―今をさかのぼること三年前― 『2001年11.24 オフィシャル・トピックス』から 集英社・文庫本キャンペーンである<ナツイチ>にて『鳩の栖』を ありがたくピックアップして頂きましたが、リーフレットの著者プロフィールの紹介で 『少女アリス』なる極めて気持ちの悪いタイトルの作品が私の著作として記されており、 訂正を求めたばかりです。 さて、この発言。作家として当然ですよね。誤植されたんですから。 でも気になるのは 『少女アリス』なる極めて気持ちの悪いタイトル〜 のくだり。……『少女アリス』ってタイトル気持ち悪いでしょうか? 長野さんは河出書房新社から同名の本が出版されているのをご存知ないのでしょうか…… この同名の本は「不思議の国のアリス」をイメージした少女写真集。著者は沢渡朔さん。 これは間違いなく沢渡朔さんの『少女アリス』というタイトルが気持ち悪い、 と発言しているのです。 たぶんこの本が河出書房新社から出版されていることも、間違われたタイトルの本が存在したことも 偶然だと思います。けど! 長野さんの言葉を借りていうならば、正に 出版という仕事に携わる人々の中に、 言語に関して鈍感な人がいることを容認できません。 『2001年11.24 オフィシャル・トピックス』から ではないでしょうか。 |
アリスに関しては他にも問題がありました。 むしろ騒ぎとしてはこっちのが大きかった。 それは坂本真綾さんのCD、 ←『少年アリス』。(オリジナル4thアルバム、ビクターエンタテイメントから03年12月発売) 有名な声優さんなのでご存知の方もいるかもしれません。 当時このアルバムタイトルをめぐって一部のファンの間で話題になりました。 「少年アリス」はオリジナル造語だから、他の作品に 使われるのは著作権違反じゃないか、盗作にあたるのではないか、 と。 長野さん自身もこれまたオフィシャルトピックスで似たような意見を言っていました。 付け加えるならば、 私の《少年アリス》の独自の世界と構造は強固なので、 他のものに使われても、そんなもののイメージは排除するだろうという自信がある。 ...というようなことを、書いておられたそう…です。 (ちなみに)長野さんにこのことを教えたのも長野さんのファンだったらしいです。 坂本真綾さん自身は8才の時にに映画「不思議の国のアリス」でアリスの吹き替えをされていたから 思い入れもあったようだし、ラジオでも 「少年」も「アリス」もそれぞれまったく、 別の印象を持った単語ですが、私自身、今までも、 "僕" っていう一人称で歌を歌うことが多くて、 自分でもそっちの方がしっくりくる場合が、多いんです。 何でなのか、と思ったら、 "僕" で 歌いたい時はどちらかっていうと、男性の視点の 歌じゃなくて、男性でも女性でも、年齢をも、 何もかも限定したくない時、いろんな人に向けて、 歌いたい時、あの広い意味で自分というものを 捉えたい時、"僕" っていう言葉の方がしっくりくると思うんです。 今回も僕僕僕っていろんな歌で歌ってるんですが、 気ついてみれば私自身、女だけど、男っぽい部分も持ってるし、 大人っぽい部分、子供っぽい部分、強気な部分、 弱気な部分、いろんな相反するものを併せ持った存在だと思うんです。 いろんな、本当は矛盾する? 一緒にあってはおかしいようなものが、 人間て本当に、1つの体の中に、入ってるわけです。 それを、「少年アリス」という言葉で、なんかこうぴったりかな? と思って。(一部省略) 坂本真綾「少年アリス」ラジオインタビュー全文(外部リンク) と発言してます。 長野さんの『少年アリス』を踏まえている訳ではないようです。ですが、 「少年アリス」という言葉から想像できる、少女性を秘めた少年アリス(少年性を秘めた少女アリス) だけに留まらない、性別を超越した物語にしたい、というのは長野さんの 作品の根本的なテーマと、根ざす部分は同じなんじゃないか・・・と思うんです。(むしろ アリスフリークにとっては興味深いのでは?) 長野さんの態度が大人気ないなんて言うつもりはありません。自分の処女作であるからこそ こだわりもあるのでしょう。歓迎しろとは言いませんが、もう少し他の対応を考えて 欲しかったな〜、とも思いました… (ファンとしては。こんな俗っぽい?長野さんも好きっちゃ好きなんだけど!ね。苦笑) 余談。「少年アリス」を含む作品を検索してみました。で、結果。 不思議の国の少年アリス 小林瑞代/著 Wings comics 新書館 93年08月発行 少年アリスの憂鬱 水無月さらら/著 花丸文庫 白泉社 01年発行 よ、良かった。長野先生の『少年アリス』(89年発行)が一番最初に出版されてましたよ!!(一安心) 探してみると結構あるもんですね〜 |