絵物語に似顔絵を書き始めたのは山川惣治である
山川惣治の作品を図書館で読んでいくと、昭和24年の江戸川乱歩「青銅の魔人」の挿し絵に、俳優
波島進の顔をみつけました。明智小五郎の顔をかくのに、当時の二枚目俳優の顔を無断拝借したらしいのです。
結局、すべての種まきは創始者がやっていたのです。6年後に、東映時代劇の絶頂期にあわせて、人気俳優の顔そっくり
の人物の登場する絵物語が続出しましたが、その作者たちは巨匠・山川が半ばお遊びでしたことを、極端に押し進めて、
一派を作ったのです。
山川惣治の絵物語にでてくる、「見たような顔」。