14.山川惣治のライバルたち 椛島勝一
講談社の絵本「世界の動物」。
椛島勝一は山川惣治の先輩です。「正チャンノバウケン」の作者です。山川惣治の絵も素晴らしいが、椛島勝一もものすごく
上手です。この先輩があったからこそ、山川惣治や小松崎茂が生まれたのでしょう。
椛島勝一はペン画も彩色画も一流です。動物もさることながら、木や水が写真同様の迫真力をもっています。チェコの
ズデネック・ブリアンの絵も前世紀の植物の本物らしさがすごかったが、それに匹敵します。
椛島の後輩の山川惣治はペン画は一流でしたが、彩色画はそれほどでも無かった。一生懸命練習していたようです。逆に梁川
剛一は油絵はたいしたものでしたが、ペン画はそれほどでも無かった。先生のすぐれたところの一部を継承したのかもしれま
せん。ロダンの弟子のブールデルとマイヨールが師のちがった面を継承したように。
椛島勝一は戦後はあまり活躍したようではありません。こんなに上手なのに....。子供のための挿し絵やマンガの世界の
目まぐるしい変化には残酷なところがあります。、手塚治虫でさえ、時代におくれまいと、若いスタッフの意見を聞いて一喜一憂
していたくらいですから。