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各会計決算委員会・会派の意見表明で世界博覧会中止、フロンティア本部解散を要求。翌年実現。

◯曽根委員 私は、日本共産党都議団を代表して、平成四年度各会計決算について意見を述べます。

  平成四年度予算の第一の特徴は、三十九条例五規則に及ぶ公共料金の値上げを盛り込んだことであります。これは、その前年の都営バス、地下鉄料金への消費税転嫁を含む値上げ、二十三区国保料、国の老人医療費の引き上げとともに、都民生活に大きな犠牲を強いるものでした。

  その一方で、都民のための福祉、医療、教育関連事業は軒並み停滞し、都民にみずから約束した地域福祉推進計画も、特別養護老人ホームや在宅介護支援センターなどの整備、デイサービスセンターからのホームヘルパー派遣など、大幅なおくれを来したのであります。とりわけ福祉に欠かせない人の配置では、公務員ヘルパーなど常勤職員の増員を一切認めない姿勢をとり続けています。

 住宅対策でも、革新都政時代の五分の一以下にすぎないマスタープランの都営住宅建設計画さえ、計画二年目で八百戸以上積み残しています。教育でも、小中学校の三十五人学級、都立高校の四十人学級が見送られました。ごみ、リサイクル問題では、年度途中に家庭系のリサイクル事業を特別区に移管する合意がされたのを口実に、せっかくモデル事業がスタートした資源回収を二区で打ち切り、ストックヤード整備への予算を執行せずに不用額に繰り入れるなど、清掃事業への全く無責任な姿勢をあらわにしました。

  このように生活関連予算を抑え込みながら、臨海副都心開発や中央環状新宿線、圏央道開発などに莫大な財政がつぎ込まれました。特に臨海副都心開発は、予算の凍結が解除されて、せきを切ったように都の財政の投入が進み、四年度までの五年間で約一兆円に達しました。ところが、この年、地価の毎年六%の上昇を前提とした新土地利用方式の破綻が明瞭となり、進出企業に対し都が二兆円余の赤字を承知で二度にわたって地代を値下げしたものの、それでも一次契約では保留、撤退が相次ぐなど、臨海副都心開発は財政的にも完全に行き詰まったのであります。にもかかわらず、四年度は福祉局や住宅局を上回る三千八百八十億円もの都費がこの開発に投入されました。まさに都民に冷たく、ゼネコン、大企業奉仕の予算執行の典型であります。

  以上の見地から、我が党は、一般会計決算、特別区財政調整会計決算、用地会計決算、新住宅市街地開発事業会計決算、市街地再開発事業会計決算、臨海都市基盤整備事業会計決算には反対するものであります。  次に、各局別に意見を述べます。

  まず、企画審議室関係です。  

一、臨海副都心の中心施設である東京テレコムセンター事業を中止し、抜本的再検討を行うこと。  

一、米軍、自衛隊を含め、すべての軍事基地を首都東京から撤去するよう政府に強く働きかけること。

  次に、東京フロンティア推進本部関係です。  

一、臨海副都心の起爆剤であり、都の財政負担が一千億円またはそれ以上に及ぶ世界都市博覧会は、巨大なむだ遣いであり、中止すること。  

一、臨海副都心の開発事業を一切凍結し、フロンティア推進本部自体を解散すること。

  次に、情報連絡室について。  

一、同じく世界都市博覧会の中で計画している双方向CATVの実験をやめること。

  次に、総務局関係です。  

一、私学の教育費の父母負担の軽減のため、私学助成の拡充、授業料直接助成、特別奨学金など各種制度の拡充を図ること。国の補助削減に反対し、影響の及ぶ分は都が補てんすること。

一、南関東直下型地震対策の強化を政府に求めるとともに、ライフライン確保、液状化対策、がけ地対策など防災体制を整備すること。  

一、同和対策事業については、属人的事業をやめ、一般施策として進めること。

 次に、都立大学について。  

一、総定数抑制方針を撤回し、講座増設、学生増に見合った教職員を増員すること。  

一、国に追随した学費の値上げはやめること。

  次に、財務局について。  

一、中小企業への官公需の拡大を目標を持って取り組み、工事発注の平準化、入札制度の民主的改善を進めること。  

一、都庁舎内駐車場の障害者専用スペースを初め、障害者に配慮した施設と運営の改善を進めること。

  次に、主税局です。  

一、固定資産税について、課税自主権を貫く立場に立ち、標準税率からの見直しを含めて都民の税負担の軽減を図ること。  

一、住宅用地、小規模事業用地など生活用地の非課税措置を国に要求すること。

  次に、生活文化局について。  

一、都民が国産米を安心して食べられるように、減反政策の撤廃を国に要求すること。また、米の輸入自由化に反対し、消費者、農民、小売業者の要望に沿った流通対策をとること。  

一、省資源化の推進については、リサイクル団体なども含めた都民の運動と連携し、関係する各局と具体的に協力して推進できる体制をとること。  

一、全国水準からもはるかにおくれた公共スポーツ施設整備を抜本的に強化するため、都の区市町村への整備費補助の削減、廃止は撤回すること。

  次に、監査事務局について。  

一、住民監査請求は、住民の直接民主主義を保障する制度として、請求側の意見が酌み尽くされるよう、制度の運用を改善すること。

  次に、都市計画局です。  

一、圏央道、首都高速道路などの環境破壊の道路計画を中止し、首都高速道路公団への無利子貸付はやめること。  

一、横田基地、多摩弾薬庫など米軍基地の全面返還及び米軍の夜間離発着訓練の中止を、知事名でアメリカ政府及び国に強く要求すること。  

一、都市計画審議会を公開制とし、一件に三分程度しか保障されない審議時間の必要な拡充を行うこと。

  次に、環境保全局について。  

一、自動車排ガス測定局の増設、適正配置を行うこと。また、自動車走行量の規制を含め、自動車排ガスの総量を削減する実効ある措置を都が独自にとること。  

一、フロン対策では、冷媒用フロンを初め、事実上野放しの洗浄用フロンも含めて回収と処分を進めるため、関係局と連携して抜本策をとること。  

一、亀戸・大島再開発地区でのクロム鉱滓処理を直ちにより安全な処理方法に改善すること。

  次に、福祉局について。  

一、高齢者の実態に見合った在宅介護支援センターの拡充や、公的責任でのヘルパーの増員、デイサービスの充実など、在宅福祉の抜本的な充実を図ること。  

一、特別養護老人ホームの費用徴収基準改定の中止を求め、都立の施設では現行基準を維持すること。  

一、特別養護老人ホームについては、公立施設の建設とともに、社会福祉法人に対して、建設費の設置者負担分への公的助成など建設支援策を実施すること。  

一、民間病院の在宅高齢者へのデイサービス事業について、衛生局との連携で助成制度を確立すること。  

一、保育措置制度の堅持を国に強く求めるとともに、私立保育園、未認可保育園への運営費補助、家賃補助、延長保育のための保母の増員など、支援の拡充を図ること。

  次に、養育院関係について。  

一、ナーシングホームの常勤介護職員の増員、夜勤体制の充実、男女職員及び看護婦の適正配置、特別介護棟の増配置などを進めること。  

一、ナーシングホームのショートステイ事業を、手続の簡素化、受け入れ体制の整備など利用しやすいように改善すること。

  次に、衛生局です。  

一、看護婦不足を解消し、看護職員の労働条件の改善のために、看護学校増設、院内保育、看護婦宿舎への助成、ナースバンクや職場復帰のための研修など、看護婦確保対策を充実させること。  

一、看護職員の需給計画をより積極的に見直し、また実現の具体策を確立すること。  

一、老人保健施設については、看護基準の引き上げを図りながら、都として用地費、建設費など、特別養護老人ホーム並みの助成制度を確立すること。

  次に、労働経済局です。  

一、大企業の不況を口実にしたリストラの名による不当な人減らし、首切り合理化、下請いじめに対し、指導を強化すること。  

一、高齢者就業相談所の統廃合をやめ、各地域に増設すること。  

一、有明南ファッションタウンへの出資や援助をやめること。  

一、墨田ファッションセンターについては、本来の地場産業育成の目的にかなった事業として促進を図ること。  次に、住宅局です。  

一、鈴木都政発足以来の都営住宅軽視、民活優先の住宅政策を改め、公共住宅中心の都民本位の住宅政策に転換すること。  

一、都営住宅入居者の七割に大幅値上げとなる応能応益的家賃制度への改定はやめること。  

一、都営住宅の入居基準、明け渡し基準などを東京の実情に即して改善するよう国に要請し、都独自にも実施すること。  

一、都営住宅の修繕項目に、畳や、ふすまの取りかえを加えること。  次に、建設局関係について。  一、首都高速道路の関連街路整備などで、国庫補助もつかないまま莫大な都費を単独で負担する建設事業を直ちに凍結し、根本から見直すこと。  

一、都の負担が増大している臨海副都心の広域幹線道路については、計画を凍結し、見直すこと。  

一、道路建設については、生活道路の整備を優先し、幹線道路については住民参加で見直すこと。  

一、中小河川の改修を進め、また抜本的治水対策を早期に確立すること。

  次に、港湾局関係です。  

一、東京港の、都民の生活物資の流通を支える都民本位の発展を促進するためにも、港湾用地を奪っている臨海開発はやめること。  

一、東京湾の自然環境と水資源の確保のためにも、これ以上の大規模な埋め立ては行わないこと。  次に、多摩都市整備本部関係です。  

一、多摩ニュータウンの京王線のダイヤ増発、バス路線の新設など、通勤や生活のための公共交通網の整備を促進すること。  

一、ニュータウンの医療施設、商店街など、生活関連施設の確保と整備に取り組むこと。

  次に、清掃局について。  

一、資源循環型清掃事業への転換を進めるために、資源回収事業の全区実施やストックヤード整備への補助など、都がリサイクル事業に責任を持って取り組むこと。  

一、ごみの減量、リサイクルの取り組みが不十分な事業所に対して、処分場への搬入禁止など、より厳しい措置も講じて減量化の実を上げること。  

一、粗大ごみの冷蔵庫からのフロンの回収は、七万台の全部について行うこと。

 次に、教育庁についてです。  

一、小中学校の三十五人学級を早期に実現し、行き届いた教育条件整備を進めること。  

一、都立定時制高校の統廃合計画を中止し、廃止校、廃止学科をもとに戻すこと。  

一、国旗、国歌について国民の中で意見が分かれている現実を無視した学校現場での児童生徒に対する日の丸掲揚、君が代斉唱の強制はやめること。

  次に、警視庁関係です。  

一、拡声機規制条例によって、通常の政治活動、労働運動、市民運動に対する規制を行わないこと。  以上で意見開陳を終わります。

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