SMIT の使用

smit の起動

AIX には smit (System Management Interface Tool) というツールがある。 HP-UX で言うところの sam のような、システム管理のツールである。

X11 Window もしくは キャラクタ端末にて使用することができる。

X11 を使用すると、「smit マン」と呼ばれる人間を模したショボい絵が見られるが、 それ以外に GUI を使うメリットは無い。smit マンは、操作が成功するとガッツポーズ、 失敗すると反省ポーズを見せてくれる。がっくりうなだれる smit マンを見ると、 こっちもがっくりきてしまう。精神的な打撃も大きい。

話をもとに戻すと、基本的に GUI で使うものではない。 それでもどうしても GUI がいいというなら、 デフォルトではウィンドウサイズがクソでかいので、

# smit -geometry 800x600

程度の大きさにして使用するのがよかろう。

キャラクタ端末を使う場合、端末を vt100 など適当に設定しておく必要がある。 また、DISPLAY を持っていなければ勝手に CUI モードになるが、 DISPLAY を持っている時にも GUI を使いたくない場合には、

# smit -C
もしくは
# smitty

とすれば GUI は出てこない。alias smit=smitty してもいいだろう。 CUI は古き良き 80x24 程度の大きさでちゃんと動作するが、 縦横に大きくてもそれなりに動作する。

CUI モードではファンクションキーを使用することになる。 TeraTerm などで接続している場合には ESC+n (n は数字)で代用する。 グラフィカルコンソールで dtterm なら、問題なくファンクションキーが使える。 kterm でも、端末タイプを vt220 等にすれば問題ない。

ログ

smit で何かすると(画面を遷移しただけでも)、smit.log がホームディレクトリに 吐かれる。追加書き。で、さらに何かすると(定義とか設定とかのアクション)、 ホームディレクトリに smit.script が吐かれる。これも追加書き。 アクションの内容をシェルスクリプトで吐いてくれるのは大変重宝する。 なぜって、その中で呼んでいるコマンドを調べて、man を索けるからだ。 ハイレベルコマンドについては man ページが無かったりもするが、 裏でやっていることが見えるのは助かる。 ちなみにスクリプトは Korn shell 前提だ。

ファストパス

smit は単に起動するとトップメニューが出てきてズルズルと遷移していける。 この起動方法は、sam に近いイメージだ。 smit の特長としては、 特定の画面にたどり着くまで毎回ズルズル遷移しなければならないわけではなく、 キーワードを与えていきなりそこへジャンプすることができる。 このキーワードを「高速パス(FastPaths)」と呼ぶらしい。

高速パスのキーワードの一覧があれば便利なのだが、ない。 だが、個別の画面については、調べる方法はある。 smit で一回でもその画面にたどり着いたことができたなら、 F8 「イメージ」の技を使ってカレント画面の高速パスを知ることができる。 また、高速パスはある程度の法則性を持っているので、接頭語+ターゲットの 組み合わせを類推することもできる。 個人的な好みとしては、メニューの右側に常に表示しておくとか タイトル行に表示しておくとか…、何とかして欲しいんだが、 習熟すればそれも鬱陶しくなるのだろう。

よく使う、もしくは、時々便利なファストパスをメモしておく。

install_latest 最新パッケージのインストール
update_all     最新パッチの適用
assist         構成アシスト(OS インストール直後に出てくる奴)
chgsys         システム設定

mklvcopy       論理ボリュームのコピーを作成
syncvg         ボリュームグループの同期化

hostname       ホスト名の設定
etherchannel   イーサチャネルの設定
chinet         nic の設定
inetalias      alias アドレスの設定
mkroute        静的経路の追加
[$Revision: 1.1 $ $Date: 2007.12.09 18:40:45 $]
[EOF]