山川惣治と絵物語の世界page1424  

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14.山川惣治のライバルたち 鈴木御水

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南洋一郎の「バルーバと片目の黄金獅子」の挿し絵。錦蛇の質感がすごい。

終戦直後に出版された本はざらざらの仙花紙で、戦前にもっと立派な本があり、その焼き直しかと思っていました。 しかし「バルーバ・シリーズ」は、戦後はじめて出版されたものらしいです。たいへん粗末な造本でしか、出版され なかったもののようです。挿し絵の部分のみ質のよい紙を使っていました。

バルーバこそは和製ターザンであり、ターザン映画が次々に公開されているころ、書かれたようです。「少年王者」 が子供のためのターザン物語であったのに対し、バルーバは大人向けの読み物でした。

バルーバの雄叫びは、ばるうーばあああ、というのであって、それは類人猿のことばで、偉いやつだという意味だ そうです。(英語のbraveに発音が似ています。)私はこの本を読むとき、心の中でばるうーばあああ、と叫び ながら読んでいました。なかなか良い響きと思います。

上の絵でたき火の燃えさしを持って走ってくる女の人は、グレースといい、ターザンのジェーンにあたる人物です。

別冊太陽「新世紀少年密林大画報」で鈴木御水の絵が多数紹介されています。横尾忠則は鈴木御水の密林画のファン だそうです。


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