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建設住宅委員会96年3月19日 都立霊園値上げ反対、道路予算が幹線道路の単独事業にシフトしているのを追及

 

◯曽根委員 私からは三点ほど質問したいと思うのですが、初めに、今回、霊園使用料の値上げが提案されておりますので、この点について何点か質問したいと思います。

  今回は、議案で、多磨霊園内のみたま堂の長期収蔵施設の使用料を三十七万五千円から五十六万二千円に一・五倍に引き上げるものですが、これから三十年間、長期に収蔵、保管する施設で、人によって料金が、いわば二重になってしまうという点で、非常に値上げそのものについて私疑問を持っているのですが、この値上げの根拠につき、まずお聞きします。

 

◯阿部参事 都立霊園の使用料及び管理料につきましては、他の公営、民営霊園と比較いたしまして著しく低廉でありましたため、平成七年四月に一・五倍の改定をいたしたところでございます。一般的に、料金の見直しは三年ごとに行っておりますが、多磨霊園みたま堂は、平成五年度から新規に貸し付けを開始したものであるため、昨年は料金改定を見送った経緯がございます。

  今回の改定時期に当たりまして、見直しを行ったところ、相当程度の改定の必要がございましたが、急激な変動を避け、昨年実施した他の霊園の料金改定率を参考といたしまして、一・五倍の改定を行うものでございます。

 

◯曽根委員 今、お話を伺いますと、まず公共料金は三年ごとに値上げ、料金改定を行っている、この点でもう私たちは、自動的に三年ごとに料金見直しをすることについては反対をしているわけです。しかも、この霊園使用料というのは、民間の施設でいえば永代供養料に当たるもので、一回いただきますと、これでもう長期に保管をするという性格の料金ですので、他の公共料金とも性格が違うと思うのです。

  一回きりの料金が、去年とことしの保管開始の違いだけで五割も違っている。しかも、あとは三十年間、長期収蔵期間、別に扱いが違うわけではない。ただ去年とことし、貸し付けの時期が違ったために、三十年間の保管料が違ってしまう。これは私は利用者からも、また常識的にいっても、到底納得は得られないんじゃないかと思うし、ほかの民間の施設であれば、こういうことはちょっと考えられない。永代供養料が、まだ全部が埋まっていない段階、新規に貸し付ける段階で料金がもう違ってくるということは、ほかは考えられないと思うのですが、どうして新規の貸し付けが全部埋まるまで統一料金にできないのでしょうか。

 

◯阿部参事 原則といたしまして、都立霊園の使用料及び管理料は、改定が必要になった時期に常に見直すべきであると考えております。また、昨今の都営墓地の逼迫状況の中で、私どもは、一般的な公募につきまして長いスパンでもって貸し付けを行っておりますので、そうした長い期間の中では、こうしたいろいろな諸経費の増高等により改定が必要になってくる、そのときには、やはり使用料及び管理料の見直しを行うべきではないかと考えているところでございます。

 

◯曽根委員 この料金が、これから毎月取っていく維持管理費がありますね、この料金であれば、そのときどきの維持管理費の経費が変わってくるということはあるかもしれません。しかし、いずれにしても、同じ条件で少なくとも三十年間長期に保存する人に対して一律の料金ができないという理由には、今のお話はならないと思うのです。建設費などを考えて、応分の負担を都民にお願いするということですから、当然、当初から見通しを立てて、料金を同一で最初から貸し付ければいいことで、こういう料金改定のやり方は私たちは納得できないと、反対の態度をこの際申し上げておきたい。

  それで、今、こういった霊園施設について、長期に貸し付けていくというお話がありました。今回のこのみたま堂は、もともと三年程度で全部貸し付けを終了するというふうなお話を聞いていたのですが、今回の貸し付けの計画では、来年度、今回一千カ所ですか、一千柱というんですか、貸し付けをする。まだこれでも全部埋まらないということなんですが、いつまでに、みたま堂全部の貸し付けを終了するのか、これの見通しは立っているんでしょうか。

 

◯阿部参事 今後、多磨霊園のみたま堂では、総計二千余基を貸し付けることが可能でございます。それらにつきまして、具体的に各年度割りをどうしていくかにつきましては、現時点では確定しているわけではございませんが、今後の施設整備の動向あるいは需要動向等を勘案の上、検討していきたいと考えておるところでございます。

 

◯曽根委員 結局、次の施設、次の霊園の見通しが立たないので、一遍にみたま堂の募集を出さないで小出しにしていって、次の施設が具体化するまでのつなぎに使っていくというのが実態じゃないかと思うのです。都民の側からいいますと、今、霊園で、特に墓地の方が新しい計画がまだ出ていなくて、申し込むとしても空き家募集だと。

これはもう数がごく限られていますから、都民の中で、都立の霊園を早くつくってほしいという要望が大変強いわけです。こういった霊園の計画を急ぐ必要があると私は思うのです。

  そこで、今計画が出されている青梅の霊園ですね、これが、もともと霊園計画だったのが、今総合公園計画として三カ年計画にものっているわけです。私は、これは何も広大な総合公園にしなくても、霊園計画として早く具体化をして、一日も早く都民に提供するということを考えるべきじゃないかと思ったのですが、どうして総合公園化になってしまったのか、この経過について最初にお聞きしたい。

 

◯桜井公園緑地部長 青梅総合公園、仮称でございますが、その構想につきましては、平成五年十二月に、青梅市との基本合意に基づきまして発表いたしたものでございます。その際、これからの霊園のあり方としまして、単に霊園だけではなくて、公園と霊園を合わせたような、一般都民もレクリエーションというふうな観点から総合的に利用できるような公園ということで整備をすべきではないかというふうに考えて、その構想を示したものでございます。

  現在、どのような形で整備をするかを検討を進めているところでございますが、緑地を保全する部分につきましては、現状を改変することはできるだけ行わず、また施設整備を行う部分は、なるべく地形等を生かした土地利用を考えまして、霊園のみの整備と比べまして、特にその整備期間が異なるということはないと考えております。

 

◯曽根委員 霊園だけつくるのとそう違いはないというお話ですが、これは都市計画公園で、基本的には東京都が土地を買い上げていくわけです。霊園の面積からいったって、相当な広さをそこの外側に買い取りでつくっていく、しかも都市計画公園。

  聞くところによると、地元の説明会では、今お話のあったように、どなたでも利用できるようにということで、いろんな施設の提案があったと。何といいますか、相当大盤振る舞いという雰囲気だったというふうに地元の方から聞いているんですが、具体的に都市計画公園として総合公園をつくる中で、どういう施設ができるのだという提案をされたのですか。

 

◯桜井公園緑地部長 仮称青梅総合公園構想の地元説明会等につきましては、まだ霊園設置の諸条件については協議中でございまして、具体的な施設は提案する段階には至っておりません。地元からの要望を真摯に受けとめまして、今後とも検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

 

◯曽根委員 具体的な提案はされていないというお話なんですが、私の聞いているところでは、相当いろんな話が出ているのですよ。

自然探勝型の施設として、ハイキング道路や研究路、展望施設、観察小屋、あと観賞園として、野草園、ハナショウブ園、多摩原風景園、観光農園として、竹林、果樹園、市民農園、体験型としてピクニック広場やキャンプ広場、民俗資料博物館、環境芸術広場、交流ホール、多目的芝生広場でファミリーゴルフやゲートボール、野外劇場、総合スポーツ施設として、野球場、水泳施設、ゴルフ練習場など、その他サイクリングコースやフィールドアスレチックなどなど、考えられるほとんどのものが導入施設例として──これ全部やったら、さすがこの広さでも、ほとんど満杯になってしまうと思うのですが、これだけ出されている。

  確かに、霊園をつくるときには地元の了解が必要ですよね。車の渋滞等が考えられますから、そういう対策はしなければならない。地元の合意を得る上で努力が必要だというのはわかります。それにしても、これだけのものを出してしまうと、地元の方はかえって混乱しちゃうと思うのです。

  そういう点で、もう少しちゃんと住民の意見、霊園をもし具体化するのであればこういう点が必要なんだということで、混乱を与えるようなやり方ではなく、きちんと話し合いの場を持つこと、それから、開発型の公園ではなくて、自然保護の観点を貫く。

これは、公園としての都市計画公園とか自然公園とかのあり方とはまた別に、そういう点をはっきりさせて、基本的には霊園を中心とした形で地元に納得いただけるように努力をするということが基本じゃないかと思うのですね。これだけ手を広げてしまいますと、霊園そのものが非常におくれてしまうのではないかというふうに心配しているのと、多摩の自然破壊に大きくつながってしまうのではないかということを危惧しているわけです。この点を指摘しておきたいと思います。

  それから、資料でもいただきましたが、二つ目に、急傾斜地の安全対策について質問をしたいと思います。  資料の一五ページに、建設省の基準該当箇所が八百四カ所、そのうち東京都が急傾斜地の崩壊危険の指定対象として挙げているのが九十一カ所、そのうち指定箇所が二十四カ所となっています。二十四カ所の方はかなりいろいろ対策が進んでいて、大体終わってきていると思うのですが、九十一カ所の残りの部分については、今どのような状況になっているのでしょうか。

 

◯吉田河川部長 先に、答弁の前に、急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律の目的と事業について一言述べさせていただきます。

  急傾斜地崩壊危険区域の指定は、急傾斜地の崩壊による災害から都民の生命を保護することにあります。また、都が行います対策事業は、土地所有者がみずから工事を施行することが困難または不適当な場合に限られております。

  お尋ねの件でございますけれども、計画の具体化しています箇所につきましては、その見通しにつきましては、現在八カ所ございます。このうち、あきる野市の平沢地区につきましては、去る三月八日付東京都公報で公示されております。それから、二カ所につきましては、現在、指定の手続中でございます。残りの五カ所につきましても、指定に向け調整を進めてまいっているところでございます。

 

◯曽根委員 昨年は阪神の震災があったので、私は、がけ地の危険な問題についてもう少し地元からいろいろと声が上がって、指定が進んでいるんじゃないかというふうに思ったんです。今年三月に一カ所公示されたようですけれども、思ったほど進んでいないのでちょっと意外だったのですが、なかなか進まないという原因はどういうところにあるというふうにお考えでしょうか。

 

◯吉田河川部長 急傾斜地崩壊危険区域の指定に当たりまして、土地所有者の同意を得ておりますが、同意を得るに当たりまして困難が伴ってございます。この理由といたしまして、区域内の土地に対しまして、急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律によりまして、土地を切ったり盛り土したり、立ち木の伐採などの行為が制限されるということがございます。

また、危険区域内に指定されますと、危険区域であるという表示がされました標識が設置されます。こういうことから、危険区域であるというイメージが嫌われているということもあると思います。それから、そういうことから地価への影響が心配されるというようなことが考えられると思います。

 

◯曽根委員 なかなか難しい問題があるのはわかったのですが、しかし、建設省の基準も、また東京都の指定も、住宅が五軒以上あるという場所について指定をされているわけで、事は人命の問題にかかわるわけなんですね。そういう点で、こういった困難な問題を解決しながら、少なくとも東京都が指定した九十一カ所は直ちに手がつけられるというふうに、問題を解決していく必要があると思うのです。

  私、その中で、自分の住んでいるところが東京都の指定にかかっているということを、指定されているということを住んでいる方自身が知らないというようなことがあってはならないと思うのですが、実態はそういうこともあるのじゃないかという話がもう聞こえているので、地元にもう少しPRをしなきゃいけないのじゃないか、そういう点について、また対策事業についての理解を得ていく必要があると思うのですが、この辺、今後どういうふうに進めていこうとお考えなのか、お聞きしたいと思います。

 

◯吉田河川部長 急傾斜対策を進めるに当たりましては、まず土地所有者の同意と地元の理解、協力はもちろん不可欠でございます。このために、東京都におきましてはこれまで、急傾斜地の調査を行いますとともに、市町村その他防災関係機関へ資料や情報の提供に努めてまいりました。

今後とも、区市町村との連携による一層のPRを行いまして、土地所有者及び地元の理解と協力を得て事業を進めてまいりたいと思います。

 

◯曽根委員 ぜひ努力をお願いしたいのですが、住んでいる方が地権者でない場合もありますね。したがって、そのがけ地に住んでいる方の危険さに対する意識と、その土地の持ち主との意識が大きく違う場合がある。こういう場合になかなか難しい問題があると思うのです。

  したがって、私、これは要望にとどめておきますけれども、地主さんなどから申し出があった場合には、要望があった場合には、公有地として買い上げる方法もあるのではないか。それから、対策が終わった後も危険だという看板が残ってしまう問題について、もう少し何とか改善ができないか。土地をお持ちの方にとっては、その辺が非常にひっかかっているのだと思うのです。それから、少なくともその該当しているところに住んでいる方が、ここを危険地域に東京都が指定していることを知らないというようなことがないように、これは区市町村と連携をとってPRをすべきではないかというふうに思いますので、この点の努力を求めておきたいと思います。

  それから最後に、道路橋梁事業についてお伺いしたいと思います。

  来年度の予算案を見ますと、道路橋梁費が総額で約四千五百五十億円となっていますが、このうち公共費として計上されている分、それから単独費になっている分の割合についてお伺いします。また、これと同様に、十年前、八五年度、昭和六十年度の道路橋梁費の総額と、公共、単独の割合について伺います。

 

◯沼尻道路建設部長 平成八年度の予算案ですが、公共は五百六十億円でございまして、一二%でございます。また、単独費は三千九百八十九億円で八八%になっております。

 十年前の昭和六十年度の予算では、道路橋梁費は千三百九十四億円でございまして、そのうち公共は六百九十七億円でございます。単独費は六百九十七億円、同様でございまして、公、単の割合はそれぞれ五〇%ずつになっております。

 

◯曽根委員 これを見ますと特徴は明瞭だと思うのですが、道路橋梁費全体としては、約三倍強に予算が伸びているわけです。その中で、公共費というのは結局ほとんど伸びていない。逆に減っているわけですね、〇・八倍。

それに対して単独費が五・七倍に伸びてしまっているという状況で、結局はその事業の予算を拡大した分は、公共が伸びないので、単独費につぎ込むという形に道路橋梁費全体がなっているという構造。

私たちは、十年前と比べて、この部分に浪費的な経費があるのじゃないかというふうに指摘しましたが、そのことは数字の上でも出ていると思うのです。

 今回、骨格幹線と生活密着型の道路に、予算説明書の中で分けて予算計上の説明がされています。せっかく資料を出していただきましたので、それに関連してお聞きしたいのですが、来年度予算案の中の街路整備費ですね、骨格幹線は千四百五十三億円で、生活密着型は五百七十二億円。これもやっぱり三倍ぐらい骨格幹線が多いのですが、骨格幹線の方は、公共が二百十六億円、単独が千二百三十七億円と、やはりこれも単独が圧倒的に多い。生活密着型の方ではどういう割合になっているでしょうか。公共、単独の割合を教えてください。

 

◯沼尻道路建設部長 平成八年度予算案におきまして、生活密着の公共費は十一億円でございます。単独費は五百六十一億円になっております。

 

◯曽根委員 やはり生活密着型の道路でも単独費が多いのですよね。これはやっぱり十年前と比べてみたいのですが、昭和六十年度、一九八五年度の予算の中で、骨格幹線それから生活密着型道路──今回新しく振り分けしていただいたのですが、十年前の予算を分けていただいたとすると、公共、単独それぞれどういう金額と割合になるでしょうか。

 

◯沼尻道路建設部長 昭和六十年度の街路整備費のうち、「とうきょうプラン’95」でいう骨格幹線に相当する事業費でございますけれども、二百九十九億円でございまして、そのうち公共費が二百二十七億円、単独費が七十二億円でございます。また、生活密着の事業費は二百十六億円で、うち公共費が八十七億円、単独費が百二十九億円と試算されます。

 

◯曽根委員 私、二つの特徴があると思うのです。

  一つは、昭和六十年度と来年度予算を比べてみますと、十年前には骨格幹線と生活密着型のそれぞれの道路の事業費は、骨格の方が二百九十九億円、生活密着型が二百十六億円で、大体同格というふうにいっていいと思いますが、平成八年度予算案では骨格が千四百五十三億円、生活密着型は五百七十二億円で、三倍の開きが出ている。この点で、骨格幹線優先というふうな形に、やっぱり結果としてなっているといわざるを得ないと思います。

  しかも、その中で、骨格幹線だけを見ても、十年前には公共が二百二十七億円、単独が七十二億円で、公共が多かったわけですが、今日、公共が二百十六億円で単独は千二百三十七億円と逆転して、単独費が大きくなっちゃっている。結局、国の方からおりてくる公共費というのは、総枠が、十年前と額的にも余り変わっていないわけですね、したがって、道路事業を、特に骨格幹線を優先してどんどん広げていこうとすると、東京都の都費を単独でつぎ込まなきゃならないというふうにならざるを得ない。それを承知で十年間どんどん拡大してきているというのが今日の結果で、これは、昨年度、今年度、また来年度も同様の傾向が続こうとしているんじゃないかと思うのです。

  こういう経過について、やっぱり骨格幹線中心じゃないかと率直に思うのですけれども、この点ついて東京都の見解をお聞きしたい。

 

◯沼尻道路建設部長 東京都の街路の整備事業につきまして、昭和六十年度におきます事業全延長では八十三キロございました。平成八年度では全体で百十一キロ、約一・三倍の伸びになっております。それから用地取得費も、地価公示価格で見ますと、昭和六十年度と平成七年度では一・五倍の伸びになっております。

このように事業量も増大し、事業費も増加している状況がある中で、都市計画道路、幹線道路、生活密着道路につきましても、長年都市計画制限を受けておる住民の方々から強い整備要望がございまして、都といたしましても、前期に事業化する予定路線を公表し、選定し、優先的に整備しているところでございます。

  いずれにしましても、道路は、骨格幹線と生活密着道路がネットになって整備するべきでありますので、そういう中から、公共の伸びが期待できないこともありまして、六十年以降、単独費を増額し、事業の効率的な整備に努めてきたところでございます。

 

◯曽根委員 東京都は、道路事業のほかにもたくさんの事業を行っているわけで、私は、公共費の伸びが期待できない中で──もちろん国からの公共事業のための応分の負担を当然求めていかなきゃならない。特に地元で希望の強い生活密着型の道路についても、公共費が落ち込んでいますので、これについては国に強く要望すべきだと思うのです。

しかし、全体の枠で見ると、やはりこれだけ骨格幹線をバブルの時代を通じてどんどんつくってきたことは──事業量で見て一・三倍、一・五倍ですが、予算の規模でいうと三倍になっているわけなんですね。それだけやはりバブルの影響、地価の高騰のあおりをもろに受けるということになるわけで、私はこういうやり方を改めなければならないと思うのです。

  もう少し具体的に、首都高速道路について見てみたいのですが、十年前、八五年度、昭和六十年度における首都高速道路関連街路の総事業費は幾らだったか、そして、その中で、国費と都費及び首都高速道路公団負担の割合はそれぞれ何%ずつだったか、お聞きします。

 

◯沼尻道路建設部長 昭和六十年度におきます首都高速道路関連街路の総事業費は、葛飾川口線や葛飾江戸川線など四路線で五十四億円となっております。三者の負担割合でございますけれども、国が三五%、都が二三%、公団が四二%となっております。

 

◯曽根委員 十年前はこういう割合で負担をして、総額でも五十四億円だったわけですが、平成七年度、来年度はまだちょっと負担割合は決まっていないそうなので、今年度、首都高速道路関連街路の総事業費と国費、都費及び公団負担の割合をお聞きします。

 

◯沼尻道路建設部長 平成七年度におきます首都高速道路関連街路の総事業費は、王子線、新宿線の二路線でございまして、七百四十七億円になっております。三者の負担割合でございますけれども、国が七%、都が三五%、公団が五八%となっております。

 

◯曽根委員 十年前と比べると、総事業費で十倍以上、しかも、その割合が、国がかつて三五%を持っていたのが今年度は七%、逆に、東京都は二三%だったものが今日三五%と、負担の割合が逆転をしているわけです。しかも、総事業費が十倍以上になっていますので、東京都の首都高速道路関連街路事業における事業費の負担割合はそれ以上ということです。

これはまだ少し下がったぐらいでして、事業費が一番多かった平成五年度、二年前は、関連街路事業は千五百二十七億円で、その中で国費は五%、都費は三六%という状態だったわけですね。

このときは東京都の負担はもっと大きかった。今少し下がったわけです。それでも、十年前と比べるとこれだけの違いがあります。

  こういう形で、私は確かに高速道路も必要ないとはいわないんですけれども、このバブルの時期にどんどんお金をつぎ込んでつくっていくというやり方のツケが、こういう状況を招いたのではないかと思うのですね。

  都政が青島知事にかわりました。しかも、総合三カ年計画では生活都市東京を目指すということがいわれております。したがって、道路事業においても当然生活都市東京にふさわしい道路事業のあり方に、根本的な転換を求められていると思うのです。

その点では、骨格幹線を事実上優先して進めてきた、この十年間の道路事業の流れを大きく転換する必要があると思いますが、この点で、最後に局長のお考えを聞きたいと思います。

 

◯木内東京都技監 生活都市東京を目指すわけでございますけれども、その都民の皆様が安全で快適な都市生活を送るためには、やはり基礎的な条件といたしまして、道路などの都市施設の整備が必要である、そういうように思っております。

  そういう観点から見ますと、東京の道路、都市計画道路で代表されますけれども、三千キロを超える計画がありますけれども、区部、多摩合わせて、その完成率はいまだ四九%、五〇%に満たない状況でございます。幹線と生活道路が占めておりますけれども、そういう状況をまず打開するのが生活都市東京の実現であろう、そういうふうに考えております。

  先ほど部長からも答弁申し上げたんですけれども、都市計画道路の整備は、幹線道路と生活密着道路をきめ細かくネットワークさせまして、それによって交通の渋滞を緩和させ、それが都民生活に貢献する、そういう流れを考えております。そういう意味で、たまたま幹線道路に投資が偏っていた面はありますけれども、バランスよい効率的な道路整備を進めている状況でございます。

  これからの状況でございますけれども、幹線道路も、それから生活密着道路につきましても、それぞれ今申し上げたような観点から見ますと、大変重要な路線でございますので、これからも整備促進に努めるわけでございますけれども、生活密着道路の整備はもとより、骨格幹線道路の整備に当たりましても、生活者の視点に立った道路整備をこれからも進めていくつもりでございます。

 

◯曽根委員 局長も、この間、骨格幹線道路の投資に偏った傾向は事実としてお認めになりました。

同じ路線の延長距離をつくるのでも、骨格の方がはるかに費用がかかるわけですね。こういう点で、私は、結局、道路事業に対する基本姿勢というものは予算にあらわれると。

私たちは、都民の税金を一円たりともむだ遣いはできないわけなので、そういう点で、予算にあらわれたこの偏りをどう是正するのかという点に、やはり根本的にメスを入れて取り組んでいただきたいということを申し上げて、質問を終わります。

 

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