カップルに100の質問(1〜50編)

 質問はこちらからお借り致しました。





 どんなに仲良くあろうとも。
 兄弟に生まれたのなら、一番最初のライバルだ。

 その年季の入った競争意識に、ややこしい恋愛感情が混じったりすると…筆舌にしがたいほど厄介だたりする。
 すれ違う思惑と、お互いそれぞれの打算が絡み。ギスギス険悪な家庭内戦争は、数日間の冷戦を経て、どかんと大きく爆発を起こした。

 人間兵器・エドワード・エルリック。
 VS
 その国家錬金術師の兄にして『オレより喧嘩が強い』と言わしめる弟。

 そんな2人の好カード。真っ向からのガチンコ勝負だ。それが地味に収まるわけがない。
 犬も食わない痴話喧嘩と評するには、いささか派手になろうというもので。


 戦いは済んで日は暮れて。
(後で迷惑掛けた人たちに挨拶に行かないと…)
 アルフォンスは使ったオキシドール瓶を救急箱に戻す。そして兄に向き直った。
「思うに」
 手の内を知り尽くした兄と本気の喧嘩は、負けはしなくても無傷じゃ済まなかった。
 爆破の余波で頭から被った泥は洗い流したものの、打ち身、擦り傷がじんわり痛む。
(……そりゃあ『喧嘩』だからこのぐらいですんだんだけど)
 だから天変地異を散々起こして、この軽症だ。
 ……そういうことはわかるのに。

「わかっているようで、理解が足りないんだよね。ボクらは」
 兄のことならこの世の誰より知っている。
 そんな自負もあるけれど、でもそれは『兄弟』の範囲内の行動ならと、但し書きがつくようだった。
(ボクって、馬鹿だ)
 ここ数日の言動を振り返れば、どんより落ち込みたくもなる。
 恋心というのは厄介だ。
 嫉妬に疑惑の魑魅魍魎が、目に鱗を貼り付ける。

「そうなのかもしれないな」
 尾ひれがついた噂と些細な誤解から、軍部を巻き込んだお祭騒ぎまで発展させてしまった兄弟喧嘩。
 その後始末に東西奔走したエドワードは、労力の分だけ苦さを味わう。
 冷静になってよーく考えればこんなことにはならなかったのに。
 ほとほと己れには愛想がつきる。
 いつもは可愛げがないほど出来た弟が落ち込む姿は珍しいものだが、自分のせいと思えば心が痛む。

「酷いことして、悪かった」
 ちゅ。
 仲直りのキスは触れただけなのに血の味がした。
 弟の顔についた青痣は貫禄たっぷりの色艶で、男前が台無しだ。
「それは、お互いさま。ボクもいいの入れちゃったし」
 お互いに後々残る怪我を負わせるほど理性は失ってなかったけれど、シャワーに清められ温められた兄の肌には乱闘の跡が濃く残っている。痛々しい。
「自分が犯人じゃなきゃ、お礼参りを考えそうだ」
「馬鹿、痛いんだから触るなって」
 エドワードは触れてくる指先を軽く弾いた。

 本当は多少痛くても触って欲しい。
 冷戦中はお互いの部屋に閉じこもっていたから、居間で寛ぐのも久しぶりだ。
 忙しい日程のときはそれぐらい顔を合わせないのもザラなだけど、同じ家に居て会話をしないなんてなかったこと。
 神経の太さには定評があるエドワードも、これは胃に穴が開きそうなくらい痛烈に堪えた。

「兄さん。あのね、ちょっと見つけて貰ってきた質問集があるんだけど。やってみない?」
 ぺらり。
 アルフォンスはテーブルの上に置いてあった紙を取り上げて、ソファーに座り兄を横に手招いた。

「カップルに質問?」
 素直に隣に落ち着いたエドワードは、頬に落ちてくる洗い髪を面倒がり手早く紐で纏める。
「うん、今後の対策と検討に。兄さんがボクのことどう思っているのか知りたくて」
「カップル…なのか? オレたち」
 拭いきれぬ違和感にエドワードは首を捻る。それを見てアルフォンスは口を尖らせた。
「違うって言ったら泣くよ、ボクは。そりゃ、兄さんは兄さんだけどさ、恋人だって思っているよ。…何度も言うようだけど、兄さんが誤解した彼女たちはあくまで友達だから。それでボクを捨てたら酷すぎる」
「……いや、捨てたのはお前だと。だったらさっぱり身を引くのがスジかなあって」
「…っ!」
 この件に関しては、兄は無情で酷かったが、弟にも明々白々に非があった。
 一瞬怒鳴りつけそうになったアルフォンスは、喉までこみ上げた怒声を奥歯で噛み殺した。
「…ね。堂々巡りでしょ? お互いの考えをすり合わせておくのって必要じゃない?」

 エドワードはアルフォンスの悲しい顔はすごく苦手だ。
 苛めてしまったようで尻の座りが悪くなった兄は、両手を上げて降参する。
「わかった。付き合えばいいんだろ? だからそんな顔をするな」

 それに折角、仲直りをしたばっかり。
 意固地に拒否して、険悪になるのも馬鹿らしい。
 エドワードはメモの文字を読み上げる。



『1 あなたの名前を教えてください』
「エドワード・エルリック」
「アルフォンス・エルリック」

『2 年齢は?』
「18」
「ひとつ年下の17歳」
「…なあ。恋人同士に質問っていうのに、なんでわざわざ名前や年を聞く必要があるんだ?」
「様式美ってヤツじゃないの?」
「あー…、だから、そう尖るなよ。兄ちゃんが悪かったから、な?」
「自分が悪いと思ってもいないこと謝るな。…そうやって甘やかそうとするのはやめて(憤然)」

『3 性別は?』
「男」
「同じく」
「なあ。この質問集、あんまり考えたくないものを突きつけられる予感がしてきた(眉を顰め)」
「それじゃなきゃ役に立たないじゃないんじゃないかな(少し落ち着いてきた)」

『4 貴方の性格は?』
「どうなんだろーなー。自分のことはわかんね。……気は短い。ぐらいに答えておけばいいか?」
「いいんじゃない? ボクはー…石橋は叩いて渡らないちゃっかりさん…でも詰めには甘さが出る。今後の課題」

『5 相手の性格は?』
「えーっと(考え中)」
「藪を突付いて蛇出す人。行き当たりばったり。多少の無理は強引に通す。喧嘩と火事は江戸の華」
「なんか違うものが混ざってるぞ」
「そこはニュアンスで。で、ボクは?」
「…………意外と気が短い」
「なんで兄さん、そんないい加減なのさ」
「咄嗟にスラスラでねえって!…お前、愛想はいいし人のことも親身になって考えられるけど八方美人にやさしくはないし、いざとなったら容赦ねえし、プライド高いし!……なんかぐちゃぐちゃ矛盾して、適当な言葉が見付からない」
「あー…そっか。うん(真面目に考えてくれていたのか)(反省)」
「ああ…錬金術師としては対象にのめり込む研究者タイプだな。でも丁寧で視野が広いから、研究室の管理者になると実力を発揮するんじゃないかと睨んでいる」
「!(赤面)」

『6 二人の出会いはいつ?どこで?』
「母さんの腹の中に居るときから知ってる」
「生まれたとき。あれ、ボクが生まれたのってばっちゃん家だっけ、それとも実家?」
「覚えてない。でもそのどっちかで確定だろ? お前産むとき母さん他の町の病院行ったって話は聞かなかったし、あのときはロックベルのおじさんもおばさんも揃って居たし」

『7 相手の第一印象は?』
「赤くて丸くて恐かった」
「ボクは記憶にございません」
「魚とサルの合いの子みたいでさ、マジびびった。しばらくしたら人の子らしくなって、『オレの弟は怪物じゃなかった!』と子供心に安心した」
「兄さん姉さんの記憶力いいと、下の子って迷惑だよねえ(しみじみ)」
「オレだってよっぽど衝撃がなければその頃のことなんて覚えてないさ。たった1歳だったんだから」
「じゃあ兄さんにとっては衝撃の出会いっていうことで(笑顔)」
「文章的には間違ってない」

『8 相手のどんなところが好き?』
「うわ!」
「わ!吃驚した。なあに?」
「……こっぱずかしい質問が出てきた…」
「ここはじっくり聞きたいな」
「お前、平気なのか?」
「…恥ずかしいよ」
「(好きなところ、ねえ)……(懐が深いところとか?)……。パス1」
「(溜め息)わかった。パスは1回までね」
「うええぇ!?」
「ボクは兄さんと一緒にいるとワクワクする。そんな空気が好き(他の誰と居てもこんな気分にはならないし)」
「…(そんな簡単なことで良かったのか!?)」

『9 相手のどんなところが嫌い?』
「嫌い……っていうか、お前、オレやウィンリイとかばっちゃんとか…そこら辺の身内に掛ける迷惑は迷惑と思ってないところがあるよな? 内弁慶っつーか」
「えっ。そう、かな?(驚愕!)」
「旅の間、飼えっこない猫を拾ってきたり……最近は拾ってこないな。そういや」
「(軽い冗談だったのに)…。(兄さんが反対してくれるから安心して我侭言った自覚はあるけど)…(ひょっとしてトラウマになってる?)…兄さん、猫もけっこう好きだよね( …飼っちゃダメって言うの、よっぽどキツかったのかな)」
「定住してる今なら2・3匹限度で飼ってもいいぞ?」
「ありがと。今度良い出会いがあったら、相談する」
「で、オレの嫌いなところは?」
「こーいう自虐的な質問を喜々として根掘り葉掘り聞きたそうな、デリカシーに欠けるところ。ちなみに兄さんって駄目だなあって思うところと、嫌いなところは正反対の位置についているから困る」
「はーい(手を挙げ)。わけわかんないですアルフォンス先生」
「じゃあエドワードくん、それは次回までの宿題で」

『10 貴方と相手の相性はいいと思う?』
「兄弟だしな。幼児期の原体験や、土壌文化の共有があるって点ではいいと思う」
「育ってきた環境のベースがあるぶん、息は合うよね。食べ物の好みとか」

『11 相手のことを何で呼んでる?』
「アル」
「兄さん」

『12 相手に何て呼ばれたい?』
「そのままじゃ駄目なのか?」
「世の中にはハニーとかダーリンって呼ばれたい人もいるんじゃない。あとは○○さん、×△くんから愛称に呼び変えるとかも」
「ああ、なるほど。そういうことか。オレはそのままがいい」
「ボクも。兄さんに時々アルフォンスって呼ばれるだけで充分ドキドキする」
「なんで?」
「兄さん本気で叱るときや注意を喚起するときは『アルフォンス』って呼ぶじゃない。だから」

『13 相手を動物に例えたら何?』
「空想上の生き物でいいなら、一角獣」
「ブッ。なんですかその夢見がちにキヨラカさんな答えは!?」
「(淡々と冷静に)勇敢な戦士でもあるユニコーンは、うつくしい女性の膝に頭を乗せて眠る習性があるんだと。誰かさんと似てないか?」
「……その件に関してはボクが悪かったよ(…ハボック中ぅ尉ぃ〜…喋ったねえぇ?)」
「ああ、これは噂だけじゃなかったのか」
「(カマをかけられた!)(兄さんいつの間にそんな高等技術を!)……ええー…っと、兄さんは…竜…かな」
「そりゃ、ずいぶん持ち上げてくれるな?(よっぽど後ろめたいのか)(流石にリザさん相手に嫉妬を抱く蛮勇をオレは持ち合わせてねえぞ?)(それとも別件でやらかしたか?…うわ、ありそうだ)」
「(咳払い)東洋の竜には逆鱗があってね、それにウカツに触れると大いなる災いが降りかかるそうだよ」
「あーあー、どうせオレはクラッシャーだよっ」

『14 相手にプレゼントをあげるとしたら何をあげる?』
「爪切り」
「(意味深!)どうして?」
「使いやすいのが欲しいって、このあいだ言ってただろ。それとも、もう、買っちまった?」
「いや、まだだけどさ(そんなことだろうと思ったよ)。でもどうせ贈るならなら…(ボクが満足するものじゃなくて)兄さん喜んくれるものがいいよね。(うん、爪切りは悪くないチョイスかも)ボクも日用の小物かな。長く使ってくれそうなものを贈れたらいいと思う」

『15 プレゼントをもらうとしたら何がほしい?』
「欲しいものはー…。小型飛行機。解体したり改造したい。でもそれはそのうち自力で手に入れるから置いといて。この春に出た新型タイプライターとかは気になるな。あ、髪纏めるゴム紐の予備がきれたから、いま一番欲しいのはソレか。お前は?」
「通学用のカバン。時々武器にするから痛みが早くって。…兄さん新しいものが好きだよねえ」
「ふはは、用意周到と言え。…一度バラして構造を理解すれば次から錬成でオッケーだし、イザとなったら便利だろ」
「イザそのときが必要なことは、なるべくしないで下さい」

『16 相手に対して不満はある?それはどんなこと?』
「(気がつけないオレも悪いけどさ)アルは不満を腹に溜めてださない。それが厄介」
「それは兄さんでしょ」
「いや、兄貴が愚痴をこぼすのは格好が悪い」
「兄さんの見栄っぱりで頑固なのは美徳だと思うけど、度が過ぎると信用されてないようで情けなくなる」
「…オレ、お前ほど頼りにしてるヤツ、他にいないけど…?」
「うん、それでも」

『17 貴方の癖って何?』
「癖…なんだろ?」
「鎧の時…表情代わりに動作を大きく取るようにしていたことがあって。今でも身振り手振りは少し大げさかも」

『18 相手の癖って何?』
「直ったら面白くないから秘密にしておく(小さく笑う)」
「うわ、なんだろ。兄さんは集中してるとき指で唇を押さえて考えごとをする」

『19 相手のすること(癖など)でされて嫌なことは?』
「オレより背が高いのは心底ムカつきやがりますが」
「(それは癖じゃないじゃない)…という兄さんはその反面、ボクがすくすく成長しているのが嬉しくてたまらないんだよね」
「あと無意識に対象外の女をコマすのはどうかと思う」
「それは嫉妬っ?(少し嬉しい)」
「それもある」
「…それ以外の理由もあるの?」
「弟が焔のみたいになるのが嫌じゃない兄が、果たしてこの世にいるだろうか」

『20 貴方のすること(癖など)で相手が怒ることは何?』
「浮気。火のないところに煙が立っても怒る」
「…だって、気分悪いし(この手のネタは鬼門だなと身構え)」
「アルは煙のあるところには必ず火も出してるけどなー」
「だからそんなつもりじゃなかったんだってば!」
「うん、よかったよ。お前が彼女で来たっていったら快く送り出してやろうって思ってたけど、実際そうなってみるとダメだな。心構え以上にキツかった」
「…なんでもない顔したくせに。ボクだって傷ついた」
「オレにも見栄はあるさ。お前に女々しいなんて思われたくねえよ」

『21 二人はどこまでの関係?』
「どこまでの関係っていうか、兄弟」
「熟年夫婦並みに家事の分担は決まってるね。いつでもお婿にいけるように、仕込んでくれた師匠に感謝」
「オレが庭弄りや掃除をしようとしたらアルは怒る」
「だって兄さん花の芽潰すし、抜いちゃうし!折角取っておいた綺麗な瓶や箱を勝手に処分しちゃうし!いいよ兄さんは風呂掃除と料理と洗濯とお茶汲みと布団干しとゴミ出しだけで」
「(忙しいときは全くやってないからアレだけど…こう指摘されると結構やらされているような気がする)わかった」
「あ、回覧板も持っていかなくていいからね。お隣の奥さんは獲物を狙う凄腕ハンターだから」

『22 二人の初デートはどこ?』
「昔っから出かけるのは大抵アルと一緒だったからなあ」
「これは恋人デートの意味でしょ?」
「…その場合どこになるんだろ?」
「セントラル出て林檎狩りに行ったときとかが、一番普通にそれらしいんじゃない?」

『23 その時の二人の雰囲気は?』
「めちゃくちゃ健全だった」
「うん。昼間の兄さんに色気はボクも期待してないし」

『24 その時どこまで進んだ?』
「…あ、そっか。(ぽん)普通は初デートのあとに初エッチをするものなんだ」
「……そうだね(色々不覚)」

『25 よく行くデートスポットは?』
「野郎2人でデートスポットに突撃したら、そりゃあさぞかしお寒いだろうな」
「公園や市場。本屋に図書館・中央司令部」
「そういう生活の場でもアリなのか?」
「気の持ちようでデートじゃないの」

『26 相手の誕生日。どう演出する?』
「ちょっといい酒のひとつでも奢る。そろそろ年齢的にも解禁だろうし」
「去年までは色々忙しかったから。今年はのんびり旅行でもしてみる?」
「それもいいな」

『27 告白はどちらから?』
「なりゆきでどちらからともなく」
「大人のキスをしてくれたのは兄さんが先だけど、『好き』って言ったのはボクだった」

『28 相手のことを、どれくらい好き?』
「そんな抽象的なことを聞かれても困る」
「…兄さん、そんなに照れなくてもいいんだよ? こんな厄介な相手とくっついただけで、それなりの気持ちは持っていてくれるって知っているし」
「アル、お前面倒な相手なのか?(きょとん)」
「ほら、兄弟ホモ」
「……改めて指摘されると最悪だな」
「だから言ったでしょ。厄介だって」

『29 では、愛してる?』
「はいはい。愛してますよー」
「だから投げやりに照れなくっていいんだってば兄さん。ボクも愛している」
「臆面なくそう言えるお前は兄ちゃん、ホントどうかと思う」

『30 言われると弱い相手の一言は?』
「アルはツッコミが鋭い。いつもってわけじゃないけど、時々ぐっさりやられる」
「わざと質問の意味を曲解するあたりが兄さんのヘタレなところだよね。ボクは兄さんが悪どい顔でいやらしいことを目論んでいるときの態度と言葉にドキドキしまーす」
「いやらしいことって?」
「最近ではマスタング少将襲撃・水道管噴水事件のアレとか」

『31 相手に浮気の疑惑が! どうする?』
「(ちろりと流し目)どうしようか?」
「(さっと目を逸らし)えーと、紆余曲折ののち、殴る蹴る錬金術行使の大喧嘩になりましたが」
「市街地でバトルだと迷惑だからって、中央司令部のグラウンド借りてな」
「軍人さんたちが暇なのはいいことだし、楽しい見世物されるのも場所を借りた手前仕方ないとはおもうけど、いつの間には売店まで出てたのは心底感心した。逞しいよね」

『32 浮気を許せる?』
「浮気は許せない。本気なら仕方ないから諦めて別れる」
「ボクは概ね兄さんの反対だなーあはは。……で、兄さんどういう意味?(ひんやり)(その件はカタがついたと荷物降ろしてたけど安心すなってこと?)」
「だってオレ、アルの子供なら見てみたいし。二股とか不倫とか嫌いだし。他人がやるならまだしもオレの弟がそんなふしだらをする原因になるのは、自分を絶対許せない」
「(浮ついたタイプは嫌いだって知ってたけどさ。兄さんってば若いくせに頑固親父)……もし、もしそうなったとしてもきっとボクは兄さんがいいんだよ? それでも?」
「オレもお前がいいけれど、それとこれは別問題」
「…極力、身を慎みます(……父さん恨むよ!)」
「……。あのな、嫌なことは嫌なんだけど。お前の選択を奪うことや、無為な我慢はさせたくないんだ」
「わかった。子供がどーしても欲しかったらウィンリイに2人揃って面倒みてもらおう。それで3人プラス子供たちとで幸せになろう(超本気)」
「それはいいな(冗談だと思っている)」

『33 相手がデートに1時間遅れた! どうする?』
「何かあったのか心配になる。…汽車のダイヤが乱れたとか、そういう可能性がないのなら」
「兄さんは約束とか時間は守りたい人だからね。騒動に巻き込まれたか、突っ込んだか、適宜予測を立てて追跡する」

『34 相手の身体の一部で一番好きなのはどこ?』
「身体ねえ。…パーツのトータルバランス。これであと10センチ背が低かったら良かったのに」
「つまり全部好きだと受け取っておくよ。ボクは兄さんの右手ね。好きっていうか、これは自分のものだと思うとたまらなくなる」
「オレの身体はオレのものだ!」
「ふふ」

『35 相手の色っぽい仕種ってどんなの?』
「アルの口元はエロい。笑ったときなんか特にそう」
「そんなこと言うのは兄さんだけですー。兄さんは疲れてバテていると色気を振りまく。あと本気で困ったときの仕草とか」

『36 二人でいてドキっとするのはどんな時?』
「なんでこう……答えにくい質問ばかり……(頭を抱える)」
「兄さんがキスしてくれるなって思ったとき。タイミングを計っているのがわかるから、余計にどきどきする。兄さんは?」
「…お前の地雷を踏んだとき。しょっちゅうだな」

『37 相手に嘘をつける? 嘘はうまい?』
「兄弟とはいえ同一存在ではない以上、秘密はたくさんある…と思う。…そりゃ、他人よりは少ないだろうけどさ。嘘も時には必要じゃねえの」
「……そうだね。秘密なら大小問わずボクもあるかな。なにも正直ばかりが美徳じゃないし」

『38何をしている時が一番幸せ?』
「モノを食っているとき、寝てるとき」
「…うん」
「なんだよ?」
「生きていく上で必要なことが幸せだと思えるのは嬉しいよね」

『39 ケンカをしたことがある?』
「ウチは多いよな」
「売り言葉と同時に拳が出るし」

『40 どんなケンカをするの?』
「拳の出ない冷戦はキツい」
「兄さんに本当に嫌われたかと思って、恐かった」
「…オレも」

『41 どうやって仲直りするの?』
「いま、その最中」
「いつもなら喧嘩→組み手→疲れた時点で仲直りだけど。口も聞けない状態が長く続くのはもう…いやだから」
「ん」

『42 生まれ変わっても恋人になりたい?』
「いま生きるので精一杯だから、それは死んでから考える」
「生まれ変わり…ねえ。それならそれで満更じゃない」

『43 「愛されているなぁ」と感じるのはどんな時?』
「ガラガラのベンチで迷わず隣に座られるとき」
「2人で行動すれば、それは普通じゃないの?」
「オレは好きじゃない相手の前に座ってメンチを切るんならともかく、隣には座らねえけど」
「(内心赤面)そ、そっか」
「アルはどうなんだよ」
「兄さんの視界に入っているときは、大抵いつも愛されているって感じるよ」

『44 「もしかして愛されていないんじゃ・・・」と感じるのはどんな時?』
「無視されるのが一番キツい」
「目を合わしてもらえないと不安になった」

『45 貴方の愛の表現方法はどんなの?』
「……それを上手く出来るようなら苦労はしない」
「いや、兄さんはすっごくわかりやすいから!」
「そりゃアルの方だろう? 行き届いているっていうか、行き過ぎて……どこでそんなの習ってくるんだろうって呆れる」

『46 もし死ぬなら相手より先がいい? 後がいい?』
「考えたくないな。置いていくのも、置いてかれるのも辛い。こればかりは2人いっしょってわけにもいかないからな」
「わがまま言わせて貰うなら前の方がいい。でももっと年をとれば、考え方も変わるかも」

『47 二人の間に隠し事はある?』
「ある」
「うん」

『48 貴方のコンプレックスは何?』
「コンプレックスを軽くは語れない」
「少し前までは背のこと指摘されると暴れてたよねえ。無事に伸びておめでとう」
「……ホントに良かった…っ」
「ボクのコンプレックスは…あるしあったけれど、一人で持てないようなものは兄さんが助けてくれたから」

『49 二人の仲は周りの人に公認? 極秘?』
「秘密だな。常識的に」
「特に極秘ってわけじゃないけど、バレてはいないんじゃないかな。多分」

『50 二人の愛は永遠だと思う?』
「ここは、思いますって答えておくべきか」
「無理はしなくてもいいよ、兄さん。怒らないから」
「先のことは見えないけど、今は他の誰かを考えられない」
「うん、ボクも兄さんが好き」
「ん。…(ちゅ)」




 ここから先はアダルトさん。オッケー?





2005,12,1

読み手として、大好きです『カップル100質』。
(とりあえず前半部分をアップしました。後半は後日)
うちの標準的な兄弟で、喧嘩の後シュチュで答えてみました。同じ質問でもその時の気分によっては違う答えが返ってきますよね。と、いうことで。


2005,12,3

後半50〜100の質問繋げました。上記 オッケー? からお入り下さい。



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