14.山川惣治のライバルたち 伊藤幾久造
左の絵は久米元一・文による絵物語「少年源為朝」。描くは伊藤幾久造。
伊藤幾久造は時代読み物の挿し絵も書いていました。私は絵物語「少年太閤記」「少年源為朝」で
お馴染みです。講談社の絵本「リビングストン・アフリカ探検」もかいています。
伊藤幾久造は人物の鼻が丸いのですぐわかります。分かりやすい絵で親しみが持てました。ただ模写
しょうとは思いません。スマートな絵ではありませんから。
この絵をみると、なかなかのものです。船のかたむきかた、船の回りの波の白さ、海のひろさ、中天
高くあがった凧の雄大さ、遠くにみえる陸、そして夕暮れか朝焼けか、空の一部が明るくなったさまなど、
魅力的な絵と思います。
右上の絵は南洋一郎「魔神島」の挿し絵。「冒険の島」のスチュアート・トレシリアンの挿し絵に似て
います(絵物語を求めての項参照)。