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「臨海」開発は都民いこいの場に見直しが可能
都民負担も軽くなることを解明
●懇談会の報告前に、論議を無視する局の強硬姿勢

 4月19日の「臨海」開発特別委員会で、港湾局の石川雅巳局長は、公明、新進など開発推進派の質問に答え、「5月中に都としての見直し方針案を策定し、早ければ6月の第2回都議会定例会の会期中、遅くとも6月中には方針を決定したい」と答弁しました。

 月内にも予定される「臨海副都心開発懇談会」(知事の諮問機関)の最終報告が、基本的な見直しの方向で複数意見併記となる見込みであるにもかかわらず、わずか1か月後には都の方針案を発表するという重大な答弁をしました。

 日本共産党西田都議は、「最終報告の内容を全都民的議論に付し、十分な時間をかけ都民合意を得て、都の方針を決めていくべきだ」と主張し、結論を急ごうとする都の姿勢を批判しました。

●開発の用地ただ取りを計算に入れれば「継続」がはるかに割高

 同じ委員会でそねはじめ都議は、港湾局が懇談会に提出した「開発継続」と「中止」の都民負担の比較資料を批判。「都民のいこいの場をめざす方向へ開発を転換することが財政負担も軽減する道でもある」と強調しました。

 そね都議は、「開発継続」の場合は都有地を売却する前提になっているが、抜本見直しすれば都民の手に100ヘクタール以上の都有地が残ることを指摘。

 この二つを公平に比べるためには、都民に残る財産の比較を加えなければ意味がないと強調しました。

 また、93年9月の開発見直しの際に、都民の財産である都有地183ヘクタールを臨海開発事業会計が買い取って利用する方式だったのを、無償で使うやり方にしたことに言及。しかも今回の港湾局の「開発継続」の場合の試算では、これを完全に踏み倒すことになっていると述べて、こうした「隠された都民負担を加えれば、それだけで『継続』の方が都民負担が重くなる」と指摘しました。

●環境にプラス・「森の中の都民施設」構想を

 そね都議は、港湾局が外部委託して調査した、臨海部のヒートアイランド現象についての予測調査で、現行開発を続けた場合では「森」にした場合より1度くらいの温度差が出るとの結果が出ていることにふれ、「やはり環境に大きな影響を及ぼす大型開発だ」と批判。

 都民は臨海部を、文化・スポーツ施設、住宅、福祉施設などが樹木の中に立っているようないこいの場にしていくことを望んでいると述べ、こうした方向への見直しこそ、東京の環境を改善に向ける道だと主張しました。

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