13-19 ジャングル物語の系譜19 さんご島(1858年)
M.グリーン著「ロビンソン・クルーソー物語」によると、スチーブンソン「宝島」の中で、
ジム・ホーキンスが、たったひとりでヒスパニオーラ号を操船して、海賊たちの知らぬ場所に隠してしまうのは、
バランタイン作「さんご島」で、主人公ラルフがひとりで船を操縦する場面のパクりだそうです。
「宝島」が「さんご島」の影響をうけているとすると、ジム・ホーキンスが母親をあまり恋しくおもわないのも
うなずけます。ボーイスカウトは母親をあまり恋しく思ってはいけません。
「さんご島」は三人の少年が無人島で生活するというお話で、なんとなくボーイスカウトの話のような感じがします。
「二カ年の休暇」同様、少年たちだけで、無人島に漂着したのに、故郷に帰れないかもしれない、といった悲愴感は
あまりありません。キャンプに来たような感じで生活しています。