絵物語の付録1
むかし、雑誌が来ると(毎月取ってもらっていました)、ふろくから読みはじめたものです。その
くせで、文庫本などは、解説を先に読んでから本編にかかっていました。解説しか読んでいない本も多いです(知的
堕落!)。コンピュータのフリーウェアなども、おまけのフォルダが添付されていると、まずそっちから開けたくなり
ます。
おまけのほうが面白かったりするのです。
少年雑誌の付録はマンガが大部分ですが、絵物語が付録でついて来た時代もあるのです。だいたいマンガのほうが面
白かったので、あまり印象に残っていないのですが、読みではありましたね。
てもとにある絵物語の付録を御紹介します。
まず「海底王国」尺丈助作・深尾徹哉絵です。小松崎茂の「海底王国」ではありません。
これは手帳くらいの大きさの、豆本でして、全くのおまけという感じでした。
尺丈助というのは、いかにも変名くさい名前ですが、正体は何者でしょう。SF作家とか、大学の先生とかが、
アルバイトで、絵物語の原作をかいていたのでしょう。その人が出世すると、尺丈助はだれだったと、公表される
のでしょうが、出世しなかったのかもしれません。
独裁者ヒットナー(ママ)が生きていて、海底に要塞を建設して、再び世界征服を企んでいる、という筋です。
この前の戦争で日本はそんなに悪いことはしていない。ナチスのほうがずっと悪かった。今度は日本人は、
ヒットナーをやっつける方にまわります。というような虫のいい考えの物語。子供の漫画や絵物語をみると
その時代の大人の考えがもろに反映されています。