFBIに押収されていたままだった。未確認情報で、最大の肉食恐竜としてインドのブルスカハヨサウルス(後に竜脚類と間違えていたことが判明)と言うのがいたが、とにかく全身骨格が発見されて公開できるものではスタンが当時世界最大の肉食恐竜だったのだ。


ともかくディスカバリーセンターはここでお終い。次からはいよいよジュラシックパークへ!!


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【おまけ】

 ディスカバリーセンターに展示されたいた獣脚類の卵。
 解説によるとオビラプトルの巣の化石とのこと。
 親がいない卵の化石はまぬけだなぁと感じて、ツアーに参加。
 ツアー終了後、驚愕の事実が!!!











いました。親(オビラプトル)が。外の売店で。
いたと言うより、売られていました。(もちろんレプリカ)

値段 ¥430,000で

誰が買うんだろう。(お金があれば私もほしいけど・・・・・・・・・・・)