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住宅港湾委員会95年9月7日

 都営住宅の耐震点検を要求

◯曽根委員 都営住宅などの緊急点検の結果について何点か質問したいと思います。

 初めに、報告をお聞きしていますと、三月から五月にかけて、四千七百棟を超える建物の現地調査を行ったということで、実際に行かれたのは、住宅局の職員とか、住宅供給公社の職員が、ふだんの仕事の合間を縫って現地調査をされたということで、本当に大変だったかなと思います。私は、特別な態勢を組んでやるべきだというふうに前の委員会でいいましたが、ご苦労された方々、本当に敬意を表したいと思うのです。

  せっかくそういうことで都営住宅としてもかつてない現地調査をやったわけですから、この結果は、東京都として、住宅局として、これからの補修や耐震診断などに生かしていくと同時に、情報として居住者に対してきちんと返していくべきものだろうというふうに思っています。

  報告を聞きますと、緊急点検ということの中身として、耐震診断という役割も果たしている部分が、例えば柱やはりなどにひび割れが入ったりしている部分については、構造上影響があると思われるということで、再点検を行い、耐震診断を行うというものもありますが、そのほかに実質的には老朽度の診断といいますか、壁が一部落下しているとか、笠木に問題が出ているとか、実質老朽度診断になっている部分もあると思うのです。そういう点では居住者にとって、こうした建物の状態がきちんと正確に情報として知らされるということが大事だと思うのですが、今回の調査結果について、問い合わせが居住者からあった場合は、それなりに個別の問い合わせにもきちんと答えられるというふうな態勢になっているかどうか、そういう集約、集計は行われているかどうかをお聞きしたいと思います。

 

◯小山参事 緊急点検でございますが、これは調査員が調査表に記入するという方法でもって行ったわけでございますが、この調査表に記入されています項目について、単純な集計は終わっておりますので、問い合わせがあったとき、何か記載があったかどうかということについて回答することは可能でございます。

  しかしながら、今、先生からお話がありましたが、大勢の職員でもって約四千七百棟という建物を点検いたしましたために、この調査表の記入の方法につきまして、マニュアルをつくりまして、できるだけ統一するようにしたんでございますが、結果としましては、若干のばらつきがございまして、単純にそれを、問い合わせを受けたとき入居者の皆様にお知らせするということは不安な点がございます。したがいまして、安全性の面で、重要な項目につきましては一部再調査をしているとこういう状況でございますので、これらの項目の再調査が終わるまで、しばらくやはり時間をいただきたい、かように考えているところでございます。

 

◯曽根委員 点検の内容を、より正確を期すために再点検をするとこの報告書に書いてありますが、これは当然だと思うのですが、その再点検というのは、今回四千七百棟ぐらいの全体のうち、どれぐらいの割合になるのか、それから再点検というのはどれぐらいの期間、また態勢で行われる予定なのか、それをお聞かせいただきたいと思います。

 

◯小山参事 調査表に何らかの支障があるといいますか、記載のありました棟が、四千七百棟のうちおよそ千棟ぐらいではないかと推測しております。単純に項目別に集計しましたために、一つの棟に二つも三つも項目が記載されているというものがございまして、記載のあるのは何棟かという集計が現在のところ終わっていませんので、まあ、千棟ぐらいではないかと私は推測を申し上げているわけでございますが、そのうち、柱、はりのひび割れですか、こういう構造上非常に重大な問題があるのではないかと思われるものなどを含めまして、再度、至急見た方がよいのではないかと考えられます千棟ぐらいのうちの約百三十棟を当面再調査を急ぎたいと考えております。

 その再調査をどういう態勢で行うかということでございますが、都営住宅の維持、保全業務等若干かかるわけでございまして、見ますことによりまして、修繕の必要があるかないかというようなことの再調査も含まれるわけでございますので、都営住宅の維持、保全業務をお願いしています住宅供給公社の営業所にお願いしようと考えているところでございます。

  いつまでに完了するかということでございますが、これはできるだけ早期に完了させたいと考えております。

 

◯曽根委員 この再点検なんですが、最初に、三月からの点検を行う際に、私、要望として、ぜひ住んでいる居住者の方に建物の状態について、不安な点はどういうところがあるのか、ひび割れが入っていないか、地盤が下がって段差ができたりしていないか、住んでいる方が一番実感としては持たれているので、そのことの協力を得るようにしたらどうかというふうに申し上げたのですが、残念ながら今回四千七百棟の点検というのは、ほとんどばっと見て、行って黙って見て帰ってきたという感じだったんですね。それは確かに数が多いですから、問題のないところが大半だったというふうに点検の結果出ているわけですが、少なくとも、再点検の必要がある一千棟、それからそのうち重要な百三十棟、こういうところは、ひび割れが見つかったり、壁が一部落下した跡があったりしているわけですから、そういうのが例えばいつごろから落下が起きたのか。最近でもそういう事故が起きているのかどうか、こういったことについては、やはり居住者に今度は具体的にお聞きするとかいうことも必要じゃないかと思うのです。

そういう協力を得ようということで、もちろん期間は早目にやらなきゃならぬと思いますけれども、そういう手間もかけてやろうというふうにすべきだと思うのですが、いかがでしょうか。

 

◯小山参事 点検に当たりまして、お住まいの方々に話をお聞きするということにつきましては、残念ながらできなかったわけでございますが、しかし、調査をするということにつきまして、何も知らせずにということではなくて、「すまいのひろば」という居住者に毎月出していますチラシがございますんですが、こういうもので一応お知らせした上で点検をしたという状況でございます。

  再点検といいますか、再調査といいますか、これにつきまして、その団地の入居者にお話を聞きながら調査した方がいいんではないかというご提案でございますが、これはなかなか適当な居住者といいますか、いらっしゃる団地、いらっしゃらない団地、いろいろありますので、個々のケースに応じて弾力的に対応していきたい、こういうふうに考えております。

 

◯曽根委員 できるだけ調査時期や何かを事前にお知らせしておけば、必ずそういう心配のあるところは、居住者の方がいて立ち会って、今までの経過なんかを話すというようなことは可能だと思うのですね。少なくとも居住者が自分の建物について、こういう問題があったとか、過去にそういう建物の崩落が小規模であっても経験があるとかいうことについての心配がこちらに寄せられているものについては、そういう方に直接お尋ねして情報を得るということはぜひやっていただきたいと思います。これは要望しておきます。

  それで点検の結果が一部今回明らかになって、これから再点検もすると、なるべく早くというお話でしたが、そういうことについて、都営住宅にお住まいの方から大変関心が高まってくると思うのです。私のところにも問い合わせが来ているのですね。実際は阪神、神戸でああいうふうに建物がつぶれている姿を現実に皆さんテレビで見ているわけで、自分の建物が同じような形をしていれば、当然心配なわけですね。したがって、問い合わせは今後大変ふえていくんじゃないかというふうに私は思うのです。

そういう点で、自分の建物は大丈夫かということについて、今回の診断の結果、それから再点検が終わっていれば再点検の結果、それから建設の年度とか、建物の構造から耐震基準が新しくなる前のものである場合には、やはりある程度の診断や対策が必要になってくるというふうなことも含めて、きちんと説明をするという窓口をこれからきちんとつくっておいた方がいいんじゃないかと思うのですが、そういう考え方はあるでしょうか。

 

◯小山参事 都営住宅の居住者から、ご自分のお住まいのアパートが安全かどうか、あるいは地震に対してどうか、こういうお問い合わせはこれまでも幾つかございます。それでお問い合わせの中身というのは、どちらかというと、モルタルが落ちていて危ないとかというようなことは見ていらっしゃるのでわかるわけで、地震に対してどうかというようなお問い合わせが多いわけでございます。

したがいまして、この緊急的な安全点検だけでは、地震に関すると問い合わせに十分お答えすることができないわけでございますが、そういうような問い合わせの中身からいきますと、今後、どういう構造特性を持った都営住宅を当面耐震診断しようかというような方針を決めた上でお答えする、こういうことが非常に大事だと思います。したがいまして、そういうことを含めてお答えできるとすれば、今回の定例会以後の十月以降、そういうお話ができるんではないかと思っております。

 それで、そういう相談窓口といいますか、お問い合わせを受ける窓口につきましては、これまでの安全点検でもそういう窓口があったわけでございますが、この安全点検の事務局をしています課で、今までも電話で恐らく応じておりますので、お答えできる範囲についてはお答えしている、こういうことでございます。

 

◯曽根委員 ぜひそれはきちんと行っていただきたいということを申し上げておきます。

  最後に、春の段階でも申し上げましたが、公社住宅六万戸についても、都営住宅と同じように耐震の緊急の点検をやっていきたいという話がありました。これが行われていると思いますけれども、都営住宅と同じように、居住者に対するきちんとした対応をしていただきたいと思いますが、この点を最後にお聞きしておきます。

 

◯遠藤開発調整部長 公社住宅に対します緊急点検の結果でございますが、三月から五月にかけまして、目視による公社職員による調査をいたしたところでございます。現時点、すべて終わったわけでございますが、その結果について現在分析して、ほぼ終わりかけているという状況でございます。

これらの今後の対応につきましては、都営住宅の対応等と歩調を合わせながら、目視による診断の調査の結果を踏まえて、耐震診断の実施というようなものを検討してまいる。また、居住者の問い合わせ等に対する窓口の問題につきましても、現在検討しているという状況でございます。

 

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