13-13 ジャングル物語の系譜13 キング・コング(1934年)
山川惣治の絵物語は映画「キング・コング」の影響下にうまれました。山川惣治だけでなく、同じ
時代の小説家、漫画家の中には、「キング・コング」の影響を受けた人が多くいたと思います。
「キング・コング」と山川作品の類似点。
1.「少年王者」でブロントサウルスが凶暴な怪物になっている。これは「キング・コング」で、ブロントサウルスが
探検隊のいかだをひっくりかえしたり、木に登った隊員を襲ったりしているののまね。
2.「少年ケニヤ」でティラノサウルス(白亜期)、トリケラトプス(白亜期)、ブロントサウルス(ジュラ紀)、
ステゴサウルス(ジュラ紀)、ケラトサウルス(ジュラ紀)、ディメトロドン(二畳期)など、異なった時代のは虫類
が、ごっちゃに出てくる。「キング・コング」でも、ティラノサウルスとステゴサウルスが一緒に出てくる。
3.「少年ケニヤ」でティラノサウルスがケートを気に入って人形のように握りしめている。(映画「キング・コング」
なしに、そんなことを書いたら、不自然だと言われるでしょう。これが「キング・コング」を見たことのある読者なら、
パロディと思って、喜んで読んでくれます。)
4.「少年ケニヤ」でケートをさらったプテラノドンを、ティラノサウルスがやっつけてしまう。キング・コングも
美女(誰でしたっけ)をさらおうとしたプテラノドンをやっつける。
5.「少年ケニヤ」でティラノサウルスが死んだケラトサウルスの首がのけぞることで死んだことを確認する。キング
・コングも、ティラノサウルスの首がグラグラになったのを子供のよう確認する。
6.「少年ケニヤ」のポラ族の部落の大きな門は、「キング・コング」の土人部落の門そっくりである。