第十二話


 そのざわめきがおさまるのを見届けて、帝がおもむろに口を開いた。

「この国のお伽噺(とぎばなし)をよくご存知のようですが、となりの唐の国には、月天宮に美しい仙女がいるという伝説があります。仙女の名は、セイラではなくこう娥(が)と言いますが……。煌(きら)びやかな天女が、空から舞い降りて来たとあっては、この伝説にいかにもふさわしいと思いませんか?」

 セイラの当てこすりに、帝はやんわりと言葉を返して反応をうかがった。

 だが当のセイラは、なにかにひどくショックを受けたように、大きく目を見開いてじっと御簾の内をにらんでいる。

 帝はさして意に介したふうもなく、むしろ声に笑みを含んで先を続けた。


「都の者は、あなたが御仏の遣(つか)いだと噂し合っているそうですね。自分が誰であるかわからないというのは、大変に不幸な事ですが、この都では、少なくとも、あなたが現れたことは吉兆と受けとめられています。あなたをこの地に遣わしたのが何者であったにしろ、皆があなたを心のよりどころとしているのです。大切なのは、自分を必要としてくれる者がいるということではありませんか?民心を安んじるためにも、できるだけ長く、あなたがこの都にとどまってくれることを願っています。私も、大国主命(おおくにぬしのみこと)になれるよう努めてみるつもりですが……後ほど、機会があれば、ゆっくりと話がしてみたいものですね」

 朝見(ちょうけん)は、あっという間に終わった。

 だがセイラは、帝が高御座(たかみくら)から奥へ姿を消した後も、なにかに心を奪われたように、茫然としたまま立ち上がれずにいた。

 ――あの声は……あれは、まさかっ!?

 突然、セイラは弾かれたように身をひるがえして、上座を占める皇族や公卿の顔を、目を皿のようにしてながめ回した。

 尹(いん)の宮の顔が見えた。談笑している右大臣や権(ごんの)大納言の顔も―― 

 そこに、探し求める人物の姿が見当たらないとわかると、セイラの疑惑は確信に変わった。

「セイラ、どうかしたの?幽霊でも見たような顔してるよ」

 いつの間にか、側にやって来ていた篁(たかむら)が、セイラのようすがおかしいことに気づいた。

「セイラ、セイラってば――!聞こえてるの!?これからぼくと二人で、麗景殿女御(れいけいでんのにょうご)にご挨拶にうかがうんだよ!」

 肩を揺さぶりながら、心配そうに話しかける篁の声を、セイラはひどく遠くで聞いていた。





 紫宸殿(ししんでん)の東廂(ひがしひさし)をめぐって、左近陣座(さこんのじんざ)の前を通り過ぎ、後宮へと続く長い渡(わたり)廊下を、セイラは篁にともなわれて歩いていた。

「麗景殿女御は、ぼくの姉上なんだ。姉上と言っても、女御となられてからはあまりお会いする機会もなかったんだけど、この間、久しぶりに姉上の方から呼び出されたと思ったら、拝謁(はいえつ)がすんだ後のセイラを必ず麗景殿まで連れてくるようにって言われてさ。姉上も、これだけ騒がれてるセイラのこととなると、やはり関心がおありになるんだね」

「――篁、ひとつ聞いてもいいかな?」

 帝への拝謁が無事に済んだことへの安堵からか、いつになく饒舌(じょうぜつ)な篁とは対照的に、それまで思いつめたように黙りこくっていたセイラが、立ち止まってぽつりと言った。

「ん――?さっきからえらく難しい顔して考えこんでたこと?」

 篁は振り返って、人なつっこい笑顔を向けた。

「ぼくでわかることだったらかまわないけど……なに?」

「帝は、もしかしたら、目もとのあたりが少し尹の宮殿に似ておられるんじゃ――」

「あれっ!よく知ってるね、セイラ。ぼくも初めて尹の宮殿にお会いした時、そう思ったんだ。そりゃあ、血のつながったご兄弟でいらっしゃるから、似ておられるところがあるのは当然といえば当然なんだけど、ぼくはその時、妙に感じ入ってしまったよ」

「やっぱりそうか――!」

 セイラは頭をコツンとたたいて、いらいらと髪の毛をかきむしった。

「権大納言殿あたりからお聞きになったの?今上のご尊顔を垣間(かいま)見ることができる方は、限られてるからね」

 言いながら、セイラをうながして、篁は再び歩き出した。

「ぼくは近衛(このえ)だから、たまに御身辺の警護をまかされたりするけど、真尋(まひろ)や若い公達なんかは、畏れ多くも今上を端(はし)近くで拝見するのは滅多にないことで、そのことはあまり話題にはのぼらないけどね。それに、似ておられるといってもそれとなく感じられる程度で……」

 そこまで話して、篁はふいにあることに気づいた。

「でも、そのこととセイラが難しい顔をしているのと、どう関係があるんだい?」

「あるさ!大ありだよ――!」 

 日頃、機嫌の悪い顔など見せたことのないセイラが、声を荒げるのを聞いて、篁は珍しいこともあるものだと思った。

 理由(わけ)を聞こうと口を開きかけたちょうどその時、あちこちの御簾(みす)や几帳(きちょう)の陰から、女房たちの華やいだささやき声がもれてきた。

「ねえねえ、あのお方よ。噂の……」

「まあ!なんてきらきらしい……の宮と、どちらが……」

「あたくしは………がいいわ。だって……うふふ」

「まっ、そのようなこと……さまに言いつけて……ほほほっ」

 口さがない女房たちの好奇に満ちた視線を感じ、顔を赤らめ足早に通り過ぎようとした篁のとなりで、セイラは姿の見えない見物人に向かってにっこりと微笑んでみせた。

「セイラと申します。よろしくお見知りおきを」

 途端に、キャア――ッ!と言う悲鳴のような歓声が、そこら中からあがった。

 それを横目で見やりながら、篁はなんとも言えない複雑な表情(かお)をした。

「ふうーっ!それにしても、セイラが今日初めて参内したなんて、とても思えないや」

 麗景殿の廂(ひさし)の間に通されるなり、篁が拗(す)ねたようにつぶやいた。

「どうして?」

「だってそうだろう。ぼくよりもずっと宮中の雰囲気になじんでるようにみえるし、今上に拝謁の折だってセイラは悠然としててさ、みんなを笑わせる余裕さえあるんだからね。かえってぼくの方が緊張してドキドキしたくらいさ」

 篁はぼやいて、またハアーッとため息をついた。

「私だって、もちろん緊張したさ」

 涼しい顔でそう返されると、篁は頬をふくらませてプイと横を向いた。

「とてもそんなふうには見えなかったよ!」

「心の中では怖じ気づいてても、面(おもて)には表れない性質(たち)なんだ。嘘じゃないよ」

 セイラは、篁の子供っぽい横顔をながめながらクスクスと笑った。

 そのセイラの笑いが、ふいに途切れたかと思うと、みるみる顔を曇らせた。

「篁、どうやら私は、帝に一杯食わされたらしい」

「食わされた――って、セイラが、今上に?」

 セイラはうなずいて、思いをめぐらすように瞳を伏せた。

「数日前、私は帝にお会いしている。『建(たける)』と名乗っておられたが、声は先ほどお聞きした帝の声とそっくりだった。おそらくは、私を下見に来られたというところかな」

「そんなことがあったのか!?」

「ああ。それ以前にも、お顔は拝見してないが二度ほど会ってるんだ。ほら、東の市でぶつかってきた車の主だよ」

「あれっ、今上だったのか――!?」

「そういうことらしいね。その後、清水寺の縁日でもお会いしている」

「今上が、お忍びでそんなことを……!」

 目を白黒させて驚いている篁に、セイラは苦々しく言葉を吐き捨てた。

「この国の帝は、一体なにを考えておられるんだ?毛色の変わったよそ者が一人まぎれこんだからといって、それをわざわざからかいにやって来るなんて、帝ともあろう方が、身分を隠してまでなさることかい!?」

「――お気持ちを察するに、セイラによほど関心を持たれたんだろうな」

 しみじみとした口調で篁が言うと、

「帝は、人に関心を持つと、口説く真似をなさったりするのかい?」

 セイラはムッとして篁をにらんだ。

「帝が、口説いたぁ!?」

 鳩が豆鉄砲を食らったような篁の顔が、次第に苦しそうにゆがんで、とうとう我慢しきれなくなったように吹き出した。

「そうかぁ、セイラは今上に口説かれたのか。あっははは……」

「口説かれたんじゃなくて、からかわれたんだよ!なにもそんなに笑うことないだろ、篁!」

 ドタバタと二人の取っ組み合いが始まったところに、女御付きの女房が現れた。

「ただいまより、麗景殿女御さまがお出ましになられます」

 その声を合図に、一段高い御座(おまし)の御簾の向こうに、人の気配がした。

 セイラと篁は、あわてて居ずまいを正しにかかった。

「なにやら楽しげな声がしていましたね、右近衛(うこんえの)少将。相変わらず元気そうでなによりですこと」

「はい。姉上にも、お変わりがなくてなによりです」

「となりにおられるのは月の君ですね?噂どおり、輝くばかりに麗しい方でいらっしゃるのね。あなたにお会いできるのを、わたくし、それはもう楽しみにしておりましたのよ」

「女御さまにそのようにおっしゃっていただけるとは、身に余る光栄に存じます。右近衛少将をはじめ、右大臣家の皆さまには、常々大変善くしていただいており、感謝いたしておりました。この度も、右大臣殿にはわたくしのような者に格別のご尽力、ご配慮を賜(たまわ)り、帝への拝謁がかないましたことを厚く御礼申しあげます――」

「ほほほ……。月の君、堅苦しい挨拶はそれくらいにしておきましょう」

 その時、合図があったのか、内側から御簾がするすると巻き上げられた。

「それよりも、こちらにお寄りになって、月の君が空から舞い降りて来られた時のことをお聞かせくださいませ」

「喜んで、と申しあげたいところですが……わたくしは、その時のことをなにも覚えておりません」

 セイラははにかんだように笑って、篁を振り返った。

「ですが、命の恩人である右近衛少将なら、わたくしにかわって、女御さまに話をお聞かせできると思います」

 麗景殿女御は、小柄でふくよかな妃(ひめ)だった。

 顔立ちは、飛びぬけた美貌を誇るというほどではなかったが、篁によく似たほがらかな笑顔には、人の心を和ませる力があった。

 その篁の話に、目を丸くして聞き入っていた女御は、しばらくして、ほーっと感嘆のため息をもらした。

「月の君は、やはり天界からまいられたのですわね。日暈(ひがさ)のような光る乗り物が空から降ってくるなど、この世のこととも思えませんもの。ましてやそれが、跡形もなく消え失せてしまうなど……あらっ?」

 女御はそこで、急に口許(くちもと)を押さえた。

「まあ!それでは月の君は、たとえ記憶が戻ったとしても、もう天界に戻ることができなくなってしまったのでは……?」

 その言葉に、篁はギクリとしてセイラを振り返った。

「女御さま、わたくしは自分が天界からやって来たなどとは考えておりません。確かに、わたくしを運んできた乗り物はなくなってしまいましたが、記憶が戻りさえすれば、それがどんなに遠い故郷(くに)であろうと、必ずや海を渡っていけるものと信じております。それに……」

 セイラは、穏やかな笑顔を篁に振り向けた。

「この国にやって来て、わたくしは得がたい友人を二人も得ることができました。二人がいなければ、わたくしは今頃どうなっていたかわかりません。不安がない…と言えば嘘になりますが、二人が支えていてくれるおかげで、わたくしは希望を捨てずにいられます」

「セイラ……」

 篁は胸を熱くして、力強くうなずいた。

 ほほえましそうにそれをながめていた女御は、なにを思ったか、ふいに女房たちを下がらせた。

「月の君は、お強い方でいらっしゃるのね。でも、今の言葉をもし主上(おかみ)がお聞きになったら、やきもちを妬かれるかもしれませんわ」

 言葉の意味をはかりかねて、二人が同時に問いかけるような眼差しを向けると、女御は打ち明け話をしたくてうずうずしている子供のように、扇の陰で何度もふくみ笑いをもらした。

「主上も、月の君には特別な関心をお持ちになっておいでですのよ。実は、今日ここへ月の君をお呼び立てしたのも、わたくしではなく主上が仕組んだことですの。うふふ。わたくしは、お二人を引き合わせるための隠れ蓑(みの)に使われたのですわ」

 セイラと篁は、きょとんとしてお互いの顔を見やった。

 知っていたか――?というセイラの無言の問いかけに、篁はあわてて首を振った。

「女御さま、おっしゃっておられることの意味がよくわからないのですが……わたくしが帝への拝謁を賜ったことを申されているのでしたら――」

「いいえ、そうではありませんわ。主上は、公の席ではなく、できれば月の君とお二人だけで対面なさりたいと思し召しておられるのです。とは申しましても、参内(さんだい)されたばかりのお方を、主上がいきなりお側にお召しになるというのは、前例のないこと。月の君は常のお方ではなく、天界からまいられた世にも尊いお方として知れ渡っておりましても、父上や権大納言さまはともかく、他の大臣はあまりいい顔をなさらないでしょう。宮中というところは、主上といえども、そういう窮屈(きゅうくつ)な人間関係にしばられてしまうようなところがあるのですわ」

 まったくだ――と言いたげに、篁はうんうんとうなずいた。

 その横で、セイラはふと、『閑職に甘んじている身にすぎない――』と言った建(たける)の言葉を思い出していた。

「ですから主上は、一計を案じられましたの。麗景殿にお立ち寄りになるふうをよそおって、そこに偶然居あわせた月の君となら、お話をされてもなんのさわりもないだろう、と。ふふふ…。月の君、主上のご熱意をおわかりいただけましたかしら?……あらっ!そう申しあげている間にも、さっそくお越しになったようですわね」

 女御が視線を移した先には、廂(ひさし)の間の入口に、両手をついて座っている女房の姿があった。

「女御さま、ただいまより主上が、こちらにご機嫌うかがいにまいられたいとの仰せにございます」

「そう。では、すぐにお仕度を……」

 その声を合図に、セイラを間近で一目見ようと待ちかまえていた女房たちが、わらわらと部屋に押し寄せてきた。

 几帳(きちょう)や脇息(きょうそく)が運ばれ、にわかに活気づいた雰囲気の中で、帝を迎える座の用意が調(ととの)えられていくのを、ひとりセイラは憮然(ぶぜん)とながめていた。





 先触(さきぶ)れの女房が帝の訪れを告げると、その後からシュッシュッと歯切れのよい衣擦(きぬず)れの音が近づいて来て、聞き覚えのある声がした。

「おやっ、先客がいたとは知りませんでした。楽しい語らいの場を、私は邪魔してしまったのではありませんか、麗景殿?」

 御座を降り、下座に座り直して帝を迎えた麗景殿女御は、笑いをこらえながら、脇にひかえているセイラと篁を見やった。

「主上(おかみ)の名演技は、残念ながら無駄になってしまいましたわ。わたくしが今しがた、なにもかも打ち明けてしまいましたの」

「なんだ。麗景殿はもうばらしてしまったのですか?それは惜しいことをしました。せっかく、月の君の驚く顔が見れると思ってやって来たのですが……」

 帝は、さほど惜しくもなさそうに上機嫌でそう言って、女御が退いた後の御座に腰を下ろした。

「主上には、今日はことのほかご機嫌うるわしそうで、おめでとうございます。お待ちかねの仙女がまいられ、さぞお喜びのこととは存じますが、それにしましても、主上のこのように晴れやかなお顔を拝見するのは、久しぶりのような気がいたしますわ」

「なんと囃(はや)されても、私には返す言葉がありませんよ、麗景殿。あなたには、心から感謝しているのですから」

「まあ。主上を囃すなどと、とんでもございません。お心に適(かな)うよう、お役に立てて本当によろしゅうございました。ほほほ…」

 女御は、目尻が下がりっぱなしの帝を見上げて、少女のように若やいだ声で笑った。

「では右近衛少将、この場は月の君にお任せして、わたくしたちはそろそろ向こうにまいりましょう。姉弟同士の積もる話もあることですし……少将殿?」

「あっ、はい!」

 呼ばれて、篁は弾かれたように顔をあげた。

 実のところ、篁は女御に話しかけられたことにも気づいていなかった――と言うよりも、意外なことの成り行きに放心していた、と言った方が正しいかもしれない。

 セイラから聞かされた話を、信用していなかったわけではない。

 だが篁はそれを、心のどこかで、帝のほんのいたずら心だろうと考えていた。それが……。

 ――『なんと囃されても――』だって!?『特別な関心――』どころか、これじゃまるで、今上はセイラに……。

 複雑な想いを抱えたまま、女御に促(うなが)されて篁は立ち上がった――つもりだった。

 次の瞬間には、腕をつかまれて、強引に座に引き戻されていた。

「セイラ――!?」

 篁はギョッとしてセイラを凝視(み)た。

「離してくれよ。ぼくは麗景殿さまに呼ばれているんだよ」

 セイラは視線を前方に向けたまま、行くな――とでも言うように、依然として手の力をゆるめようとしない。

 その時、御座からクスクスと笑い声がおこった。

「おやおや、ずいぶんと警戒されたものですね。私はなにも、月の君を取って食おうとしているわけではないのですが……まあ、いいでしょう。月の君が望むなら、右近衛少将も残るように」

「おっ、恐れいります!」

 篁は、それが自分の責任であるかのように、がばとひれ伏した。

 部屋の中に三人だけになると、帝はセイラと篁を御座の近くにまねき寄せた。

「また、会えましたね。月の君」

 親しげに声をかけられて、セイラはことさらに取り澄ました顔をつくった。

「この国の帝は明君であられると聞きおよんでおりましたが、その上に、どうやら大層ないたずら好きでもあられるようだ」

 取りつく島もないといったそっ気ない言い方で、つんと顔をそむける。

 帝はさすがに苦笑して、セイラの斜め後ろにひかえている篁に助け舟を求めた。

「やれやれ。右近衛少将、月の君は容赦のない方らしいね」

「いえ、あの、そのようなことは……」

 篁ははらはらしながら、哀願するようにセイラの横顔を見つめた。

 だが、セイラは相変わらず、きつい目もとをくずそうともしない。

「わたくしは御仏の遣いでもなければ、仙女でもございません。わたくしのことは、どうぞセイラとお呼び下さい、建さま?」

 そう言って、唇の端に意地の悪い笑いを浮かべた。

「月の君の呼び名は、尹の宮がつけたのですよ。私は気に入っているのですが……ではセイラ、そろそろ機嫌を直してくれませんか?これでは、話が先に進まない」

 帝は顔を曇らせて、いささかもてあまし気味に懇願(こんがん)した。

 後ろでは、篁がしきりに袖を引っぱって手を合わせている。

 二人の顔を見ているうちに、セイラは急に大声で笑い出しそうになった。



  次回へ続く・・・・・・ 
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