生涯学習講座記録(H21年)

                                                         
     お断り:この記録は、当日のメモと配布資料及びインタ−ネットによる検索を基にまとめていますが、メモの記述の間違い
          や調査不足等により不正確又は間違いを含んでいる可能性があります。そこで関係各位にご迷惑とならない様
          に注意してまとめた積りですが、記述に不都合がある場合はお許しください。
                                        
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             下の一覧表のタイトルをクリックすると、詳細が表示されます
平成21年度 山梨大学(読売新聞社)生涯学習講座一覧表
1 遺伝子について 人遺伝子(人ゲノム)の解明、ES細胞とiPS細胞
2 生命の誕生 不妊症治療、不妊治療の問題点
3 生活支援ロボット 少子高齢化社会への取り組み、ロボット工学3原則
4 命を支える食育と健康 糖尿病の現状、PFCの摂取量
5 いのちと水そして生活 世界の5歳未満児の死亡者数と、仮想水について
6 健康つくりと運動 健康寿命、メタボリックドミノ、認知症の予防
7 生活に役立つ微生物 微生物とは、生活に関わる微生物
8 子供が考える心と命 認知心理学、子供が抱く素朴概念
9 いのちのある造形 キネティシズムについて、動く造形など
10 脳科学が拓く可能性 アンチエイジング医学、認知症予防

平成21年度 山梨学院大学生涯学習講座(山梨における地方自治と分権の今後)
1 山梨における地域コミュニティーの現状 地域コミュニティ-の行き詰まり、自治会組織の崩壊j
2 「僻地」を生き抜く町の戦略 早川町長の話
3 ローカルガバナンスからの視点で考える 国政(ガバメント)と地方自治(ガバナンス)など
4 山梨の国土整備 一級河川と二級河川、山梨の水系と森林など
5 山梨のインフラ整備 道路整備状況、山梨の都市公園など
6 県内の行政改革の課題と展望 山梨の「NPM」や「PFI」の現状と今後の課題
7 平成の大合弁の成果と今後の改革 平成の大合併の背景と成果と問題点

平成21年度 山梨学院大学生涯学習講座甲斐の国人物伝
1 井伏鱒二の甲州滞在 山梨が気に入り(飯田蛇笏と親交)長期滞在をした
2 変革期におけるリーダー 近藤喜則と藤村紫朗の活躍
3 甲斐の国の渡来人 朝鮮から4回に渡り帰化人が農耕文化と鉄器をもたらした
4 根津嘉一郎と言う人 甲州財閥の一人で、明治の世に山梨に君臨した
5 甲斐源氏の発祥を振り返る 新羅三郎義光(甲斐源氏の祖)の孫(武田信義)により武田家が始まる
6 武田信玄論 信玄と言う人物、信玄が残したものなど
7 太宰治と山梨 生い立ち、山梨での生活、晩年

平成20年度生涯学習講座(平成21年2月〜3月)
1 生甲斐の持てるライフスタイル 臼倉登貴雄氏講演、ゆとりあるライフスタイルなど
2 人間の体温・地球の体温(山梨大学) 変温動物と恒温動物、なぜ恒温かなど
3 脳卒中(山梨県医師会) 脳卒中とは、その死亡率
4 健康寿命を延ばす環境(山梨大学) 健康寿命とは、長生きするための要件
5 燃料電池セミナー(県立工業技術センンター) 燃料電池の特性、水素ステーション、特許関係など



       平成21年度
いのちの輝きに想いを寄せて[山梨大学(読売新聞社)で開催される講座を中心にまとめています]

10.

脳科学が拓く可能性
(アンチエイジングと心の輝き)
アンチエイジング医学
(抗加齢医学)

1)アンチエイジング医学とは、
 元気で長寿を享受する事を目指す理論的・実践的医学で、元気とは
 「病気の排除」ではなく、例え病気であっても当人が健康感を持ち、
 人間としての存在の喜びを持って日々の生活が続けられる生き方
                                (日野原重明先生)

2)平成22年2月時点での高齢者人口         単位:万人
項 目 合計
総 人 口 6,208 6,538 12,743
65才以上 1,246
(20.1%)
1,669
(25.5%)
2,915
(22.9%)
75才以上 527
(8.5%)
862
(13.2%)
1,389
(10.9%)
      2025年(15年後)の65才以上:28%、75才以上:16%
      高齢者人口:10%到達は1985年、20%到達は2005年
 高齢者に多い
   精神症状
高齢者に多い精神症状

(1)認知症(痴呆症:2004年12月以降認知症に変更)
(2)意識障害(特にせん妄:意識混濁に加えて幻覚や錯覚が見られること
(3)睡眠障害
(4)うつ状態
(5)妄想状態
(6)心気状態(過去の自分の病気が心配になること)

 認知症とは
  一端正常に発達した知的機能(記憶力、判断力など)が、日常生活
 上の活動を損なうほどに低下している状態を言う(Dementia)

 又、正常老化から認知症に移行する途中の段階で軽度認知障害
 (MCI)の過程が有る(日常生活機能は、自立あるいは軽度障害)

 MCI有病率は高齢者の5〜20%、MCIから認知症への年間移行率は
  10〜15%  MCI:Mild Cognitive Impairment

 全世界の認知症患者の総数(推計)
  2001年(2,430万人)→2020年(4,230万人)→2040年(8,110万人)と、
  20年で倍増している
アルツハイマ−病
1)我が国の認知症原因疾患の60%がアルツハイマ−病

2)全世界のアルツハイマ−病患者総数(推計)
  2010年(3,560万人)→2030年(6,570万人)→2050年(11,540万人)と
  認知症患者同様20年で倍増している

3)此の病気は下記の通り老人斑(アミロイドβ蛋白)と呼ぶ脳にシミ状
  の組織が出来ることが原因とされている

4)アロイス・アルツハイマ−博士の研究により原因を特定出来た
認知症予防の疫学的知見と病態仮説との関連性 1)アミロイド仮説(アルツハイマ−病の最も有力な説)
 脳にアミロイドβ蛋白と呼ぶシミ状の物質が出来それが増殖する

2)認知予備脳仮説(認知予備脳:頭を大いに使い脳を活性化させる)
 認知機能テストの点数が高い人ほど認知症発症の進行が遅くなる

3)酸化ストレス仮説
 生体内の酸化と抗酸化の平衡の恒常性が崩れて、酸化に傾くこと
 によって生じる生体への影響で、呼吸により取り込まれた酸素の
 数%は反応性の高い活性酸素種に変換され、生体内の核酸、
 蛋白質、脂質などを傷害することを言う

4)神経ホルミシス仮説
 神経細胞あるいは神経系が適度の強さのストレスに対応する事で、
 本来は神経細胞や神経系にとって極めて危険となることが、適度の
 ストレス(微量)により逆に抵抗力が増強される事を言う
 
  ホルミシスとは
 生物に対して通常有害な作用を示すものが、微量で有れば逆に良い
 作用を示す生理的刺激作用を言う

1)〜4)を対応(予防)する有効な手段
 @カロリ−制限:通常のカロリ−の30〜40%をカット(見極め要)
            但し、必要な栄養素は摂取要
 A体重の軽減化(生活習慣を改善する)
 B適度な運動
 C認知刺激のある活動
 Dレジャ−活動
 Eファイトケミカルの摂取(赤葡萄酒、緑茶、ニンニク、ブロッコリ−
  ビタミンCとE、DHAなど)
脳を健やか
に保つ10ヶ条

1)脳を健やかに保つ10
1. 頭を第一に 健康は脳から始まる。脳は身体の中で最も重要な
臓器のひとつなので、脳を大切にしよう
2. 脳の健康は心臓から 生活習慣病に気を付けて、心臓に良いことを毎日
続ける
3. 測定値を大切にする 体重、血圧、コレステロ−ル、中性脂肪、血糖値を
望ましい範囲に保つ
4. 脳に良い栄養を与える 脂肪が少なく、抗酸化物質を含む食品を摂る
5. 身体を良く動かす 運動により身体を良く動かす
6. 心に適度な刺激を与える 脳を良く働かせることにより、脳の活力が増加し、
脳の予備脳が高まる
7. 対人関係を良くする 余暇活動に積極的に参加する
8. 頭の怪我に注意 普段の生活の中で例えば転倒による脳の障害などから頭を護る事が大切
9. 習慣を見直す 不健康な習慣を改善し、過度の喫煙や飲酒などに
気を付ける
10. 将来の為に今日から 今日出来る事は今日から実行する

2)高齢者の心が輝くために本当に必要なもの

    @ 元気で長生きすること(健康長寿)

    A 脳の老化を出来るだけ予防すること

3)脳のアンチエイジングと心の輝き

  脳の科学的アンチエイジング理論に基ずく生活習慣の改善により
    認知症の危険度を低下させることが期待される

  認知症などの脳の疾患を病む高齢者の社会受容(社会の理解と
   受け入れ)は、すべての高齢者の心が輝く社会の実現に向けて
    重要なステップである
 
9.
”いのち”ある造形
「動く作品」の
見方・とらえ方
キネティシズムと
キネティックア−ト

1)キネティシズムとは
・絵画や彫刻など固定化された形状や組成のみで説明するのではなく
 全ての事物は「動く」と考えて、その力動性(動きの存在)に着目して
 記述する考え方

2)キネティックア−トとは
・キネティシズムを基本に、20世紀以降の社会や世界観の変化から
 誕生した動く造形をキネティックア−トと言う(生き生きとした魂のある造形)
動く造形が19世紀迄
認められない理由

(動かない造形
芸術の本質)
1)19世紀までの美術の中で、自ら変化して行くものを芸術作品として
 見出すことは難しい(いずれも動きのない作品がすべて)

2)その理由は、絶え間なく変化して行く現実社会を、自らが理想とする
 姿・形で永遠に手許に留める事が造形芸術の起源であり目的とされ
 そこに固定された姿・形から例えば「愛」のような抒情性や精神性を
 読み取ることが出来る表現が重要と考えられていた
造形芸術に対する
認識の変化
1)産業革命により此れ迄の世界観や社会通念が大きく変わった。
  (大型機械、蒸気機関車、蒸気船などのダイナミックな動き)
2)速く動く物や姿・形に力動性を見出すに及んで造形芸術は大きく
  変化した
3)更に機械技術や制御技術の進歩により、経過を記録・再生する
  事が可能になり動く映像(映画やテレビなど)が発展した
美術における
新しい価値観
1)動き・光・音等からなる作品の登場により新たな芸術的価値観の
  拡張が生まれた
2)こうした新しい価値観によりキネティックア−ト(動く造形)の分類
  が多方面に広がって行った
私なりのまとめ
1)20世紀以降、其れ迄の絵画・彫刻・書画などの静止芸術の存在
  とは別に、その分野から飛び出して動きのある作品が世の中の
  価値観を拡大していった
2)生き生きとした動きのある作品には命の存在が感じられる
3)技術・哲学・芸術が組合わされて「”いのち”ある造形」社会が
  急速に広がっている

8.
     
子どもが考える
 心と命

 (風に心と命を
 見出す知的活動)
認知心理学とは
なぜ、我々は亡くなった人が何処かにいると感じ、亡くなった人との想い出はいつまでも忘れないのか、これらの問題について「認知心理学」を通して考察する


1.認知心理学とは

1-1.思考・記憶・知覚(外部の情報)など、人間の認知活動の情報処理
   のメカニズムを解明しようとする研究
1-2.情報処理の観点から心理事象を探る考え方(方法論)で、
   認知心理学的な臨床心理学や認知心理学的な社会心理学など
 例えば
 偏った認知(赤面は恥ずかしいこと)→感情(人前に出るのが憂欝)
 →行動(人前に出られない)が悪循環すると言うモデルにおいて、

 認知を修正することにより、適切な認知(赤面は恥ずかしくはない)
 →感情(人前で赤面になっても平気だ)→行動(人前に出られる)
素朴概念 1.認知心理学の対象としての素朴概念
 日常経験から自身で作り獲得した現在の科学では不適切な知識の事
2.子どもの多様な素朴概念
 ・小売値≧仕入値:100円で仕入れた物を120円で売るのはずるい(利益に対する
                概念が無い)

 ・物は固有の熱を持つ:毛布に包まると温かいから氷を毛布に包むと早く溶ける

3.大人の素朴概念
 映画館での「学割」制度は何故あるか→学生は貧乏だから。ではなく正解は安くして
 需要を増やし、同時に将来の客層を確保するのが目的


 素朴概念の特長と
 生命に関する素朴概念
1.素朴概念の特長は、現在の科学と一致しないが、一定の妥当性を
 持ち実感による確証度は高い
2.更に、能動的な知的活動の産物で、広範な問題解決に適用される
 (自分で作った知識は応用が利く:振り込めサギが良い事例)

3.生命に関するものでは、生命概念の発達の中で以下が有る
 3.1)人に有用な物は生きている(太陽は我々を照らしてくれるから生きている)
 3.2)自発性に関わりなく運動するものは生きている(風・川・雲など)
 3.3)自発的に運動している物だけが生きている(自動車など)
 3.4)動物だけでなく、植物も生きている
何故、大切な人の想い出は記憶に残るのか

-感情と記憶の関係-
1.亡くなった大切な人との想い出は、自分の人生を方向づける出来事
 であり、何度も参照されるので、そのため何度も思い出されその意味
 づけが行われる。そして、その意味と共に再度記憶されるので、何時
 までも忘れない(忘れる事はない)

2.大切な人との大事な体験は、忘れてしまうと自分を危機にさらす。
 そこで、忘れないでいようと心掛けるが、其れが供養である。
 「千の風になって」
 の合理性
1.何故、我々は亡くなった人が何処かにいると感じるのか(?)
 ・いないことへの実感が無く、人間の能動的な認知の産物として、
  実在論的な思考や、アニミズム的な思考が働くから
 (アニミズム:物事には霊魂が存在し、全ての事象はその働きによるとする考え方)

2.何故、亡くなった人との想い出は何時までも忘れないのか(忘れようとしないのか)
 ・其の人の人生にとって意味が有る記憶であり、しばしば参照される為に忘れ難い。
 ・忘れてしまう事自体が自分自身を危機にさらす。

 「千の風になって」の歌詞には此の上記の2つの意味するものより
  極めて合理性が有る。

7.
      
  生活に役立つ
  微生物
微生物とは
@ 肉眼では見えない生物(大きさ:数十ミクロン以下)

                  (属名) ((種名)   (日本語名)
A 名前(ラテン語):例えば、Escherichia Coli・・・・・・大腸菌
                  (人の名前)(大腸)
B 特長
  分類学的多様性・・・全部で凡そ17万種
   1) きのこ・カビ・酵母・・・・・8万種
   2)細菌・放線菌・古細菌・・・5千種
   3)藻類(アメ−バ−など)・・4万種
   4) 原生動物・・・・・・・・・・・・4万種

C 増殖が速い:1個体→2個体への細胞分裂による増殖が20分間
           (大腸菌が倍加するのに要する最少時間)  
  微生物の培養
  とその利用
1)微生物の培養
 微生物を培地(寒天を下地にして水にブドウ糖などの栄養素を溶かし
 たもの)の中で増殖させること。個体培養と液体培養が有る

2)微生物の利用
 @ 発酵・醸造(ワイン、日本酒、ビ−ル、ヨ−グルト、納豆、味噌、醤油)
 A バイオ燃料(アルコ−ル、水素)
 B 生理活性物質(酵素、抗生物質、ホルモン、抗癌剤、免疫抑制剤)
 C 機能性食品(抗酸化、免疫促進)
 D 排水・廃棄物処理、堆肥)

3)ジベレリン(食物成長ホルモン)
 基は稲が成長し過ぎてモミが付かない病気の研究の中で、稲の根に
 馬鹿苗病菌(カビ)が関係していることを日本人が発見し逆にブドウの
 房の成長期(5月)にこの溶液に浸けた所、成長が早くしかも種の無い
 ブドウが出来た(1940年頃)そこで、以来「種無しブドウ」が生産される
 様になった。
  生活に関わる
  微生物
 @ 酵母:ワイン酵母や清酒酵母に代表される酵母菌
 A 細菌:納豆菌、乳酸菌(ヨ−グルト、チ−ズ、漬物)
 B カビ:青カビから出来るペニシリン(抗生物質)、麹菌、貴腐菌
 C 放線菌:此の菌から抗生物質(ストレプトマイシン)、免疫抑制剤
         等が出来る
産業 (医学)
 への利用研究
1)新規感染症への対応:SARS、鳥インフルエンザ等
2)薬剤耐性菌への対応:MRSA(ブドウ状球菌で、薬が効かなくなる)
3)バイオマス(生物体)研究による水素やアルコ−ルの利用(燃料)
山梨で見つかった
新属新種の放線菌
放線菌は全世界で150属が判明しているが、其の内6新属50新種が山梨で発見されている。中でも、武田神社の堀の地層から200年前の分離された希少放線菌が見つかっている。(放線菌:抗生物質を作る
ベ−スとなる菌で、ストレプトマイシンが知られている。但し数十年すると耐性を持つ菌が発生するので常に新属を開発しなければならない)

6.
 
健康づくりと運動
-質の高い人生の為に-
健康寿命
1)健康寿命は、要介護を必要としない自立して生活できる期間を言う
2)要介護の原因疾患
 健康寿命を脅かす3大疾患(@、A、E)と運動(C、D)の関係
 @脳血管疾患(脳卒中)・27.3%
 A認知症        ・・18.7%
 B老衰          ・・12.5%
 C関節疾患       ・・・9.1%
 D転倒・骨折      ・・・8.4%:CとDを合わせて、E:運動器疾患
                      (筋肉、骨、関節)・・17.5%
 
    標語:「1に運動、2に食事、しっかり禁煙、最後にクスリ」
メタボリック・ドミノ 2005年に発表されたメタボリックシンドロ−ムは、以下の様なドミノが
次々に倒れ病気に至るメタボリックドミノで判り易く説明されています。

メタボリック・ドミノ
生活習慣→肥満(内臓脂肪:皮下脂肪に有らず)→脂質異常・高血圧・食後高血糖→動脈硬化・糖尿病→心臓病・認知症・脳卒中・神経障害・網膜症・腎不全、と言った其々のドミノが倒れて行く考え方で表されていますが、最終局面に至る前の出来るだけ早い段階で、何とかドミノを止めようと提唱する考え方。
肥満の原因 太り易い状態は、食べ過ぎが原因だが、もう一つに消費不足がある

・日本人の平均の摂取カロリ−:2226kcal(1975年)→1898kcal(2007年)
 と少しずつ減少している。そこで、肥満が増えているのは食べ過ぎと
 共に消費不足が原因と言える。(消費不足=運動不足)
・消費を支える中心は、基礎代謝(主に筋肉)
・一日の基礎代謝の変化(年代と共に変化):厚生労働省資料より
 18才の基礎代謝:1600kcal→60才:約1350kcal(男)
    同 上    :1200kcal→同 上:約1100kcal(女)
・加齢と共に摂取エネルギ-を減らす必要がある
・太る事の現代的解釈(都市、工業、文明社会)
 1)食べ過ぎ・運動不足→脂肪蓄積→健康寿命の喪失(死)
 2)日常茶飯事として飢えは無く、太り易い体質だけが残った
骨折と骨粗しょう症 骨折の主因として転倒があるがその原因は2つ
@咄嗟の一歩が出ない→運動能力、筋力やバランスの低下
Aもともと骨が折れ易かった→骨と筋力(運動器)の機能低下

骨粗しょう症の予防
@1次予防:最大骨量のアップ
A2次予防:加齢に伴う低下の抑制→自分の体を動かすこと
        (使わないと想像以上の早さで機能低下する)
               
認知症の予防 海馬と運動の関係(海馬:新しい記憶を保存する場所)
@運動すると海馬の血流量が増し機能が高まる
A習慣的な運動で、空間学習・記憶注意認識や言語流暢性が高まる
B軽めの運動を継続的に実施すると、海馬機能が向上する
C高齢者(人)の海馬サイズは体力に比例する
結 論
 1) 歩くこと(少しだけ意識をして歩く)
 2) 筋肉を刺激する(体重を使って筋肉を動かす)


5.

 いのちと水
そして生活
惑星の水の存在
@火星にも水が有る。しかし、殆どが氷の状態。しかし、水が流れた跡
 が観測されているので、現在液体の水を確認中とのこと。(太陽系で
 は水は珍しくない)
A地球上の生物は液体の水が不可欠で、水を前提として生命が生ま
 れ発展して来た。
体内の水の割合 @人間の体内の水は以下の通り(体重に換算)
  出生直後(80%)→乳幼児(70%)→成人(60%)→高齢者(55%)
A冬眠する哺乳類と海に住む哺乳類は、脂肪の代謝(分解)により水を
  得ている
 ・ラクダのコブは脂肪の塊
 ・カンガル−ネズミは水を飲まず食物の代謝により必要な水の90%
  を得ている 
世界の5歳未満児
の死亡者数と、
仮想水について
@5歳未満児の死亡者数(1,000人に対する割合)・・ユニセフ資料
  日本:4人、カンボジア:82人、シエラレオネ:270人。此の死亡数
  の原因の筆頭は不衛生な水による下痢が関係している。
A日本は水に恵まれ且つ衛生的な水が手に入るが、食糧生産国では
  作物を作るのに多量の水を使うので、食糧を海外に頼る日本は将
  来世界的な水不足から食糧難に陥る事が考えられる。また、作物
  を作るのに必要な水を「仮想水」と呼び、結局食糧の輸入国である
  日本も仮想水の不足から逃れることは出来ない。例えば、小麦1
  トンを生産するのに1,000トンの仮想水が必要となる。
世界の上下水道 宗教上の理由や生活レベルの低さから汚れた川から飲み水を汲んだり
(バングラディシュ)、トイレが無く下水と上水が区別されていない国
(カンボジア、ネパ−ル等)が沢山ある。(日本にいては考えられないが)
山梨大学の研究
活動(COEについて
山梨大学グロ−バルCOEでは、世界各地の水に起因する災害・病気を軽減するために先端研究(医科学・疫学・気象レ−ダ−・・・など6項目)を展開している。
(主に東南アジアを中心に当該地域からの留学生を受け入れて共同研究している)
COE:center of excellence・・・多くの大学及び研究所などが取組ん
    でいる

4.

命を支える
食育と健康
糖尿病の現状
(20歳以上)

H19年10月の1億2千万人の人口に対するサンプリングによる推定値

@糖尿病が強く疑われる:約890万人(HbA1cが6.1以上)40歳以上
  では男性(19.4%)、女性(10.2%)
A糖尿病の可能性が否定出来ない:約1,320万人(HbA1cが5.6以上
  6.1未満)合計2,210万人
新メタボリック
シンドロ-ム
メタボリックシンドロ−ムとは8学会による下記其々の項目中2項目以上が該当する場合を言う
@ウエスト周囲径が男性85cm以上女性90cm以上
A中性脂肪(TG)値が150mg/dl以上又はHDLコレステロ−ル値が
 40mg/dl未満
B収縮期血圧が130mmHg以上又は、拡張期血圧が85mmHg以上
C空腹時の血糖値が110mg/dl以上。40〜74歳で見ると、男性の2人
 に一人、女性の5人に一人がメタボが強く疑われるか又はその予備
 群と考えられる。
3大栄養素以外の
摂取注意点
朝食の欠食率が年々上がっている。更に野菜の摂取量の平均値が290g(基準は350g以上)と不足している。又、脂質の摂取量も増加している。食塩が男性12g(目標値10g未満)女性10.3g(目標値8g未満)と目標値に対してまだ高い。但し、摂取エネルギ−は減少傾向にある。
PFCの摂取量 食事をバランス良く摂ることが大切で、3大栄養素である蛋白質(P)、
脂質(F)、炭水化物(C)のバランス(平均値)は摂取するエネルギ−に対して、Pが15〜20%、Fが20〜25%、Cが60%が理想だが、脂質が現状増加傾向にある(30%以上の割合)しかし、高寿命である日本のこのPFCの数値が世界のお手本になっている。
脂質の注意点 脂質については、脂肪エネルギ−のみならずその質についても考慮する。肉類にある飽和脂肪酸はn-3脂肪酸(魚)に変え、油類はn-6系脂肪酸(植物性油)が望ましい。

3.

生活支援ロボット

-人の生活・命を支援
する機械たち-
ロボットの分類
と成長

 ロボットは今後RT(ロボット・テクノロジ−)として
@もの作り(産ロボ)
A介護を中心(安心・安全・公共ロボット)
B人手不足対応(生活・サ−ビスロボット)
の3分野に区分されて進化すると考えられるが、2010年と2030年(20年後)の生産額を比較予測すると
@は1兆3千億円→4兆7千億円(3.5倍)に対し、
Aは300億円→2兆7千億円(90倍)
Bは400億円→2兆3千億円(約60倍)の成長が見込まれる。
(日本ロボット工業会)
日本の人口予測 日本の人口(計算上)は1.15億人(2030年)、1億人(2045年)、9000万人(2055年)、4500万人(2100年)で、2055年には人口の2.5人に一人が65歳以上となる高齢化が明白。しかも単独世帯・高齢者の一人世帯・認知症などの増加が避けられないので、上記A及びBの開発を急がないと間に合わない。
少子高齢化社会
への取り組み
東京大学が国内企業7社(パナソニック、三菱重工、トヨタ、富士通、凸版印刷、オリンパス、セガ)とIRT(IT+RT)研究機構を立ち上げた。その目的は、
@少子高齢社会の課題解決に貢献するIRTイノベ-ションを創出する
A研究の初期から大学と企業が対等な立場で協働し「死の谷」を克服
 する産学連携の新たなモデルを実現する
B細分化された専門領域を結びつけ、課題解決を実現する能力を備え
 た人材の育成。
同上の途中経過 上記の途中経過として、掃除ロボットや片付けロボット及び゙キッチンロボット(皿洗いロボット)のビデオを見たが、画像処理と思考判断等にかなりの時間を要し実用化までの道のりはまだ相当先になることを実感した。
ただ5月に脳波を用いて電動車イスの操縦を行う新聞記事を読んだが、地道でも大切な研究である事を痛感した。
ロボット工学3原則 ロボット工学三原則は、アイザック(ロシア)・アシモフ(アメリカ)作によるSF小説により下記のように取り決められた(1942年)

1)ロボットは人間に危害を加えてはならない。又、何も手を下さずに
  人間が危害を受けるのを黙視していてはならない。

2)ロボットは人間の命令に従わなければならない。但し第一原則に
  反する命令はその限りではない。

3)ロボットは自らの存在を護らなくてはならない。但し、第一、第二
  原則に違反しない場合に限る。

2.

生命の誕生

-不妊治療の現状
と将来の展望-
不妊症とは
不妊症は頭痛などと同じ病気の一つで、全夫婦の10%〜15%(300万組に近い夫婦)に子供が授からない悩みを持っている。
不妊症の治療 @排卵障害:排卵誘発剤の使用(不妊症夫婦の内20〜50%)
A卵管閉塞:体外授精(配偶者間人工授精(同上夫婦の30〜50%)
B乏精子症[男性の精子数が不足するため、元気な精子を取り出して
  卵子に人工的に入れる
C無精子症:他人の精子を人工的に入れるものが認められている
  (正常な精子は1cc中に2,000万)]
いずれもART(アシスト、リプロダクティブ゙、テクノロジ-)と呼ばれている。
多産児出産 排卵誘発剤(ホルモン)の加減で卵子が複数排卵した結果発生するが、母体に良くないので一つを残して後は凍結させ後日子供が欲しい時に解凍して使用する事が普及し始めている。
不妊治療の問題点 例えば顕微授精の場合[(顕微鏡を見ながら精子を卵子(直径0.1mm)に注入する]、卵子を器具で押さえて授精させるが、本来の受精に比べ安全性の点で物理的にリスクがある。
不妊治療の将来 例えば不完全な卵子または精子を取り出して、ES細胞やiPS細胞を使って自分の体細胞から健全な卵子または精子(配偶子)を作り出して受精させる事が出来れば画期的な治療が出来る。
クロ−ンマウス 体細胞のクロ-ンマウスは正常に育たない(太ってしまう)しかし、胚から作ったES細胞クロ-ンマウスは何故か正常(理由不明)
男女の産分け 精子により決まる

1.

遺伝子について

「生命(いのち)
の設計図
−遺伝子はヒト/
人間の設計図か-
人遺伝子(人ゲノム
の解明

2003年に人間の遺伝子の全体(22,800の人ゲノム:)が解明されたが、生命と遺伝子との関係(例えば感情や情動といった心の動きと遺伝子との関係)などが謎だらけで新たな難問となり、暗礁に乗り上げている。
ゲノム(genome)とは、遺伝子geneと染色体chromosomeの合成語
生命とは
(キ−ワ−ド)
@自己再生能:例えば、傷を元通りの細胞で治す能力
A恒常性維持機能:個人としての統一を維持する能力
Bエネルギ−変換能:外部からエネルギ−を得て生命を維持する能力
ES細胞とiPS細胞 最近話題のES細胞とiPS細胞があるが、どちらも自身の細胞から胎盤以外のどの様な細胞をも作り出す事が出来る。しかし、その場合に前者は卵子の中の胚を壊して作るが後者は壊さずに作るので、安全性と倫理性の点でiPS細胞が優っている。(教授の意見)
クロ−ン技術
と倫理性
クロ−ン技術を含め、今後遺伝子技術が間違った方向に進まない為に正しい倫理性をどの様に構築(成熟)させて行くかが大きな課題。(研究者として常に頭から離れない命題であるとのこと)
受精卵の成長 @ヒトの受精から着床までは1週間、神経系の開始まで15日、胎児の
 体の自発的な活動は13週から
A受精から22週までを医学的に人と扱わずに中絶もこの期間内に行う
 事が決められている(23週からは未熟児として育つ)また、現在体外
 授精児は50人に一人の割合で生まれる(国内初から26年が経つ)
生命(いのち)
の設計図
遺伝子は生物種としてのヒトの設計図となるが、社会的存在としての人間の設計図にはなり得ない。教育を受けて初めてヒトは人間になる
染色体と遺伝子

染色体の基本構成要素はDNAヒストンで、一本の染色体には2重のDNAが含まれていて、DNAは非常に長い分子(約8cmしかし、直径は2nm))であり、細胞核に収納するには折り畳む必要がある。DNAは核酸なので酸性であり、塩基性タンパク質のヒストンとの親和性が高く、全体的には電荷的に中和され安定化している。DNAとヒストンの重量比は、ほぼ1:1

 つまり、染色体は、DNAを折り畳んで塩基性蛋白質のヒストンで
パッキングしたもの

一方、遺伝子(いでんし)は生物の遺伝情報を担う因子であり、DNAを媒体として、その塩基配列にコードされているものを言う。

DNA
Deoxy ribo nucleic acid:ディオキシ リボ ニュ−クリック エイシド)

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       平成21年
山梨における地方自治と分権の今後(山梨学院大学で開催される講座を参考にまとめている)

7.
      
山梨における平成
の大合併の成果と
今後の自治体改革
平成の大合併が行われた背景
1)地方分権改革の基盤整備を行う上で、国・地方の財政改革を図る
  手段として、市町村間の合併を行う。
2)政府が掲げた合併の理念と目的
2.1)理念としての取り組み(地方分権推進委員会中間報告)
 @中央集権型行政システムの制度疲労に対する見直し
 A変動する国際社会への対応
 B東京一極集中の是正
 C個性豊かな地域社会の形成
 D高齢化・少子化社会への対応

2.2)合併の目的
 @地域間競争をやるには纏まった人口が必要
   
(町村が一緒にやるのは難しい)
 A少子社会では纏まった人口が必要
 B議員の人件費削減(自治体全体で4万人削減→4兆円節約)

 
  平成の合併の
  成果と問題点
合併の成果(?)
1)地方分権改革の視点から、財政の緊縮や地域の一体感(今一つ)
2)施設の統合
3)サービスの向上(しかし、残念ながら低下)
4)基本料金の格差の解消(しかし成果は今一つ)

合併による問題点等
1)「三位一体改革」の洗礼による地方財政の困窮
2)新自由主義(規制緩和含む)により自治体は自己責任で自分達
  でやれの方針は、格差社会を生む結果となっている
3)バブルがはじけ世界的金融破綻等により財政が厳しくなっている
 山梨の合併が進   んだ理由と結果 合併が進んだ理由
1)国と県の積極的な推進姿勢
2)もともと小規模町村が多かった(町村の全国平均3.8万人→山梨1.4万人)
3)財政的困窮度が高かった
4)バスに乗り遅れるなと言う意識が強かった

合併の結果
1)合併前の64市町村が合併により27市町村になっている(H22年現在)
2)合併により新たに14の市と町が誕生した
3)全国的には、西高東低(関西以西で合併が進み、東半分が今いち)
山梨の合併の成果
1)慣行に縛られていた部分が解放された
2)議員が減った(しかし、職員はあまり減ってはいない)
3)専門的職員が合併したことによりまとまった(相談しあえる)
此れからの地方自治 現状の改革の問題点
1)此処へ来て平成大合併の否定的評価がマスコミを含めて出ている
 (当初マスコミは大いに評価したが)
2)合併は地方分権改革が目的であったが、財政が悪化しその目的が
  逆行している
3)三位一体改革が足かせになっている(地方交付金が減った分収入
  が減額している)
4)一体感も今一つ

地方自治改革の将来の構想(300市と道州制)
1)現在の県を解体(北海道のみ道とする)し、いくつかのブロック(州)
  にまとめ直す
2)其の中で市を300程度にする(現在の山梨県は3市程度にする)
3)しかし、この道州制は議論百出で、集約はかなり先になる。因みに、
  300市構想は小沢一郎(民主党)の主張とのこと
4)しかし、地方自治の根底には、特に財政的に現状では立ち行かなく
  なる背景が有る様だ。東京一極集中も根源。


6.
      
  山梨における
  自治体行政改革
  の現状と課題
「NPM」について
NPM(New Public Management) とは新公共経営と訳されているが、効率性・節約と言った価値群を最大限重視する実践的な取り組みで以下3つの価値群を包括的に取組む手法(英国のクリストファ・フットにより提唱)

 @ シグマ価値群:効率性、経済性、節約
 A シ−タ価値群:公正性、公平性、透明性、正直さ
 B ラムダ価値群:安定性、堅固性、強健性、余剰性

 ・行政サ−ビスは効率性も大事だが、公正性・公平性も大切
NPM型行政改革 1)民営化・外部委託
 ・郵政人(26万人)の民営化(自治体行政ではないが)
 ・駐車監視員制度:路上放置車両にステッカ−を貼り付ける業務等
             (甲府駅、駅前大通り周辺で実施)
2)指定管理者制度:公の施設管理を法人を指定して運営を図る制度
            で其れ迄は農協、日赤、商工会等に限られていた
            (県民文化センタ−などで実施)            
「PFI」について PFI(Private Finance Initiative)とは、財政支出負担軽減と良質な公共サ−ビスの提供を図る目的で、民間資金(ノ−ハウ)を活用して公共設備の整備を図るもので、設計・建築・運営維持管理までを民間企業が行う方式(県立図書館の建替えを此の方式で検討したが中止となる)
PFIの具体的
スキ-ム
@自治体が事業の企画立案を行う
A此れを受けて、民間が関連する企業で共同体を作り、設計・建設・
 管理運営に至る提案と入札に参加する
B落札した共同体は特別目的会社を作り運営する(契約期間:30年程度)
C運営方式
・BOT(Build Own又はOperate Transfer)方式:建設→運営→移転
・BTO(Build Transfer Operate)方式:建設→移転→運営
D特別目的会社への支払いは、委託料の形をとる
EPFI方式により一般的に自治体直営による管理運営より10%安い
 が、全国に数百例が有るが失敗例もある(理由:自治体の見積の甘さ等)
地方独立行政法人 1)一般地方独立行政法人
 地域経済の安定等公共性の見地から、確実に実施する必要のある
 事務事業の内、民間に主体を任せると実施されない恐れのあるもの
 を地方公共団体が特定な法人を設立して行う制度
2)特定地方独立行政法人(山梨県立病院が、2010年4月から移行)
 其の業務の停滞が住民の生活、地域社会や地域経済の安定に著しく
 支障が有るか、業務の運営に中立性・公正性の確保が必要である
 場合は、其の法人の役員・職員に地方公務員の身分を与える
課 題 1)民間に委託した場合利益を出そうとして人件費の圧縮等が起り得る
2)NPMで、業務上の権力業務は自治体が行い、民間は非権力業務
 に当るのが原則だが、現実的には権力業務に当たる業務を民間が
 対応する場合があり、その区別が明確に出来ない
3)NPMの最大重視は効率性の追及にあるが、効率性を重視する為に
 公正性や公平性等が軽視される懸念がある
4)NPM型手法で、公共サ−ビス運営のノ−ハウに欠く民間企業と、
  評価・監視能力に欠く自治体によるミスマッチの懸念
5)PFIの様に長期(30年)の運営を見積ことが出来る自治体は無いと
 言って良い(失敗例の多くがこの点に有る)
6)駐車監視員制度は放置車両の6割が減少し成果を上げているが、
 商店の売上げ減と福祉車両の一時停止が出来ない等の苦情が有る

5.

山梨のインフラ
整備のゆくえ
道路整備状況
-中央道と広域
 農道を含まず-

@都市計画区域に占める道路の割合(道路率)
 ・1988年度(S63年)・・0.14km/ha(47都道府県中44位)
 ・2008年度(H20年)・・0.30km/ha(47都道府県中36位)

A道路延長と都市計画区域面積
 ・111.78km(77099ha)・・・1988年
 ・255.63km(86383ha)・・2008年

haは都市計画区域面積を表す
山梨の都市公園の
整備状況
@人口当たりの都市公園面積の割合
 ・1988年度(S63年)・・0.49ha/千人(全国 20位)全国平均:0.39
 ・2008年度(H20年)・・0.74ha/千人(全国 27位)全国平均:0.73

A公園数と一ケ所当たりの公園面積
 ・公園数: 74ケ所(4.28ha/ヶ所)・・1988年(全国3位)
 ・公園数:117ケ所(4.82ha/ヶ所)・・2008年(全国1位)

山梨県は20年で対人口比の都市公園面積が1.5倍に増加し、
  1ケ所当たりの公園面積が全国一番(H20年)になったが、しかし
  大きな公園が多く都市に中小公園が少ない傾向にある。
都市計画指定状況                (1988年)  (2008年)
@都市計画区域数   11ケ所   12ケ所
A線引き          1ケ所     1ケ所
B用途地域        7ケ所    10ケ所
 
全国で都市計画区域が複数あるのに線引き(市街化区域と市街化
  調整区域とに分けること)がされている区域が1つ(甲府・甲斐・
  中央市)しかない県は、2008年において12県あり、山梨もその一つ
今後の基盤
整備のゆくえ
計画されている(予定含む)基盤整備
@中部横断自動車道・・・静岡県清水市と甲府を連結する
Aリニア中央新幹線・・・・東京〜大阪間を山梨を通って連絡する鉄道
B圏央道…………中央道と関越自動車道(東名自動車道)を連結する
C新山梨環状道路・・・放射状である現状の道路網を環状につなぐ

近い将来、山梨が広域高速交通のインフラの中心として位置付け
  られようとしている。
山梨が抱える課題
とこれからの対応
@大都市からの資本流入による県内産業が衰退することへの対策
A買物客が大都市に流れ県内商業が行き詰まる対策(ストロ−効果)
B県内への企業誘致

           山梨の活性化策

   ・観光立県としての魅力ある風土造りへの志向(試行)
   ・日帰り客ではなく宿泊客の取り込み(周遊旅行プランなど)
     (現状は多くが日帰り客)

4.

山梨の国土整備
-河川と森林-
一級河川と
二級河川

@一級河川:政令により指定したものに関わる河川で、国務大臣が
        区間を指定したもの(河川法4条)
A二級河川:一級河川以外の水系で、都道府県知事が指定する
         (河川法5条)
山梨の水系 1)一級水系
 @富士川:富士川大橋より上流を釜無川と呼び、支流に笛吹川がある
 A相模川:支流に道志川と桂川があるが、山中湖と河口湖は桂川の
        一部
 B多摩川:支流に丹波川が有る

2)二級水系
 @西湖
 A精進湖
 B本栖湖
 C15河川(上記三つの湖へ流入する河川)

 湖沼は水系の一部
河川行政の目的 a)治水:洪水、水害(川に流れ込む水量のアップ)の対策と管理
b)利水:川の水を上水及び灌漑に利用するその管理
c)河川環境:曲がりくねった河川をストレ−トにする等の河川改修
山梨の森林 @山梨の森林の面積:県の面積(446,537ha)の78%(347,578ha)
A明治44年(1911年)に御料林が御下賜→県有林になる
                            (森林面積の46%)
                         (県面積の35%で全国1)
B水源林としての存在
  a)東京都水道水源林・・・多摩川
  b)横浜市水道涵養林・・・相模川水系道志川
今後の河川
管理の改善
@堤防をコンクリ−トで固めるのではなく、生物が生き残る川が大切
  (ビオト−ク)
A関係省庁毎の法体系と管理体系が分断している部分の体系化
B中央集権的な管理制度住民参加の不備の見直し

追記
流域とは:河川の上流から下流に至る「降水→地下水→表流水(河川)→貯留水(湖沼・ダム)→海洋→蒸発」と言う水環境の影響が及ぶ地域
森林管理主体の多
様化と今後の課題
a)森林所有者の高齢化に伴う適切な利用管理が困難
b)専門的森林技術者不足(生計が成り立たない)

以上に対して、例えば森林環境税の導入や下流都県との連携
(協定の締結)などを進める必要がある

3.

「僻地」を生き抜く
町の戦略(早川町)
早川町の現状
早川町は南アルプスの山梨側にあり人口は1,200人で、(かつて昭和の合併頃は8,000人居たが、林業の衰退と発電所保守員の減少等で1/7に減った)国内で最も人口の少ない町
合併取り止め
の理由
早川町は平成の合併を取り止めた。(町民の60%の意見)理由は、合併後人口の少ない地域が後回しにされて結局過疎化が更に進むことを町民が理解している。(町でもこの点を強くアピ−ルした)
町活性化の取組み 一方、各地区(6部落)の特色を出し観光資源を有効活用して観光客を呼び込むこと。町を出た人達からメディアで町が最近賑わって来た様子を知り住民の気持ちが変わって来たこと。温泉客も増えて来ている。
町作りのポイント @人材を育てること
A個性ある地域にすること
B目標とその目指す方向を行政が決めること
C生き生きとした生活の場を作り出すこと。こうした事を中心に豊富な
 温泉や豊かな自然をPRして若者を呼び込む活動が定着しつつある。
 (サポ−タ−クラブ)
早川町の将来 @中部横断道路が町内を通る。(インタ−チェンジも出来る)
Aリニアモ−タ−カ−が町内を走る。(町の宣伝になる)
B南アルプスを世界自然遺産にする計画がある。
C特別老人ホ−ムと地域の病院を連携させて地域医療を進化させる
 ことを検討中。

2.

ロ−カルガバナンス の視点から考える
山梨
国政と地方自治
の相違

国政(ガバメント)は、国会議員を国民が選び多数党(与党)の党首が内閣を組織して首相となり大臣を選出するが、国民は党首や内閣を選ぶ事は出来ない。此れに対し地方自治(ガバナンス)は、住民が直接長と議員を選び問題が有ればどちらもリコ−ル出来る。しかも、住民が彼等をチェック(監視)する事が出来る。
議会運営上
の問題点
地方自治では長と議会が対等に議論し長が執行するが、議員個人は議会での力は無く議会の議決により全てを決めるので、結局、議会が長より強い力を持つ。(議会で長と議員が議題を切磋琢磨し徹底討論をするのが本来の姿)しかし、現実には議員も長も質問と答弁を読み上げて終わるケ−スが多く山梨を含めて殆どの議会がレベルの低い(場合によっては職員が原稿を書く)運営となている。
自治基本条例
と議会基本条例
地方自治を活性化するには、自治基本条例の制定と、議会基本条例の制定が不可欠(ル−ル作り)であるが、制定されていないか骨抜き(甲府市を含む)になっている場合が殆どである。
北海道の栗山町
の地方自治
北海道の栗山町は全国で唯一開かれた自治に取組み、自治基本条例と議会基本条例を制定し議場にテレビカメラを設置し町民が議場の様子をチェック出来るシステムと議会の状況を年に一度町民に説明しているが、一方、議員定数を削減し、町長と議員が真剣に討論し合うなど、極めて進んだ地方自治を推進している。
今後の大合併
について
平成の大合併で3200→1770市になったが、国も地方も財政難で此れ以上の合併は無理との意向から、ひとまず落ち着かせようと考えられている。(自民の道州制や、民主の700〜800市構想など)

1.

地域コミュニティ−
の現状と今後
地域の公共性
地域の公共性はもはや中央の官の独占物ではなく、地域社会全体(市場含む)が機能を分担する価値観への転換が求められる社会へとなりつつある。
自治会組織の現状 一方、地域コミュニティ−の根幹をなす自治会(町内会)組織は少子化、高齢化、核家族化等の社会現象に伴い崩壊の危機にある。(首都圏ほど重症)町内会が行き詰まり、武蔵野市などは一部NPO化した所もある。自治会組織の崩壊の受け皿としてNPOの他に学校単位が考えられるが、今後の課題。山梨とてこうした問題を内在している。
世界的な経済の
混乱と大きな流れ
こうした地域コミュニティ-の行き詰まりのもう一つの要因として、国は90年代に規制緩和を行い市場拡大を進めたが、無秩序から来る経済の混乱や生活の質の低下などに直面している現実がある。そして、その大きな潮流の原点には80年後半に起きた東ドイツやソ連の崩壊による統制経済の終焉や国内外の多くの企業の経営がその後の市場原理化政策により破綻に追い込まれているなどより複雑である。
国政と地方自治の
お互いのバッシング
更に国政と地方自治との終わりのない泥仕合と責任転嫁は、財政難が原因して行き詰まりの崖っぷちに立っており、そうした中で地域コミュニティ−の明快な方向が出てこない。
自治会のNPO化
成功の条件
@危機の共有
A共通の目的(ミッション)がはっきりしている
B相互の利益が共有出来る(共有関係が継続的に成立し続ける事が
 出来るかどうかが重要な課題) 

                                                   -ホ-ムペ-ジのトップに戻る-


















       平成21年
甲斐の国人物伝(山梨学院大学で開催される講座を参考にまとめている)

7.

太宰治と山梨
生い立ち
@父(津島源右衛門)は長者番付4位の資産家で、75万坪の田畑を持
 つ大地主、しかも衆議院議員や貴族院議員をやった地元の名士。
Aしかし、両親は殆ど東京にいて母親代わりの叔母に育てられた。
B太宰は明治42年生まれで、39才で自殺したが、松本清張と同じ年に
 生まれている。
自殺(自殺未遂、
心中、心中未遂)
彼は5回目に心中で命を落としているが、其れ迄の経緯は以下の通り
@弘前高校時代に、テストで不眠症になり睡眠薬を多用した。(昭和4年)
 (自殺かどうかは不明)
A東大1年生の時に田部シメ子と鎌倉で心中し彼女のみ死亡。(昭和5年)
B東大卒業後、鎌倉の八幡宮で首吊り自殺(未遂)(昭和10年)
C小山初代と心中未遂(昭和12年)
D玉川上水で山崎富栄と心中し、両名とも死亡(昭和23年)
芥川賞に落選と
精神病院に入院
@第一回芥川賞で「逆行」が候補となるも落選。高く評価した佐藤春夫
 と酷評した川端康成の考え等賛否両論の意見により太宰は精神的な
 ダメ−ジと、賞金を得る事が出来ないことの生活苦に大いに悩んだ。
Aそうした苦み等から体調を崩し、佐藤春夫や井伏鱒二の勧めで病院
 へ入院したが、自分が知らない内に精神病院で有る事が判り、大きな
 ショックを受け、一ケ月で退院した。
山梨での生活 井伏鱒二の紹介で御坂峠の天下茶屋へ出向き、そこで石原美知子と見合いをし翌年結婚。一年半を山梨で暮らすが、御崎町の借家での生活は、太宰の最も安定した時期で、「冨嶽百景」や「斜陽」「走れメロス」等の多くの作品が生まれた。しかし、甲府の空襲で焼け出された機会に東京へ移る。
(平成19年のその他のデジカメ画像に御崎町の居宅の碑が有ります)
晩 年 @戦後は、流行作家として活躍するが、昭和23年に山崎富栄と玉川
 上水に入水して一生を終わる。此の時「人間失格」を書き上げる。
A太宰の一生は、神経の細さとヤンチャさが混在した性格で、彼の評価
 が大きく分かれるが、大変お世話になった井伏鱒二を遺書の中で、
 「井伏鱒二は悪人です」と書き残している点が、良くも悪くも彼の性格
  を表している。又、作風は破滅的なものが多い。
B彼の性格を形成している2つの事件とは、東大入学時に田部シメ子と
 心中し自分が助かったことで、自殺ほう助の容疑で取り調べを受けた
 ことへの拘りがあることと精神病院へ入院させられたこと(佐藤春夫と
 井伏鱒二の好意が裏目に出て、井伏を徹底的に悪者扱いをした)
C山梨を題材にした作品が多く天下茶屋から見える富士山を題材にした
 「冨嶽百景」湯村温泉を題材にした「美少女」甲府空襲体験より生まれ
 た「薄明」やその他、「新樹の言葉」「黄金風景」など、山梨での安定し
 た生活から生まれた作品が多い。
D太宰の妻、津島美知子は大人しい性格であったが、太宰を信じて彼
  の自殺後、平成9年85才で亡くなるまでに、「回想の太宰治」等を書
  き遺している。

6.

武田信玄論
信玄と言う人物
@武田家が滅亡した関係で、当時の資料が極めて少なく、古文書も
 少ない為にその正確性が良く判らない。
A彼の人物像は高坂弾正の作(江戸時代)と言われる「甲陽軍監」に
 よるものが多いが、かなり脚色されているものと考えられる。
Bしかし、宣教師であるルイス・フロイスが本国に報告した書簡では、
 部下より大いに尊敬を受けたと記されているので、この点は事実で
 あると考えられる。
C武田24将は実在の人物では有るが、ドラマに出てくる様な組織だった
 活動はされていないと考えられる。
D時代を読む力が有った(いまは、「戦国の世」と言い切ったのは信玄)
E学問に傾倒し、良く勉強した。また、家族愛と家臣への気遣い、気配り
 に長けていた。
信玄が残したもの
@信玄堤:此れは現在公表されているものが江戸時代に造られている
 と考えられるものが多く、どこ迄が信玄によるものかがはっきりとして
 いない(木材を組み合わせた牛と呼ぶものは信玄作と考えられる)
 (信玄堤と同構造の堤は加藤清正(信玄と同時代を生きた)も造って
 いるが、信玄堤や万力堤のみが有名になっている)
A善光寺(甲府)の創建、比叡山移転計画(未完成)、など
B甲州金、甲州升、甲州法度、など
C風林火山の思想(孫子の兵法)
信玄とは全く
無関係な事実
@信玄の隠し湯:後世の人が、山梨を有名にするために考え出したもの
A甲州ほうとう:昭和30年代にほうとう屋が郷土食として売り出したもの
 で、信玄が戦場で部下に食べさせたものではない(その記録は無い)
B川中島の合戦で、上杉謙信と一騎打ちをした経緯は史実には無い。
 (馬上からの謙信の刀を軍配で受けたとされているその軍配は、その
 時代の物と相違する)
武田信虎
@信玄の父:1494年生まれ、1574年高遠で死去(81才と長命だった)
A14才で家督を継ぎ、身内を滅ぼし、国人(小山田、大井、今井、栗原)
 の抗争に打ち勝ち甲斐を平定した(気性が荒かったが大変苦労した)
B石和より甲府(積翆寺丸山:今の武田神社の北)に館を作り甲府開創
C天文10年(1541)信玄により駿河へ追放された(民衆は大変喜んだ)
 (妙法寺記に、信虎は平常悪逆無道で、牛馬畜類まで愁悩、と有る)
その他(まとめ)
@武田信玄は近世初期以降英雄視され、現在も誉れ高い名将とされて
 いるが、確かに上記の「信玄と言う人物」の通り、大変な勉強家で心
 やさしい人物であった。
A反面、少しの悪行にも罪人を殺したり、長男の義信の性格を正すため
 牢に閉じ込め若死にさせているなどの厳格な一面が有った。
B一説によると、信玄には男色(ホモ)の一面が有った様だが、こうした
 風潮は当時の世相として肯定的であり、江戸時代の中で改められて
 いった。
C武田家に限らず戦国武将に子供が多いのは、実子の他に養子縁組
 をした子供達が多数いて総数が多くなっているのだそうだ。
D甲州法度の中には、極めて優れているものが多く、例えば
 ・其の善おば質すべし(褒めたたえよ)、其の悪おば語るべからず。
 ・其の人を知らずんば、其の友を視よ。
 ・気のあった者、好き不好きに拘らず、人を使わず其のわざを使う。
E甲斐源氏の祖の新羅三郎義光の新羅は、義光が元服をした神社の
 名前「新羅神社」から来ている。

5.

甲斐源氏の
発祥を振り返る


ぶらり旅「北海道」の松前城の所で、甲斐源氏の流れをくむ全国各地の甲斐源氏を記載しましたのでご覧下さい(09.11.19追記)
甲斐源氏の祖
@新羅三郎義光(甲斐守常陸介:かいのかみひたちのすけ)が常陸の国
 (今の茨城県のあたり)から甲斐の国に流罪となり、其処から甲斐源氏
 が誕生した(実際に甲斐に来た事実は不明)
A新羅三郎義光の兄に八幡太郎義家がいるが、その五代目に源頼朝
 (鎌倉幕府)がいる。
B新羅三郎義光から数えて6代遡ると清和天皇に行き着くが、その清和
 天皇から源氏の系譜が始まる。
甲斐源氏の活躍 @甲斐には豪族として三枝氏や日下部氏達がいたが、新羅三郎義光の
  息子(義清)更に孫((清光)が流罪(配流:はいると読む)となり甲斐国
  に流されて豪族達を平定していった。
Aその後、義清と清光は京の貴族や寺社が所有する荘園の警護や年貢
  の取り立てを任され都への往来も多く、皇族との姻戚関係や貴族達
  の信頼を得て、勢力を伸ばして行った。
鎌倉幕府との接触 @清光の息子の逸見光長、武田信義、加賀美遠光、安田義定達は、
  源頼朝の配下となり源義経と共に鎌倉幕府擁立に貢献した。
A中でも、平泉の藤原氏討伐には甲斐源氏が総大将となり成し遂げた。
  (加賀美遠光・安田義定)
Bしかし、鎌倉幕府が成立すると甲斐源氏は失脚し、加賀美一族のみ
  繁栄した。
武田一族 @その中で、武田信義の家系が代々武田家を継承し、新羅三郎義光
 より数えて19代目に武田信玄が誕生する。
A武田信義以外の家系については、歴史上は一部を除き判っていない。
甲斐源氏が
残したもの
@甲斐源氏は都の皇族や貴族に召し使われて、甲斐の国の平定に組み
 込まれて行くが、その中で都の仏教文化を甲斐にもたらし、其れを伝え
 残して行った。
A阿弥陀如来や大日如来などの都の仏像が現在も山梨に残っている。

4.

根津嘉一郎
 (鉄道王)
   根津嘉一郎
   の紹介

@1860年(149年前)に山梨市の豪農の二男に生まれる(20歳の時東京
  で漢学を馬杉雲外から学ぶ)
A県会議員(明治24年)を一年で辞め東武鉄道へ入社(明治38年)東武
  鉄道に入る迄の13年間に商品相場等をやる
B東武鉄道事業を再建し群馬地域の活性化を図る(地下鉄事業など24
  社の鉄道事業に関わる)
彼が残したもの @東武鉄道を初め明治から大正に掛けて鉄道王として君臨した
A日清製粉(館林)を初め群馬県の地域活性化に貢献した
B山梨県下の小学校にピアノ(200台)や顕微鏡、ミシンを寄贈(昭和8年)
C根津美術館建設
D県庁内に図書館を建設し寄贈
E武蔵大学(現)を設立
根津嘉一郎の信条 @社会から得た利益は社会へ還元する義務がある
A国家や人々の将来を常に考えていた(実業家と言うよりも思想家で、
  起業家の枠にはまらない人物)
甲州財閥の人達 明治の山梨は甲州財閥と呼ぶ多くの実業家を排出したが、其の中の5人
@若尾逸平(東京馬車鉄道)
A小林一三(阪急電鉄と宝塚歌劇団)
B早川徳次(帝都高速度交通営団:現在の東京メトロ)
C根津嘉一郎(東武鉄道他)
D雨宮敬次郎(甲武鉄道:八王子〜新宿迄の現中央線の買収)
 この5人は、鉄道事業と大いに関係がある。

E小野金六(現在のJR身延線と山梨中央銀行頭取、韮崎市出身)
F堀内良平(現在の富士急行、富士急ハイランドなど)
 尚、堀内良平は小野金六に身延線の建設を懇願した人物)

 以上、E、Fは、H23年2月追加
小林一三の功績 其の中で、小林一三は以下4点に先鞭を付けた点で傑出している
@私鉄系の(鉄道)モデルを作った
Aビジネスホテルの基本を作った
B駅タ−ミナルにデパ−トを造った(其のデパ−トの上階に食堂を置く等
 の考え方)
C沿線に戸建て住宅を造り、ベットタウン化することで鉄道経営を安定化
 させた。
根津記念館 山梨市にある根津嘉一郎の屋敷(国登録有形文化財)を根津記念館として開放し見学が可能(月曜日休館、開館時間は9:30〜16:30)

3.

甲斐の国の渡来人
 朝鮮半島からの
 渡来人

通算4度に渡って(BC5世紀〜AD7世紀)朝鮮半島から渡来人がやって来たが、特に最初と2度目は百済(くだら)からの人がいずれも集団で渡来した。其ののち、5世紀末〜6世紀半ば(3度目の集団の百済人)の人達が甲斐の国(現在の笛吹市春日居辺りを中心)にやって来た。
百済からの渡来人 百済は日本(当時は倭と呼んだ)と距離的に近く、一方中国に近い高句麗は強国で朝鮮半島の新羅、任那、百済を制覇して行く中で百済は追い出されて日本へ逃げ出した者も多かった様だ。しかし、そのお陰で稲作文化や金属器の文化及び馬の生産が我国に伝えられた。3年前に私が訪れた佐賀に在る吉野ヶ里遺跡も多くの渡来人を迎えて大きな集団を作っていったのだろう。
  高句麗からの
  渡来人
7世紀後半(奈良時代)に、高句麗が中国(隋や唐)に敗れてその一部が我が国に亡命し、日本の東部[甲斐では小渕沢から旧北(中)巨摩郡の辺り]に移り住んで、主に馬の生産に当った。(4度目の渡来)
  日本における
  馬の生産
奈良時代前の馬の生産地は、甲斐、信濃、武蔵(中心は埼玉)、上野(こうずけと読み中心は群馬)の4か所で其の中で甲斐は最初は馬の生産が盛んであったが、やがて高句麗の滅亡後に高麗人が甲斐に来た(奈良時代)が、その50年後に武蔵へ高麗人を遷した(理由不明:埼玉の高麗川の辺り)。そして、高麗(こうらい又はこま)→高痲→巨痲→巨摩となり、北巨摩郡や中巨摩郡の地名の基となっているらしい。
  山梨と渡来人
  の関係
山梨に存在する巨摩の歴史的背景が何となく分かっていたが、馬の生産に高麗の人達がやって来た事までは知らなかった。私の住む旧敷島町は昔は「志麻の荘」と呼び、麻が作られていたと聞き覚えているので、高麗人が麻の栽培にやって来たと思っていた。

2.

明治の変革期における地域のリ−ダ−

(近藤喜則と藤村紫朗)
近藤喜則
の紹介


明治初期に近藤喜則(現南部町で江戸時代に本陣を務めた豪農家)が蒙軒学舎(もうけんがくしゃ)と呼ぶ学習塾を開き、優れた教授陣による近代的な教育により多くの政治家(大臣や県会議員)や軍人達を多数排出した。また、喜則の子供たちが蒙軒学舎を引き継いで発展させた。

藤村紫朗
の紹介
同じく、政府から県令として派遣された藤村紫朗(熊本出身)は製糸や製紙産業を奨励し、近藤喜則と協業し殖産と育英に尽力した。また、藤村は初代山梨県知事となるが、山梨の衰退と共に明治20年に愛媛県知事に転出する。しかし、彼が残した藤村様式と呼ぶ西洋式建物は現在武田神社→甲府駅北口に移築工事中(H21年)であり、山梨在任中は県政・産業・文化などに幅広く活躍した。
  明治の変革期
  に活躍した山梨
  の人物達
山梨には中世から甲州商人としての確かな基盤(風土)があったが、明治の変革期にこうした実力者達により山梨が極めて活性化され、やがて根津嘉一郎(東武鉄道・地下鉄)、早川徳次(現、東京メトロ)、小林一三(阪急電鉄)、小佐野賢治(国際興業)等の実業家を排出する基礎を作った。
明治時代の
山梨の変遷
戊辰戦争(板垣退助率いる官軍)において幕府の直轄地であった甲府は近藤勇(新撰組)達の到着が遅れた事などにより官軍側が勝利し新政府側に実権が移った事と、その後に起こった自由民権運動の潮流の中で物価の高騰や倒産続出、農村の疲弊などとともに、山梨が時代から取り残されて元気がなくなって行った。
明治時代の日本
と山梨との関わり

明治時代は、新政府の台頭の中で富国強兵策と自由民権運動が全国的に広まって行ったが、其の中で山梨は産業と教育の点で当初は全国より進んでいたが、大きな時代の波に翻弄されてしまった様に感じた。


1.

井伏鱒二の
甲州滞在
作者の紹介
明治維新を推し進めたひとりであるジョン万次郎の本名は中濱万次郎。その彼を「ジョン万次郎」と名付けたのが井伏鱒二で、また門下生に太宰治や三浦哲郎がいる。その鱒二の作品は、事実と夢物語を織混ぜて書くと言う一風変わった作風で、その作品にはユ−モアが有って面白く多くの映画に取り上げられて一世を風靡した。また、広島県福山市生まれの彼が母親の影響(母が日蓮宗の信者)で山梨が大変気に入り150以上の作品を山梨で書いている。
作風による
住居と特長
中央線沿線に住み、俳人の飯田蛇笏・竜太親子と親交があったことも山梨好きになった理由のひとつとのこと。また、明治〜大正〜戦前の昭和の作家たちは、其の作風により3つのグル-プに分かれて住んでいた。

  @ 鎌倉地区:ブルジョア階級(小林秀雄、大仏次郎・・・)
  A 中央線沿線:論壇崩れ(井伏鱒二・・・)
  B 世田谷地区:主に左派(小林多喜二・・・)
太宰治との関わり 作家としての太宰治(H21年、生誕100年)の面倒を戦前は実に良く見たそうだが、戦後は太宰が売れっ子になり会う時間がなくなったことと、太宰は少々ヤンチャな性格で鱒二はそれをあまり良く思わず疎遠になったとのこと。太宰が自殺した事もあり戦後は3度しか会っていないのだそうだ。
作者の性格 彼の作品は、知りたてのものを書き、知ってしまうと書きたくないと言う性格で、自分の材料とピッタリするものだけを書いた様だ。

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平成20年度分(H21年2月〜3月)

T] いき甲斐の持てるライフスタイル(臼倉登貴雄氏講演を中心にまとめ:一部自分の考えを取り入れている
)
1. ゆとりのあるライフスタイル お金のゆとり 今使えるお金がいくら有るかが判っているとき
時間のゆとり 計画を立てて実行し、それをやり終えたとき(漫然と時を過ごさない)
空間のゆとり 心身がリラックスできる場所(趣味に没頭出来る場所等)が有るとき
こころのゆとり 満足出来る生甲斐や人生の充足感など日常生活での精神の在り方が心にゆとりをもたらす
行動のゆとり 考えるだけでなく実行し行動パタ−ンを変えてチャレンジするとき
健康のゆとり 常に体調を管理しすがすがしく生きる事が出来るとき
人間関係のゆとり 家族や仲間と楽しく付き合う事が出来るとき
2. 幸せな老後を送るためには 生活の安定 経済面を含めて安定した生活を送る事が出来ること
生活の質の向上 先の読めない社会の中で上手くやって行けるかを考える心のゆとりを持つこと
社会貢献 他人への慈しみの心や、社会に奉仕する心を心掛けること
3. 生甲斐の喪失と対応 伴侶の死 @自分の人生を謳歌する為に、しがらみから抜け出す様努力する
A生甲斐を持てるものを探し出し、併せて感性を磨くよう努力する
B五感を研ぎすませて新しい生甲斐を持つ事にチャレンジする
Cプラス思考で考えて自分を変えて見る努力をする(仲々難しい)
心身の衰え
社会(経済)の変化

U]人間の体温・地球の体温(山梨大学)
1. 変温動物と恒温動物 変温動物(鰐・蛇) 体温を維持するのに、自ら作る熱では体温を維持出来ないので、外部から熱源を求める(熱代謝が低い)
恒温動物
(人や哺乳類や鳥)
自らが作る熱だけで体温を維持出来る(熱代謝が高い)人間の体温は、体を安定状態に保つのにどれだけのエネルギ−が必要か、其れを決める体内の基礎代謝により食物の摂取量と体温が決められる(個人差あり)
2. 核心温と体表温 核心温 外界の温度が変化しても体内が一定の温度に維持される様に、体温調節系が調節する対象(22〜24℃<生存範囲(限界)<44℃)
体表温 環境の変化により変化し、体温調節系により能動的に操作され、核心温を一定に維持する
3. 何故、恒温か 何故37度か 有酸素運動の発達に伴い、安静時の消費エネルギ-も増加、此の時生じる熱の有効利用の結果、恒温性を獲得した。
(兎や犬は約38.5℃、鳥は41℃)
悪寒の時
のふるえ
体の筋肉を伸縮(ふるえ)させて、熱を作り出している。
(体が震える事が正常)
病気の時の発熱 体温を高めることで免疫力をアップ出来るので、無闇に下熱してはいけない。但し44℃を超えると体の蛋白質が変性し死に至る
4. 地球の体温 地球温暖化 @此れ迄に地球は氷河期と間氷期を4回繰り返して来た。
A現在の地球温暖化がどれだけCo2の影響を受けているかは学問
  的には定量化出来ていない(影響が有ることは事実だが)
B太陽活動との関係も不明な点が多い(とにかく検証は無理)

V]脳卒中(山梨県医師会)
1. 脳卒中とは 脳卒中の種類 脳卒中には脳出血脳梗塞があり、脳出血には脳内の細い血管が破れる脳内出血と、脳の大きな血管に出来た動脈瘤や動静脈奇形が破裂して脳の表面に出血するくも膜下出血がある。一方、脳梗塞(脳軟化症)には外部から脳の血管に異物が入り詰まる脳塞栓と脳の血管自身が詰まる脳血栓などがある。
言葉の意味 脳が卒(突然)中(当たる)の意味で、脳卒中は昔は中気又は中風(ちゅうぶ)と呼び、此の中の気は病気などと共通する体の内部環境を意味する。
2. 死亡率 最近の傾向 死亡の原因は@癌、A心臓病B脳卒中(1985年迄は2位だったがその後ピ−クが下がり現在は3位)C肺炎(飲み込み障害)の順。又、脳卒中では脳出血より脳梗塞の死亡率が増えている(脳梗塞の発症は朝の8〜9時が多い:夜中に1リットルの汗をかき血液が濃くなる事も原因の一つ)
治療(処置) 発症したら早く病院へ行き(3時間以内)治療に2時間を掛ける事が出来れば後遺症の低減を図る事が出来る(脳梗塞はt-PA薬投与)
3. その他 似通った症状 蓄膿症(頭が痛い)に良く似た症状として、硬膜の下に血の塊が有る場合も同じ症状とのこと。
血管の太さ 心臓の血管→Φ3mm、脳の血管→Φ1mm
心肺停止の手当 自分一人の時は、人工呼吸よりも心臓マサ−ジを優先(2回/1秒)
リハビリ 従来は動く方を良くする方法であったが、今は動かない方をやる方法に変わって来た。

W]健康寿命を延ばす環境
(山梨大学)
1. 健康寿命
(QOL:Quality of Life)
言葉の意味 介護を必要とせず、自立的に生きる寿命のこと。65才平均自立期間(65歳から先で介護を必要としないで生きられる期間)で表す場合もある。
国内外の実績 女性:80才、男性:75才/日本人の平均。国内:女性は山梨県(17.97)、男性は長野県(15.87)が一位  (  )内は65才以上の平均自立期間(単位:才)
健康寿命を更に
改善する方法
@食生活(皆で食べる、キチンと食べる:ファ−ストフ−ド→スロ−フ−ド
A生甲斐を作る(活力のある楽しい生活を送る)
Bコミュニケ−ション近所付き合い友達付き合い悩みの相談者
  がいる。
C地域特性が有ること(老人会、自治会、無尽などへの参加)
Dある程度経済的に余裕(そこそこ)があること。
E深い信仰(日本人は苦手)
2. 疾病構造と保健医療システム 疾病構造 脳卒中で寝た切りの患者の入院率が、山梨県は良い方(全国)から12位で、外来受診率も6位と良い位置にある(1996年)
保健医療システム 山梨県には地域の保険師が多く(日本一)、保険指導がきめ細かく展開されている事も健康寿命が高い成果となっている(県立大に優秀な女性の教授がいる事も強み)
3. 長生きするための要件 ソ-シャルキャピタル
(社会資本)
母子愛育会の活動、保健師活動、無尽、ボランティア活動率(日本一)など(人口当たりの保健師数は山梨県が日本一)

X]燃料電池技術セミナ−(梨大+パナソニックによる燃料電池の理論と現状)
1. 水素ステ−ション オンサイト ステ−ションにおける効率的な水素製造により、低コストの水素を供給。製造コスト:約80円/Nm(2010年頃)→約40円/Nm(2020〜30年頃)
オフサイト 副生水素を工場等で大量製造した水素を安全に輸送し低コストで供給(コストはオンサイトと同等)
2. 特許関係 企業の特許 ほとんどがシステム関係
学会の特許 ほとんどがメカニカル関係(梨大には6社のメ−カ−が参加)
3. 燃料電池の特性 発電効率 50%(水素ステ-ション)×80%(ガスから水素)×90%(INV)=36%
理論発生電圧 1.23V
発生電圧
×電流密度
家庭用:0.75(V)×0.20(A/cm2)・・発電効率が高い (η=51%、0.15W/cm2
自動車用:0.4(V)×1.0(A/cm2)・・出力密度が大きい (η=27%、0.4W/cm2
4. 家庭用燃料電池 水素の供給方式 (メタンガス、LPガス、石油ガス):三洋電機、東芝
都市ガス:パナソニック(2009年5月上市)、エバラ
5. その他 出荷テスト 13時間
本体重量 125kgf(3kw出力)
製造コスト 320万円:180万円(販売価格)+140万円(補助)
(3kwの太陽光発電とほぼ同額)
今後の課題 水素ステ−ションの整備とコストダウン

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