14.山川惣治のライバルたち 宮尾しげを
宮尾しげを「一休さん」。
宮尾しげをは、戦前「団子串助慢遊記」を書いた漫画家です。本田庄太郎もそうですが、どうも講談社の絵本は、
ふだん漫画を書くひとが、まじめな挿絵を書いた場合に傑作になることが多いようです。
宮尾しげをの絵では一休さんの目はたどんのように真っ黒な丸を二つ書いてあるだけです。これはまんがですね。
手の指の形などは浮世絵の技法に乗っ取って書かれているように思います。一休さんは室町時代の人ですから、それより
以前の時代の書き方で書いているのかもしれません。
殿様が肩をいからせているように描いてあるのも、江戸時代の芝居絵などでみたことのある書き方のように思います。
子供が、浮世絵の書き方を真似して、ふざけて描いたようで、稚気あふれる絵ではないでしょうか。