岩手石橋


岩手開発鉄道 昭和35年開業:現存






昭和14年、大船渡港に連なる内陸部の産業振興を目指して、 第3セクターで設立された岩手開発鉄道。 昭和16年には、盛〜日頃市が開業したものの、 苦しい経営が続いた。 その後、小野田セメント大船渡工場のセメント輸送を 請け負うために、盛〜赤崎間を貨物専用線として開通させ(昭和32年)、 さらに、昭和35年、日頃市の奥に位置する 小野田長岩鉱山からの石灰石輸送を 直接行うため、岩手石橋まで路線が延長された。 そのとき、開業した当駅だが、 鉱山関連施設の位置関係により、日本でも2つしかない 珍しい終着駅のスイッチバックという形態になった (もうひとつの国鉄赤谷線・東赤谷は、すでに路線と共に廃止)。 平成4年には、旅客輸送が廃止され、元夕張鉄道のキハ301や 自社発注の“寸詰まり”13メートル気動車キハ202は、 現役を退いたが、現在でも毎日二十往復程度ある、 DD56牽引の石灰石貨物列車が、 ひっきりなしに折り返しポイント上を行き交う姿は、圧巻である。
*写真は、すべて平成11年11月1日撮影。 旅客用の発着線は、すでに取り外されているものの、 旅客ホーム他の駅施設は、現存している。
*ここも、旅客営業が終わって、訪れるマニアも少なくなったと言われるが、 「スイッチバック」的視点から見れば、 単行気動車が、引き上げ線の、ほんの入り口部分だけ使って チョコチョコ折り返している様より、 ホキを連ねた長大貨物列車が、引き上げ線の末端まで頭や尻を突っ込んで 折り返していく姿の方が、遥かに魅力的だと言っておきたい。 その意味では、現在あるスイッチバックの中でも、 ここほど“大きな”折り返しを(しかも高い頻度で)見られる場所は、ないであろう。
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