Sword of the Auguste
Sword of the Augustet - ソードオブザオウギュスト
尊厳王フィリップ二世の剣

 この剣は獅子心王リチャード一世Lion heartで少し述べた「フィリップ二世」にリチャード一世が贈った(とされる)剣である。
 英国王リチャード一世と仏王フィリップ二世は青年時代を共に戦場で過ごした。固い友情を育んだ彼等は、どちらかが苦難に陥った時は友のために尽力するという誓いを立て、共に戦場を駆けたのである。
 リチャードは友情の印として莫大な戦費と数多の財宝をフィリップに捧げたという。その中にはリチャードが愛用していた剣も含まれていた。左図の剣はそれをBohemian流にアレンジしたものである。
 この後、リチャードとフィリップは共に第三次十字軍に従軍する。
 獅子心王リチャード一世、尊厳王フィリップ二世、ローマ教皇バルバロッサからなる第三次十字軍は十字軍至上最大の激戦となり、戦火は地中海にまで拡大した。この第三次十字軍では幾つもの物語と悲劇が生まれることになる。
 その後のリチャードとフィリップはというと……。
 十字軍の戦いが激化するにつれ、好戦的な性格のリチャードと穏やかな性格のフィリップは対立するようになった。
 そして幾度目かの衝突の後、フィリップはリチャードと袂を分かつ決心を固める。十字軍よりも自国の繁栄を選んだのである。十字軍遠征の半ばでフィリップは自国へと戻り、以後、生きてリチャードと会うことは無かった。
 王の帰還と共にフランスは大繁栄の時代を迎える事になる。国民達は戦争ではなく自国の繁栄を選んだフィリップのことを「尊厳王」と呼び、その治世を称えたという。