出山信号場・大平台・上大平台信号場


箱根登山鉄道 大正8年開業:現存

「スイッチバック」と言うと「あの箱根の登山電車!」と返されるくらい、 日本で最もポピュラーなスイッチバックを擁する箱根登山鉄道。
馬車鉄道をルーツに持ち、日本で四番目の電気鉄道となった 小田原電気鉄道が箱根湯本から強羅までの路線を開業したのが大正8年。
天下の瞼を目指すその路線は、80‰という粘着運転による日本最急勾配と、半径30mという急カーブ、 それに加えて3ヶ所のY字型のスイッチバックを有する、日本屈指の登山鉄道となった。
下図でも示した通り、客扱いをする「大平台」、交換のための信号場として機能する「出山」「上大平台」共に、 片渡り線×2個というほとんど同じ構造をしている(但し、スプリングポイントの使用により、操作は簡素化されている)。
新系列の車両導入や運転区間の変更等、同鉄道の様子も徐々に変わりつつあるが、日本を代表する登山鉄道の象徴として、 この3つのスイッチバックは、末永く開通当時の姿を見せてくれることであろう。


★昭和50年頃の登山電車の姿!!
*今から30年以上前、1000系(ベルニナ号)の姿はまだ見えない急勾配区間を、モハ1、2、3が行きかう頃の写真を、茅ヶ崎市在住の青木一郎さんから提供いただいた。
すべて昭和50年4月撮影。


▲大平台を出て出山信号場へと下っていくモハ1(106号)とモハ2。


▲上大平台信号場に於ける運転台の交換風景。モハ1(106号)とモハ3(114号)


▲同列車が仙人台信号場に向かって、80‰の勾配を上っていく。
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