北海道のわかさぎ釣り

私がワカサギという魚を初めて釣ったのは今から40年位前、神奈川県に在る芦ノ湖という湖でした。
釣り好きの友人と手漕ぎボートに乗り、ルアーロッドに空針仕掛けを垂らして、結構な数を釣り上げていました。
釣りを終えて帰る時に毎回、船のアンカーが湖底の岩に挟まって苦労したのを憶えています。
札幌に戻ってからは、氷の上に乗れる時期はワカサギ釣りに熱中していきました。
長年ワカサギ釣りをしていると、他の人よりは少しばかり釣果を伸ばすことが出来るようになりました。
よく初心者の方からワカサギ釣りのコツを聞かれることが有るのですが、他の釣りと同様に一言で『これが正解!!』というものはありません。
北海道でのワカサギ釣りは何時でも、どの場所でも大漁というイメージがありますが場所や時間によっては慣れた人でも貧果に終わったり繊細な釣りを要求されることがあります。
その様な日は、初心者の方には大変厳しく寂しい思いで帰られた方も多いと思います。
そこで私が氷上のワカサギ釣りをしていて、気が付いたことを少しだけ書き出してみました。
ただし、全てこの通りにすれば必ず釣れるということは勿論ありません。
少しでも気に留めていれば泣きながら帰宅することは少なくなると思います。


【 ポイントについて 】


    毎日の様に湖に通っていれば大体のポイントは分かってくるのですが、慣れない初めての湖へ
    行った場合などは、地元のベテランに聞くか当日現地で釣れている方の近くで釣るのが一番です。
    この時は先客に一声かけて挨拶をすることが大事です。
 

【 時間帯について 】


    よく釣りは「朝まづめ」、「夕まづめ」と言われていますが、ワカサギに関していえば夕方より
    朝の時間帯の方がはるかに釣れる様に思います。
    早朝から釣れることも有れば、9時頃から釣れ出すことも有りますが、大方は午前中の
    勝負となります。
 

【 曜日について 】


    土、日、祝祭日は、会社や学校が休みとなり、家族連れなど多くの釣客で賑わっています。
    子供たちも釣りに飽きると氷の上を楽しそうにハシャギ回ります。
    どうしてもワカサギ達は静かな場所へ移動してしまいます。
    また月曜日に釣れないのは、散ったワカサギが元の場所に戻る迄の時間が必要ではないのかと
    勝手に想像しています。
 

【 棚(深さ)を見つける 】


    北海道でのワカサギ釣りは、基本的にはベタ底の釣りなのですが、時間帯によっては、中層、
    上層(氷下50cm前後)に集まることがあります。
    釣れている時は問題無いのですが、アタリが止まり出したら棚を探して下さい。
    例えば2本の竿で釣っていたら1本は中層、もう1本は上層という具合に棚を探ります。
    2〜3人の仲間であればそれぞれが棚を変えて、良く釣れる棚を見付けたら皆でそれに合わせる
    ようにして下さい。
 

【 誘い 】


    魚が居るのに餌を喰わない(のらない、口を使わない)時は誘いをしてみましょう。
    誘った後は仕掛けを静止しアタリを待ちます。静止した数秒後にアタリが多く出ますので、
    集中して下さい。
    誘い方は人によって様々で、どれが正解というものはありません。
    例えば
     ・30〜50cmの幅でゆっくり仕掛けを上下させる。
     ・10〜20cmの幅で仕掛けを早目に上下させる。
 

【 アワセを素早く 】


    釣れる日のワカサギはどの棚でも、エサが少々くたびれていても、向こうアワセで釣れてきます。
    また、エサを付けなくても(空針仕掛)、仕掛を上下するだけで釣れてきます。
    しかし、あまり喰い気の無い時は、エサを咥えても直ぐに吐き出してしまいます。
    頻繁にアタリがあるのに針掛かりしない時はアワセを素早く行って下さい。
 

【 餌をこまめに交換 】


    新鮮な餌ほど喰いが良くなります。
    せっかく集まって来た群れを散らさない為にも、エサ交換は大事な作業です。
 

【 手返しを素早く 】


    ワカサギは群れで移動しています。良く釣れる時は氷下の仕掛の周りに群れが集まって
    いるのです。
    釣れた魚を針から外す時、群れの近くにはエサがありません。新しいエサを付けて早く
    仕掛けを落としてやらないと、群れはエサを求めて他へ移動してしまいます。
 

【 撒き餌について 】


    私は全く撒き餌をしません。
    私の場合、「ワカサギを釣る」ということと「ワカサギを食べる」という2つの楽しみがあります。
    ワカサギは海の魚と違い頭や腹を取らずに料理するのが殆どなので、コマセ味のワカサギは
    いただけません。
    よくワカサギを料理して食べる時に、『釣り餌のことを考えるとちょっと・・・ 』という方が
    いらっしゃいますが、魚を釣り上げたら弱らせない様にして水を張った容器の中で泳がしておくと
    口に残った餌も直ぐに吐き出します。
    また、残した撒き餌を水の中へ撒いて帰る人も多く見かけます。
    ワカサギという魚は水質に大きく影響を受けるみたいで、水の綺麗な湖で育ったワカサギの味は
    格別です。
    ただ、富栄養過多の湖のワカサギは味は悪いですが型が大きく数も出るので冷凍しておいて、
    もっぱら海釣りの餌にしています。
     


以上、気に付いた事を書き出してみました。少しは釣果アップになればと思いますが、
人それぞれ釣りのスタイルや考え方があると思いますので『ワカサギ釣りを楽しむ』ことの方が良さそうな気がします。皆さんは如何でしょうか


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