03年8月20日 対ナイジェリア戦 国立競技場 3−0で勝利
ぬるい試合でした。

 今日は浦和サポのNaさんとジュビロサポのNiさんと待ち合わせ。外苑前の「To the Herbs」で夕食を食べてから行くことになっていた。店の中では若い女性のグループ、会社帰りと思われるグループなど、楽しそうに食事をしていた。驚いたことに6時前くらいになったら、その人たち皆が青い代表ユニに着替え始めた。でも私たちも、チケットホールダーを掛けてレジに行くと、「お客様たちもサッカーなんですか!」と店の人に驚かれてしまった。

 着いた時には試合前のウォーミングアップも始まっていた。席はバックS、ホーム寄り1階前部席で、コーナーのすぐ上、とても見やすい席だ。
今日は暑くもなく、寒くもなく、観戦にはちょうど良い天候だ。友人達は日韓戦、レアル戦、Jリーグ前節、と雨にたたられていた。

 メンバー発表。ナイジェリアの選手は知らない人ばかりだ。メンバーもまともにそろわなかったという。

  ウルトラズのビッグフラッグ 選手入場・整列


 ジュビロサポのYさんが会社から駆けつける。試合開始には間に合った。
キックオフ。試合はすぐに動く。サントスからのセンタリング、FW、トラップが大きいと思ったが、鋭い振りでゴール右上に突き刺した。周りはみな立ち上がる。誰?誰が入れた?「高原だ、高原!」。アウェイ側のゴールなのでよくわからなかったのだ。「そうだよね、ユニフォーム脱ぐのは高原だよね」「でもあれ、違反じゃない?」

 開始早々のゴールでサポーターは活気づく。しかしナイジェリアの攻勢が始まる。DF少々危なっかしい。「おーい坪井っ何やってるっ」と怒声が飛ぶと、Naさん「ごめんなさいね。皆さん」と詫びている。でもカウンターを食らいそうになった時、坪井はナイジェリアの選手を追い越して、ボールを奪った。足の速さはさすが。

 20分位のナイジェリア時間が過ぎるとまた、日本ペースだ。俊輔は右にいた時ほとんどボールに触らなかったがいつの間にか左に来ている。中田が右に。中盤のボールはほとんど日本のもの。遠藤がとてもよい動きだ(マークがついていないせいもあるとは思う)。

 30分を過ぎて、中村から中田、そして戻されたボールを中村がセンタリング。高原の頭にピタリと合って2点目。素晴らしいヘディング。でもゴール前、あんなにフリーになってしまうのはナイジェリアのDF、ひどいんじゃないか。

 ゴール裏のサポーター

 前半終わりの方、ナイジェリアの選手が痛んで、ピッチの外に。担架も来たが、ほどなく帰ってしまう。選手は結局歩けない。担架も来ず、交代もなかなかない。ナイジェリアは10人で戦っていた。何か変。前半2−0で終了。

 後半も日本のペース。何度も得点のチャンスがあった。遠藤のふかしてしまったシュート、キーパー真正面の柳沢のシュート、俊輔とサントスのワンツー、宮本のヘッド、等々。

 後半すぐのシーン、俊輔がゴール前で倒され審判にアピールしている間に中田が中央に切れ込んできた。「邪魔!」とYさんが叫ぶ。私は「ごめんなさい」とつぶやいてしまう。

 ナイジェリアはオフサイドトラップに何度も引っかかっていた。攻めの形がないし、守りも来たボールにただ対応しているだけだ。

 稲本がボールを持つ。柳沢がダッシュを開始、するとその横から、遠藤が猛烈な勢いで走ってきた。その遠藤の前に稲本からのボール。遠藤の見事なシュートが決まった。ナイジェリアの選手達はオフサイドではないか、と激しく抗議。ぎりぎりセーフだったと思う。そのあとも日本はナイジェリアを圧倒して3−0で快勝した。しかし、GKのハンドが見逃されるなど、何か変という感じはずっとぬぐえなかった。

 表彰式の後、選手はあっという間に引き上げてしまった。ゴール裏からはブーイング。アウェイ側では何か投げ込まれたようにも見えた。すぐに欧州に帰らねばならない選手も多いから致し方なしと言うところか。
コーナーキックに来る俊輔

 俊輔はパスが合わなかったり、ドリブルが止められたり、納得のいかないプレーがあったようだが、看板に思い切りボールを蹴りつけたのにはびっくりした。柳沢は相変わらず柳沢だった。坪井はパラグアイ戦の時は安全プレーだったが、前線にボールを送ったり積極的だったのには感心した。宮本もサントスも破綻なかったし、みなまずまずだった。もっともあの相手では当たり前といえる。遠藤は確かに目立っていた。

 試合の最中、選手どおしで話しているシーンが幾つかあった。中田が大久保に何か言った後は大久保が中央に戻り、中田が右に張っていた。中村と柳沢、中田と中村も話していた。チームが熟成していく過程なのだなと思った。

 しかし、この試合ではもっと他の選手を試してみたらよかったのではないだろうか。観客席でもそういう声がかなりあった。「大久保でなく、久保を見たかった」と言っている人もいたし、中には「大久保もそろそろメッキがはげてきたな」という辛らつな意見もあった。

 監督に何か考えがあって、このような選手起用しているのなら心配しないのだが、そう思えないから困る。

 試合終了前に席を立つ人も多かった。日本代表戦、という高揚感や緊張感のない試合だった。ぬるい試合だった、としかいいようがない。

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