山川惣治と絵物語の世界page1427  picture

 

14.山川惣治のライバルたち 大城のぼる

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山川惣治のライバルたちの系譜を戦前からの漫画家で、戦後、傑作マンガ「孝女・白菊」を書いた 大城のぼるで閉じることにしましょう。

大城のぼるは戦前、科学漫画「火星探検」を書き、松本零二は影響を受けたと言っています。

昭和30年、大城のぼるはおもしろブックに吉川英治原作の絵物語「神州天馬峡」を連載しました。 上の絵はその一場面です。

私自身は子供のころ、絵物語「神州天馬峡」がそれほど好きではありませんでした。しかし印象には残っています。 今見ると、日本画の修練を積んでから書いたようで、上手な絵と思います。ただ、渋すぎて、子供に受ける キャラクターではなかったように思います。絵物語「神州天馬峡」は大長篇という形容詞がついていたのに あまり続きませんでした。編集部が力をいれた割には人気が出なかったのでしょう。

下段左のコマの法師忍剣の顔の輪郭の整い具合、その表情の謎めいたところは大したものだと思います。これで 武田伊那丸のキャラクターがもっと美少年だったら、ヒットしたのではないでしょうか。

戦前にりっぱな作品を書いた漫画家が絵物語を書いたのですから、このころの絵物語の勢いがわかるという ものでしょう。


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