失敗山日記 U−3
 10凍傷寸前? in 黒倉山  (岩手山系,971012
by 山へ行っちゃあいけない男(登山不適格者?)
ジャンプ ( その2
 
その1

 岩手山の頂上ではなく、火口原を目指しての登山です。火口原の紅葉を期待してのものです。
 リフトで犬倉山肩まで行き、まず黒倉山を目指します。途中黒倉・姥倉山間の鞍部で昼食をとるうちに、雪が降り出し、尾根がうっすらと白くなってきました。

 黒倉山頂に着いても、初雪が弱まる気配はありません。視界も悪くなりました。せめて火口原が見える所まで進みたいのですが、すぐ先から足場の悪いやせ尾根になっています。初めての岩手山でもあり、ここで戻ったほうがよさそうです。
 絶壁の下方から聞こえるゴーンという大きな音も不気味です。以前犬倉山頂で鬼ヶ城方面からゴーンという断続した大音を聞いたことがありますが、岩手山では珍しくないことなのでしょうか。

 尾根の道が雪で消える前に戻ることにしました。広い尾根なので、道を失わないように、少し気を引き締めて戻ります。幸い尾根からの降り口もすぐに見つかりました。
 そうなると、あとはしっかりした登山道をただ帰るだけ。早くも笹に雪が積もり真っ白な中に、ナナカマドの真っ赤な実が映えますが、歩くにつれ、退屈にもなってきました。

 そんな時、往きにぬかるみで派手に転び、泥だらけになっていたレインウェアが目につきました。そこで暇つぶしにと、笹の葉の雪をつかんでは雨具にこすりつけ、泥を落としつつ歩きつづけました。
 そんな暇つぶしを始めたのが失敗の始まり。雨具の泥がおおかた落ちた頃には、革手袋が水でグッショリになり、手も濡れていました。この時予備の乾いた手袋に替えればよいものを、リュックを下ろして中から出すのが面倒で、濡れたままの手袋でいたのが失敗の2つ目。

 リフト乗り場まで10分程度の、見晴らしのいい吹きっさらしの所に来たときには、雪が弱くなっていました。そこでビデオカメラを取り出し、初雪に埋もれていく何とも美しい景色を写し始めました。
 ところが寒さでバッテリーが上がりやすく、交換しても数秒でスイッチが切れてしまいます。とはいえ、しばらく待てば少し復旧し、数秒間は写せるのです。
 そこで待っては写し、待っては写しを繰り返すうちに、30分以上経ってしまいました。吹きっさらしの場所でこんなことを続けたのが3つ目の失敗。

 
*連載の読み物のように、1日1ページずつ読んでいただくのが私の希望です。
 
          
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