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本会議討論94年3月11日

 大型開発支払いに3000億円の借金を重ねる補正予算に反対

 

◯十五番(曽根はじめ君) 私は日本共産党都議団を代表して、第百七十号議案、九三年度東京都一般会計補正予算外四議案に反対の立場から討論を行います。

 既に三十四カ月が経過して、いまだに出口の見えない戦後最大の不況のもとで都民生活の困難が増大しているとき、都が補正予算を組むという場合、都民が最も切実に都に求めている対策をこそ予算化すべきであることはいうまでもありません。

 今都民は、米パニックともいうべき異常事態に置かれています。町じゅうの店をシラミつぶしに回ったが、米が手に入らない、お得意さんでないからと断られた、値段が普通の二倍にはね上がっている、外国産の米でさえ売り切れているなど、あす食べる米も確保できない都民も少なくありません。

 我が党はこうした事態の中で、今議会の代表質問で知事に対し、政府に減反政策中止と米輸入自由化反対を要求すべきと求めるとともに、都も消費者センターや衛生研究所の職員をふやすなど、米を初めとする食品の安全性などについて都民の要求にこたえるため、緊急に体制を強化することを求めたのであります。(発言する者あり)

  不況対策でも、都がやる気になれば実現可能な中小企業向け融資の拡大、別枠での特別融資の創設、下請いじめ監視員制度などを直ちに事業化すること、さらに、実質賃金の低下に苦しんでいる勤労者に対する住宅ローンの補助など、都民の暮らしと営業に直接役に立つ緊急、重要な課題こそ、都民にこたえて予算化すべきであります。  

ところが知事、あなたの組んだ補正予算にはこういう対策は全くありません。

とりわけ問題なのは、税収が三千億円余りも目減りしたのに対して、わざわざ減収分を超える四千億円の都債を発行し、減収を穴埋めした残りの約一千億円からシティ・ホール等建設基金に五百三億円を積み増しすることです。税収が大幅に予想を下回り、都政史上初めて個人都民税まで前年より落ち込むほど都民が不況にあえいでいるときに、借金までしてゼネコン奉仕の巨大施設建設の後年度負担のために基金を積み増すなどというのは、都民の願いと全く相反するものです。

これは結局、来年以降に迫った国際展示場や国際フォーラムなど二千三百億円もの支払いに備えるためであり、都政の最大のむだ遣い、臨海副都心開発、都庁舎跡地開発などの費用を都債で肩がわりさせて、開発の借金を都民の借金にすりかえるものではありませんか。

我が党は、この期に及んでも、都民の苦しみなどお構いなしに財界、ゼネコン奉仕を続けようとする鈴木知事の都民無視と無反省を、怒りを持って糾弾するものです。

  同時に、都政が臨海副都心開発などバブル型大規模開発をあくまで優先させる限り、都財政は果てしのない借金地獄に陥ることを今回の補正予算は改めて明確に示しています。そしてまた、このような借金の急速な増大が、福祉、教育など都民施策の一層の切り捨てにつながっていくことは明白です。

 我が党は、この補正予算に反対するとともに、臨海副都心開発は直ちに凍結すべきであることを重ねて強調するものです。  以上で日本共産党都議団の反対討論を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)

 

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