バクタプール
トゥマディ・トール
  Taumadhi Tole



ニャタポラ寺院
 


 バクタプールのダルバール広場の南側にはもう一つの大きな広場がある。ここがトゥマディ・トールである。
    
◆クマリ・デオ・チェン(Kumari Deo Chhen)



クマリの館
 

 
 トゥマディ・トールの北東からは、土産物屋などが並ぶ通りが伸びている。その先にはダッタトラヤ寺院などのあるタチュパル広場があるが、そこはまた改めて紹介したい。
 トゥマディ・トールからほど近い1件の建物。1階は土器(かわらけ)などを売る何の変哲もないお店だが…。実はここの階上には生き女神クマリが住んでいるらしい。
 実はこのクマリの館。ここの並びが元同僚の家だったこともあり、数えきれないくらい前を通ったことがあるのだが、まったく知らなかった。当然、クマリ様を見たこともない。
 ここのクマリの前任は2007年7月に無断でドキュメンタリー撮影のためにアメリカに渡ったことが宗教指導者たちの怒りを買い、解任騒ぎとなったことがあった。
    



ナラヤン寺院
 

 
 クマリの館のすぐ左にある小さな寺院はナラヤン寺院である。
  
  



ジャゲシュワル寺院
 

 
 クマリの館の向かいにもいくつか寺院がある。その一つがジャゲシュワル寺院。白い壁の寺院で、階段には4頭の獅子が守っている。
    



マハーデヴ寺院
 


 その右隣にあるのがマハーデヴ寺院。
   
 
◆ニャタポラ寺院(Nyatapola Mandir)



ニャタポラ寺院の階段
 


 さて、トゥマディ・トールの中でひと際大きく、ひと際目を引く建物が、ニャタポラ寺院である。5層の屋根を持ち、30メートルの高さである。
   



ニャタポラ寺院からトゥマディ・トールを見下ろす
 


 ニャタポラ寺院はプパティンドラ・マッラ王の1702年の建設。1934年の大地震の際もわずかな被害で済んだという。
 ニャタポラ寺院への階段には様々な像が控えている。下から順に、戦士、象、獅子、グリフィン、女神。上にあがるに連れ、10倍ずつ力が増すのだという。この寺院の本尊は女神シッディ・ラクシュミだが、秘仏とされ、僧侶以外拝むことはできない。
 階段の上からトゥマディ・トールが一望できる。
    



ガネーシュ祠堂
 


 ニャタポラ寺院の四隅には小さなガネーシュ祠堂が4つある。
  
◆バイラブナート寺院(Bhairabnath Mandir)



ニャタポラ寺院から見下ろしたバイラブナート寺院
 


 ニャタポラ寺院の南西にあるバイラブナート寺院。現在は3層だが、17世紀に建てられた際は1層であった。その後、1717年にプパティンドラ・マッラ王が2層に改築。1934年の大地震の後、3層に改装された。
  



ビスケート・ジャットラで使用する山車の部品
 


 寺院の脇には木製の車輪やら部品が置いてある。これは、ネパールの正月であるビスケート・ジャットラの際に使用される山車の部品である。
     





ビスケート・ジャットラ祭(2007年4月13日)


僕(左から2人目)も山車引きに参加
(2008年4月12日)
 


 バイラブナート寺院の正面の扉は、両脇を獅子の像が守っている。壁に開いた小さな穴は、捧げものを入れるためのもの。
   



バイラブナート寺院正面の扉
 


 正面の台座の上に小さなバイラブ像がある。バイラブはシヴァ神の化身である。
  



バイラブ像
 


 中央の扉の上のほうにある彫刻がユニーク。雄豚の鼻が並んでいる。
   



扉の彫刻
 


 正面の入口はあくまで捧げもののためであるそうで、バイラブナート寺院の本当の入り口は、寺院のすぐ右脇のベタル寺院を抜けた先にある。
  



ベタル寺院
 


 この寺院から中に入ると小さな水場ルン・ヒティがある。
  



ルン・ヒティ
 


 そのルン・ヒティの脇にバイラブナート寺院への入口がある。
    



バイラブナート寺院入口
 

◆ティル・マハーデブ・ナラヤン寺院(Til Mahadev Narayan Mandir)



中央の扉がティル・マハーデブ・ナラヤン寺院入口
 


 トゥマディ・トールにはもう一つ重要な寺院があるのだが、一見すると見落としてしまいがちだ。というのも、広場の南側の建物の裏にあるため、なかなか気づきにくい。
  



ティル・マハーデブ・ナラヤン寺院
 


 土産物の店の間にある入口から入ると、そこにティル・マハーデブ・ナラヤン寺院がある。 ここの寺院の歴史はかなり古く、1080年にまで遡るそうだ。
  



ガルーダ像
 


 寺院の正面の柱の上にはガルーダ像が控えている。
  


チャクラ
 

シャンカ

 また、その両脇の柱にはヴィシュヌ神の武器であるチャクラとシャンカ(ほら貝)が乗っている。
  



女神バジュラヨギニ
 


 正面の扉の下には女神バジュラヨギニの彫刻が施された鉄盤がある。
  



 


 写真を撮りまくっていたら子供たちが興味深そうに寄って来たので写真を撮ってあげたら喜んでいた。
  
◆ナラシンハ寺院(Narshimha Mandir)



ナラシンハ寺院
 


 再びトゥマディ・トールの広場に戻り、南のほうへ下ると、赤いレンガ作りのナラシンハ寺院がある。
  
◆ジャガナート寺院(Jaganath Mandir)



ジャガナート寺院
 


 ナラシンハ寺院の向かいにはジャガナート寺院がある。
   
◆バグワティ寺院(Bhagwati Mandir)



この道を東へ
 


 ティル・マハーデブ・ナラヤン寺院の南の細い道を東へ向かう。5分ほど歩くと、右手にレンガ造りの壁に囲まれたバグワティ寺院がある。
  



バグワティ寺院
 


 境内にはシヴァ・リンガが安置され、どうやらシヴァ神を祀った寺院のようである。
  



バグワティ寺院
 


 バグワティ寺院の前の通りはそのままハヌマンテ川へ続いている。そちらへはまた機会を改めて行くことにしたいと思う。
 バクタプールはカトマンズやパタン同様に、探せばいくらでも見どころがある。ぜひ御自身の足で歩いて確認してもらいたいものである。
  



「Bhakutapur A guide book」
 


 ところで、バクタプールを歩くに当たっては、市内で売っている「Bhaktapur  A guide book」(英語)がかなり参考になる。「地球の歩き方」はもちろんだが、「ロンリープラネット」と比べても記事が詳細である。ただ、残念ながらこのガイドブックが出ているのはバクタプールのみ。カトマンズ版やパタン版もぜひとも出してもらいたいものだ。
    

(2008年12月17日)


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