Pfeifer Zeliska Handcannon
Pfeifer Zeliska Handcannon - フェイファー・ツェリザカ・ハンドキャノン

 人類の歴史において「史上最強」の名を謳った武器は数あれど、真に史上最強の武器と言われる物は数える程しかない。例えば侍の精神・武士道の結晶である日本刀や、一発で歴史を変える核爆弾等である。
 こと人間の情熱というものは恐ろしいもので、誰もが想像だにしない「コストを無視して安全性も無視して人間という生物が扱える限界をも無視した」武器を作ろうという、まさに狂気に満ちた思考の元に開発された武器という物も存在するのだ。
 Pfeifer Zelisska Handcannoは人類史上、最強最悪の破壊力を持つ究極の拳銃である。古今東西、ありとあらゆる拳銃・ハンドガンの頂点に立つ破壊力を有するという、まさに火器の歴史を塗り替えた名(迷)品と言えるだろう。
 ツェリザカ(ツェリスカとも言う)はオーストリアのフェイファー社によって開発された。史上最強という、まさにその言葉だけを再現する為だけに開発された拳銃で、撃ち手の安全面や拳銃の耐久性などが全て無視され、とにかく破壊力だけを追求した職人の理想の頂点に立つようなコンセプトの元に設計された。そのスペックは拳銃という代物を遥かに凌駕しており、本体重量だけで6.5kg、RPG-7ロケットランチャーとほぼ同重量という、人間が片手で保持することすら難しいという一品に仕上がっている。破壊力に至っては文字通り桁違いで、10300J、9mm拳銃弾のほぼ20倍、.357マグナム弾の13倍でありライフル弾やスラッグ弾など比較にすらならない。比喩抜きで象を一発で撃ち殺せる上、装甲車に正面からケンカを売れるという世界で唯一の「拳銃」である。
 この化け物拳銃の破壊力の秘密は「600 Nitroexpress ニトロエクスプレス」という専用弾にある。ツェリザカの為だけに開発されたマグナム弾(もはやマグナム弾というより対戦車弾だが)で、ライフル弾より巨大という代物だ。(上図のCGで銃身の上に転がっているライフル弾もどきがソレで、隣にあるのが一般的な9mm拳銃弾) フェイファー社曰く「ニトロエクスプレスを撃つには銃本体を6.5kgにして反動を抑えるしかなった」らしいが、事実上、人間が立った状態での射撃は不可能であり、狙撃用ライフルのようにバイポッドやマットの上に固定しないと撃てない。この時点でもはや拳銃とは呼べない気がするので、当ホームページでは敬意をこめて「Handcannon ハンドキャノン - 携帯砲」の名を進呈しようと思う。
 ツェリザカは完全ハンドメイド製なので、一挺辺りの価格が100万円を軽く越えており、相場は200万円から500万と言われている。本国オーストリアでさえ大金を積まないと入手できないという超レア品なのだ。M500が「人間に撃てる限界の性能を持つ量産品」なら、ツェリザカは「人間に撃てる限界を超えた最終兵器」なのである。真に天才と狂人は紙一重という言葉を体現させてくれる代物であろう。