13-10 ジャングル物語の系譜10 ソロモンの洞窟(1884)
ヘンリー・ライダー・ハガード作「ソロモンの洞窟」の創元文庫版を昔持っていました。古本屋に
売ってしまって今はありません。記憶に従って書きます。
アフリカの奥地へ探検隊がおもむくのですが、このとき、ひとりのアフリカ人が、道案内をします。このガイドの
正体が、目的地についてからわかりますが、これが、まずよくできたエピソードです。
なにせ、妖婆ガゴール以来、原住民の中でいちばん悪いのは、部落のまじない師というパターンが確立しました。
「少年王者」のウーラも豹の老婆も、「少年ケニヤ」のグレやヒカもみなまじない師です。
最後に宝のある洞窟は、非常に危険だったと思います。どうやって、その危険をさけて宝を手にいれることができるか
が、最後の興味となっていました。
ヘンリー・ミラーの「わが読書」を昔よみましたが、彼は「洞窟の女王」が大好きだったようです。
つぎに「ソロモンの洞窟」の悪役は妖婆ガゴールという呪術師です。西洋の魔法使いのお婆さんの発想と思うのですが。
実際は、アフリカ人の社会でまじない師は、男が多いと思います。
私の覚えているのは残念ながらここまでです。
ハガードには、この他に「洞窟の女王」という作品もあり、こちらは、永遠の生命を持つ女王が出てきます。