14.山川惣治のライバルたち 古賀亜十夫2
古賀亜十夫は読売新聞昭和30年9月12日から12月29日まで連載された江戸川乱歩作の絵物語
「探偵少年」の絵を担当しています。立派な絵物語作家です。(少年探偵団読本 「黄金髑髏の会」著 情報センター
出版局 1994年刊による)
私はこの連載を読んだことがありますが、古賀亜十夫が絵を描いていたことはわすれていました。
古賀亜十夫の描く子供の顔はたいへん愛らしい。しかし「青銅の魔人」の山川惣治のように怪物を描くことは得手で
なかったように思います。また「少年探偵団」の挿し絵を描いた梁川剛一のように怪しい表情の人物を描くことも
得意ではなかったでしょう。しかしかえって魔法博士との智恵比べのような、明るさが出たと思います。
「探偵少年」を先に読んだので、「13号独房の問題」を、乱歩が選んだ世界推理短編のアンソロジーの中の1作品と
して読んだときには、なつかしく読めました。