カネとゆめ   2004/11/11発行 企画・編集:アミ編集者学校 定価380円(税込) 好評発売中! yumeko
カネとゆめ
●トップページ ●コンテンツ ● 『カネゆめ』制作秘話 ●付録(貯金箱)
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●アミ編集者学校 卒業制作 冊子『カネとゆめ』ができるまで (文・横井美和子)
 
2003年
9月     アミ編集塾の講座開始  

 
     編集の基本について、約4カ月間レクチャーを受けながら書評・インタビュー・コラム・劇評など毎週の課題に取り組む。写真家 澤田知子さんの写真展『Costume』を観に行き、感じたことを題材にしてエッセイを書く。
2004年
1月     いよいよ実習がスタート  

 
     卒業制作のテーマについて話し合う。取り上げたいモノとして、仕事にはならないが趣味以上に大切な存在である対象について掘り下げた「趣味以上仕事未満」、占い、タイムカプセル、100円ショップの現状と将来、夢など、さまざまな意見がでる。
 なかなか全員の意見がまとまらず、約2カ月にわたって話し合いの場をもつ。
3月末     とうとうテーマが決定  

 
     『カネとゆめ』は冊子のタイトルでありテーマでもあるが、『キッカケ』もそのひとつである。タイムカプセルの話題ででた一人の男性がこのキーワードのヒントになっている。その男性というのは14ページに登場する富樫史生さん。彼が高校生のとき、 つくば万博を記念してあるイベントが行われた。未来の自分へ宛てた手紙をだすと、15年後の21世紀に届けてくれるポストカプセル郵便である。富樫さんはその手紙を、2001年の元旦に受け取ったのだ。「2002年 世界一周にいどむ」と書いた文面に触発され、翌年会社を辞めて日本を旅立った。
 彼のように、夢をもっていてもキッカケがなくて 踏み出せないという人は結構いるはず。本誌には、さまざまなキッカケを通して未知の世界へ挑戦した方々を取り上げることにより、勇気を起こし次のキッカケになればとの願いが込められているのである。
3・4月     取材申込み開始  

 
     メンバーのそれぞれが、テーマ『キッカケ』にふさわしい人々を探し、取材をスタートする。
 そのひとり佐藤は、ピアノをこのうえなく愛している。もともと両親が妹に買い与えたピアノだったが、弾くうちに自分の方が夢中になってしまった。プロにはなれなかったが趣味以上にピアノと関わっていきたい。彼は今年3月、高槻市で行われた市民コンサートに友人とピアノの連弾で出演する。二人が練習所に選んだのが、22ページで紹介する『遊音堂』だ。
 ここのオーナーもまたピアノを愛し、プロにはなれなかった一人だ。彼は焼肉店を経営しながら、赤字覚悟でピアノサロンを開いている。いったいなにが彼をそうさせるのか? この取材は佐藤が担当している。
 氷室は自らが学んでいた起業塾の講師である(株)マザーネットの上田社長、柴谷は前述の世界旅行をした富樫史生さん、本河は研究室を去る大学院生、横井は写真家 澤田知子さんにアタックする。
 富樫さんの取材では、世界一周から帰国したばかりの彼に、メールで申込みをしたところ快諾。その一週間後に富樫さんは大阪にやってきて、編集メンバー全員でインタビューを行った。取材後、さきの焼肉店で歓談した。
5月     タイトル『カネとゆめ』に決定  

 
     テーマはすでに決まっていたが、冊子のタイトルと表紙がなかなか決定しない。夢を叶えるためのキッカケ、それに欠かせないのが『ゼニ』だ。タイトルを話し合っている際、あるメンバーが『夢と金』を口にする。それを聞いたとき、頭の奥でなにかひっかかるものがあった。
 そう、少女マンガ雑誌『花とゆめ』に音の響きが似ているのである。表紙を花ゆめ風にバリバリの少女マンガにしよう! 居合わせたメンバー全員賛成のもと、冊子の方向性がより具体化した瞬間だった。
6月     最後の取材を終える  

 
     じつはこのとき、まだ取材のアポが取れていない人物がいた。写真家の澤田知子さんだ。
 彼女は今年3月、写真界の芥川賞と呼ばれる木村伊兵衛写真賞を受賞、つづいてアメリカの権威ある賞も受賞し、一躍『ときの人』になっていた。4月末にインタビューの申込みをしてアポが取れたのは6月半ば。取材を無事に終えたとき、ホッと胸を撫で下ろしたのはいうまでもない。
7月     『101人アンケート』 スタート  

 
     自分へ投資した最高金額についてのアンケートを手分けして集める。友人・知人だけでは数が足りなくて、この総合生涯学習センターに来ている人々に突撃でアンケートをお願いした。そのおかげであっと驚く話が聞けたことも。ちなみにこの101人という数字は、煩悩の数にかけていてメインの登場人物の数とアンケートの人数を足すと、108人になるのだ。
8月      

 
     『カネとゆめ』を制作するかたわら、昨年10月に課題で行ったインタビュー『ターニングポイント』を一冊にまとめるため、簡易印刷する。
9月      

 
     アンケートの数が101人に達成、集計する。その作業中、大阪に震度4の地震が発生。阪神大震災を思い出し、青くなる。
 編集後記を花ゆめにちなんでマンガ評にする。身近な題材のためか、みんなの原稿の仕上がりはこれが一番早かったように思う。
10月        

 
     とうとう原稿がでそろい、全員で校正作業をする。第三者の目でチェックすると、見落としていたところがけっこう見つかる。
 印刷会社へ原稿をデータ送信。大阪ガスの宅ふぁいる便だと、大容量のデータを一挙に送れるのだ(いやあ〜便利な世の中になりました)。
11月        

 
     とうとう卒業制作が完成。みんなでドキドキしながら『カネゆめ』のつまった箱を開封した。これから多くの人に読んでもらえますように。本は読まれてナンボなのである。
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