13-20 ジャングル物語の系譜20 荒野の呼び声(1903年)
ジャック・ロンドンの「荒野の呼び声」と「白い牙」はよく似たお話で、私の記憶の中では、全く
一緒になっています。いっしょくたのまま書きます。
たしか「荒野の呼び声」のほうが、そり引き犬バックのお話で、「白い牙」のほうは、狼の血を引いた犬のお話だった
ように思います。
ジャック・ロンドンの話は、色事もなく、纏綿たる情緒もなく、イデオロギーもなく、ひたすらサバイバルだけです。
(友情はあったかも。)あらあらしく、力強い物語だったと思います。
ジャック・ロンドンの蔵書票は狼の顔を正面から書いたものですが、それは、シートンの「ロボー」の挿し絵と
そっくりだったと思います。(かっこいい!)「荒野の呼び声」は「ロボー」のあとですから、「ロボー」の影響下に
書かれたと思います。ジャック・ロンドンの蔵書票はシートンの「ロボー」の挿し絵から戴いたものと思います。
ジャック・ロンドンには、貧民窟でのルポがあり、私はこちらも好きです。(ジョージ・オーウェルの「パリ・ロンドン
放浪記」とごっちゃになっているかもしれません。オーウェルも好きですが、貧民窟潜入ルポは、ジャック・ロンドンの
ほうがおもしろかったような記憶があります。)