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2003年7月3日都議会文教委員会

多摩ユースプラザのPFI方式による整備・運営契約案の問題点を質疑

〇比留間総務部長 大変申しわけありませんが、先ほどご説明申し上げました要求資料の中に一部誤りがございましたので、訂正をお願いいたしたいと思います。
 文教委員会資料(事件案)の一ページ、1、多摩地域ユース・プラザ(仮称)の財政負担額の比較でございますが、ここに記載してございます数値に誤りがございました。深くおわび申し上げたいと思います。
 お手元に配布してございます資料につきましては、差しかえをお願いしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

〇曽根委員 多摩地域ユース・プラザの契約にかかわる事件案について、先ほど質問に準備しようと資料を見ていましたら、最初の質問で使う資料の数字が、どうも去年の区部プラザの数字だということに気がついて、指摘をさせていただきました。この後、質疑が数々のテーマで夜の八時近くまでかかるというような予定なので、時間の省略のために前もって用意していただきました。
 では、新しい資料を使って質問させていただきます。
 昨年の第二回定例会で、PFIによるユース・プラザの第一号として、夢の島体育館を取り込んでの区部ユース・プラザの契約が審議され、私も質問いたしました。その中で、我が党は、以下の点で問題点を明らかにして、このユース・プラザの整備は当然だが、都のPFIのやり方には反対をしてまいりました。一つは、ユース・プラザ自体が、青年の家とは別に計画をされてきた経過がありながら、結局は統廃合の代替施設にされてしまい、しかも区部の場合、残された水元青年の家の利用者を吸収できるとは思えない場所、また高い料金が設定されたことです。二つ目に、新たに取り組むはずだった引きこもりなどの相談事業や、社会教育の企画事業なども事実上できないか、もしくは規模を縮小せざるを得ないことが明らかになったこと。三つ目に、活動室が当初の計画の三分の一程度、八つしかなく、二百五十人の泊まり定員に比べて、日帰り利用や研修向けはほとんど期待できず、限りなくホテルに近いものになってしまうこと。そして、PFIによる建設や運営の事業費も、公共で行った場合とほとんど差がなく、財政的メリットも見られないこと。こうした点を指摘してまいりました。
 今回の案件、多摩のユース・プラザについては、確かに料金は区部よりも若干安く、また財政的にも、今新しく資料が出てきたように一〇%程度下げるとか、競争入札になったことだとか、会議室の数など、また二十年の事業を十年にしたことなど、いろいろ手だてを講じたように思います。
 しかし、昨年と共通した社会教育施設としての問題点、それから多摩のプラザに特有の問題もありますので、絞って質問いたします。
 一つは、今回、PFI法に基づく、公が行った場合と民に任せた場合の比較考量が定められていますが、この比較考量の資料をいただいたわけですけれども、これが、直接執行の場合が実質財政負担で七十三億、現在価値ベースで六十億、PFIで実質財政負担六十四億何がしで、現在価値五十三億何がし。これが、実は直接執行の場合の金額というのが、今回の五社が入札に応じたという契約の入札の予定額として提示されている。そして、PFIの場合の資料の(B)ですね、この金額というのは、東京都が試算して、民間がやればこの程度だろうというふうに試算した額ではなく、京王電鉄その他のJVによる落札価格そのものが比較の表に、ここに出てきているということだそうです。そうすると、去年のやり方と全然違うなと。
 大体、PFIにするかどうかを判断するために、公でやった場合は幾らかかるか、それから、民間に任せた場合は東京都が考えてもこれぐらいは下がるよということがあって初めてPFIの入札にいくというふうになっているわけですが、最初から落札額を比較の対象に出してくるというのは、最初からPFI決まっているよということが前提にあったとしか思えないんですが、どうしてこのような比較のやり方をしたのか。
 それから、公がやった場合の金額を入札の提示額にする、予定入札額にするというのも前回と違うと思うんですが、その点の考え方をお聞きしたいと思います。

〇瀧川参事 PFI法等では、PFI事業の選定に当たりましては、民間にゆだねることによりまして、事業期間全体を通じた財政負担の縮減を期待できること、あるいは、財政負担が同水準の場合にもサービス水準の向上が期待できることなどを客観的に評価、検証して、PFIで行うということを公表することが定められております。
 これに基づき、多摩地域ユース・プラザについても、先行する区部ユース・プラザ同様に、公民の比較は行いました。その結果、公共が直接実施する場合に比べて五・四%程度の財政負担の縮減が図れることが見込まれました。これにより、PFI事業として実施することを決定いたしました。
 一方、入札予定価格の決定につきましては、公共直営の額でやるか、あるいは民間のPFIの想定でやるか、どちらでやるかにつきましては、特に規定やガイドラインはございません。お話にもありましたが、区部はPFIの基準でやったわけですけれども、今回は、公共が直接実施した場合の想定額を入札の予定価格として設定いたしました。
 その理由でございますけれども、それは、できるだけ多くの入札参加を促し、競争効果によりまして、結果的に低い額で良質な提案を得ることができると判断したためでございます。当初のVFMの見込みに対して、現実に入札で実現したバリュー・フォー・マネー、VFMは約一一%となりました。
 ちなみに、公共の金額を入札の予定価格とする例は、他の自治体のPFI案件でも数多く見られるところでございます。

〇曽根委員 ほかの自治体に例があるかどうかはともかくとして、東京都としてPFIは前回が第一号、本格的に運営まで含めて委託するのは第一号で、今回は第二号ということになります。そういう点では、PFI法の拡大解釈を行うのではなく、本当にこれが、だれが見ても民間、しかもPFIで行う場合の方がメリットがあるんだということが明らかになる、そういう厳しい比較考量をすべきだという点からも、早速一年でこれだけ後退しているということは指摘せざるを得ません。これでもし東京都が考えたよりも高い金額で入札されたらどういうことになるのかということになります。たまたま結果オーライで一〇%以上下げてきたということだから、今回はこれを直接比較に出してきたんですが、東京都の比較でも五%ちょっとしか差がないわけですよね。で、私が前に指摘したように、税の還流まで入れて、直接教育庁の収入にはならないものまで含めて、やっとそこそこの比較ができる程度の差がつくという程度ですから、私はこういう問題、財政的な点でも引き続き問題が大きいということをまず指摘したいと思うんです。
 それから、先ほどの質問にもありましたが、このユース・プラザについては、都立八王子高陵高校というコース制の都立高校を廃校にして、まだ三年生が今勉強しているわけですが、来年の春廃校になる、その跡を使うわけです。地元の声はもう当然ご存じと思いますが、もともと十五年前に八王子高陵ができるときには、コース制ではなく普通科の都立高校にしてほしいということだったんですね。ところが、これが新しい時代の流れだということで、情報化、国際化の流れに乗ってということで、それぞれの科目、コースを設定したコース制になって、十年ちょっとたったら、九九年の統廃合計画でこれは廃校ということになったわけで、そういう点でも地元にはいろいろ意見があるわけです。反対運動もあったというふうに聞いています。二万人以上の署名も集まって、とにかく学校を残してほしいという地元の声があった。お金も相当かかっているわけです。ここには建設費二十五億円が出ていますが、その前に土地を三十億円近くで買っているわけですよね。五十億円以上のお金をかけてつくった高校をつぶして、また二十数億円の改修をやってユース・プラザにするという経過になるわけです。
 したがって、地元の住民の皆さんの要望は、特にこの多摩ユース・プラザの場合は尊重しなければならないと思いますが、そういうことを酌んだことがされているのかどうか。
 特に、率直にお聞きしますけれども、地元の強い声、最大の声というふうに聞いていますが、ここにあるプールですね、これを残して、地元の方がユース・プラザの利用の一部としてプールが利用できるようにしてほしいという声が強かったと聞いていますが、実際に計画には入っていないとお聞きしているんですが、いかがでしょうか。

〇瀧川参事 地元との関係でございますが、現在、八王子高陵高校は、選挙の際、投票所として利用されているほか、災害時における緊急避難場所として指定されております。今回の落札者の提案では、いずれの機能も引き継ぐことが表明されております。また、地元の方々にも楽しんでいただける陶芸等の活動プログラムや、地元を意識したイベントなどの計画も提案されているなど、地元の方々に親しんでいただけるための配慮がなされております。これらは、いずれも昨年の夏でございますが、地元の方々にユース・プラザの整備計画を説明させていただいた折に、私どもがご要望として受けたものでございます。
 また、事業者は、開館後も施設運営のアドバイザー機関として、先ほど申し上げました運営の委員会というのを組織して、地域の方々が施設運営にかかわる仕組みを提案するなど、地域の方々との対話を特に重視した形で運営すると考えております。
 次に、地元から強い要望がありましたプールについてでございます。現在、高校にあるプールにつきましては、ユース・プラザに機能変更することにより新たに必要となる諸施設を精査する中で、必ずしも今回のユース・プラザに必須の施設とはいえず、また現状のままでは、年間の特定の季節に限られますから、想定の施設には入れませんでした。
 また、地元の要望として、温水プールの要望があったわけでございますが、温水プールの設置につきましては、多額の建設費、維持管理費がかかることから、採算面も考慮いたしまして、PFIの入札に際しまして都が整備を義務づける施設とは位置づけませんでした。
 なお、実際の提案はありませんでしたが、事業者の判断や工夫により温水プールを設置、運営することは妨げてはおりません。

〇曽根委員 結局、教育庁が積算見積もりをし計画をする段階で、地元の要望があったにもかかわらず、プールは外して提示をしているわけですよね。で、事業者が提案するのは妨げないというけれども、事業者の方は民間ですから、やっぱりペイしないもの、年間の維持費がかかるものについては落としてくるというのは、これは民間の鉄則です。せっかくこの高校の中に、これはこの間行って撮ってきたんですけれども、建物の屋上に設置されているわけですよね。今でも十分立派に使えるプールなわけで、これをわざわざつぶして、民間の方々が気軽に利用できる施設の一つになるはずだったものをなくしてしまうというのは、これは民間のPFIにしたことの一つの大きな弊害になってしまうと私は思います。
 それから、もう一つお聞きしたいんですが、この事前にいただいた図面では、学校のグラウンドの中に植栽を設けて原っぱみたいにするというふうになっています。つまり、グラウンドをなくしてしまうわけなんです。グラウンドを使いたいという団体があった場合は、隣にある市営の、八王子市営の川町グラウンドというグラウンドを、利用者に施設の方からあっせんするという計画だとお聞きしました。ちょっとこれは話が違うんじゃないかと思うんですよ。つまり、もともとこの高校の中にグラウンドがあったものを使えないようにしてしまって、利用者が使いたいグラウンドは市営のものをお借りくださいと。これは全く筋違いじゃないかと思うんですが、こういうことを計画の中に織り込んでいるんでしょうか、事業者は。

〇瀧川参事 原っぱについてでございますが、事業者提案によると、原っぱは、屋外スポーツ施設としても位置づけられております。野球やフットサルなどで利用することは可能でございます。また、ユース・プラザに隣接して、お話に出ましたけれども、すぐ近くでございます、少年野球や少年サッカーのできる八王子市の川町運動場があり、連携、調整をこれから図っていきたいと考えております。
 相互利用を含めた連携の具体的な内容、方法等については、今後、八王子市と協議してまいりたいと考えております。

〇曽根委員 この二つの問題は、いずれも民間事業者は、自分のところのコンセプトで、できるだけ維持費の少ない、しかし利用者にとって、民間事業者から見て売り物になるといいますか、お客さんを呼べる施設はつくるけれども、地元の住民の方が気軽に利用できる施設としてのプールや、せっかくサッカーもできる、野球も本格的な試合ができるグラウンドがありながら、これをなくしてしまうという計画になっている点を指摘せざるを得ないと思うんです。
 あと、区部のときに問題にしましたけれども、もともとユース・プラザが負うとされていた青少年のさまざまな教育相談、社会的引きこもりも含めた心の悩みの相談事業、それから、青年の家、今、府中の方が残っていますが、ここで取り組まれている年間九つの企画事業、こういったものが、区部の場合は年間七百万円程度の社会教育予算で二十年間やるというお話でしたが、八王子のこのユース・プラザにきちんと取り込めるとは思えないわけなんですが、この社会教育の予算など、また規模などについてはどう考えているんでしょうか。

〇瀧川参事 ユース・プラザの社会教育事業についてでございますが、社会教育事業につきましては、その時々の行政課題に即した都の予算と責任で都民に提供していきたいと考えております。
 具体的には、事業者が社会教育主事の資格を持った者を配置して、事業者が実施していくことになっております。
 既に廃止した多摩地域の青年の家では、これまで、野外活動事業あるいは自然体験事業、体験型の環境学習事業、ボランティア体験事業など数多くの主催事業を実施し、成果を上げてまいりました。多摩地域ユース・プラザでは、多摩地域の青年の家が行ってきましたすべての主催事業を実施することは困難であると考えております。しかしながら、青年の家が長年にわたって培ってきました知識やノウハウをユース・プラザに継承するとともに、社会の新たな要請も考慮に入れながら、魅力ある社会教育事業に再構築し、より充実した内容で実施してまいりたいと考えております。
 それから、社会教育事業に係る予算でございますけれども、区部と同じように、年間で約七百万ぐらいを予定してございます。

〇曽根委員 やっぱり七百万程度ですと、府中の青年の家の事業さえ取り込みは難しい、実際、全部受け継ぐことはできないし、ノウハウを受け継ぐという程度にしかならないということは明らかです。したがって、青年の家の廃止後のいわば代替的な役割という点でも、私はやっぱり機能が落ちざるを得ないなと思います。
 最後に、この運営、PFIは総額で全部お任せするわけなので、ちゃんと利用者が利用しやすい、人が集まる施設になるのかどうかという点でちょっとお聞きしたいんですが、いただいた資料の二ページに事業者の中での内訳が書いてありまして、工事費のところでは、東京都が三十一億何がしの金額を設定していたのを二十二億まで下げてきたということで、そうすると、全体で六十四億ですから、約四十億円が建設費以外の分野、つまり維持管理費に使われるわけですよね。で、実際の利用の割合なんですけれども、宿泊者で、事業者はどれぐらいの宿泊利用があるという割合を設定しているんでしょうか、東京都の方はどう考えていたんでしょうか。

〇瀧川参事 多摩地域ユース・プラザの利用の見込みということでお尋ねかと思います。
 宿泊の見込みとして、年間二万四千八百人を事業者の方は見込んでございます。利用率は、四〇%弱という率でございます。ちなみに、府中青年の家の十三年度の利用率、これが約四六%程度でございます。

〇曽根委員 都の方は、このユース・プラザの利用率については、積算する際に、これは利用料金十八億八千三百万円になっていますが、何%ぐらいを考えていたんですか。

〇瀧川参事 都が多摩ユースの利用率を見込んだのは、六割で見てございます。

〇曽根委員 民間の方は、料金を下げた上に利用率も低く設定してきた。これは、民間の事業者はその分リスクを負うから、当然、周りのホテルその他の類似施設の状況を見て判断したということになると思うんですが、よく考えると、非常にこのPFIの落とし穴があると思うんです。
 つまり、四割の宿泊率でこういう公共的な施設が運営されていいのかという問題です。東京都でさえやっぱり六割ぐらいはお客さんを入れたいと考えていた。それを四割に落としてきた。この四割がさらに減った場合どうなるかということなんですよ。
 そうすると、私ちょっと考えてみたんですけど、十年間で維持管理費に四十億でしょう。年間四億、これは自動的に入ってくるわけですね、事業者には。で、年間の泊まり客が二万四千八百人程度を考えているわけですから、一人当たりについて一万五千円ぐらいのお金が、泊まり客一人分ですよ、東京都からついているという格好ですよね。本人が払うお金は二千円前後ですよ。そうすると、この収入が、ここは十年間で十二億程度になっていますけど、これが十億以下になったとしても、都からの補助金というか、お金は自動的に入ってくる。泊まり客は減っても、事業者としては、その分だけ掃除だとか従業員だとか経費が落ちる。つまり、泊まり客分については実態は赤字ですから、その分を埋めているのが東京都からのお金ですから、お客さんをふやそうという力が、エネルギーが事業者にはわかないなと思うんですよ、十年間のお金が決まっているんですから。
 だから、これは公共的な施設としてPFIでやることが−−もう事業者も四割しか埋まらないだろうといっている。さらにそれよりも落ちた場合も、ペナルティーないわけですよね。もう閑古鳥が鳴いたとしても、自動的に毎年四億は補助が出るわけですよ、東京都から。これはどうかなと。PFIのやり方そのものの根本的な問題として指摘しなきゃならないと私は思うんです。こういうふうになるぐらいだったら、もっと低料金にして、本当に一〇〇%宿泊が埋まるぐらいの、今の青年の家以上に利用されるような割合のもの、本当に公共的な役割を東京都が直接やった方がよっぽどましだなというふうに思う。
 そういう点からも、今回の、十年間しか縛りませんので、事業者は十年間の間に投資したお金を回収しますから、そのためにはやっぱり一定の額が残るように、建設費はできるだけ安くして、維持管理費で四十億円もらって、それでペイさせようと思うと思うんですね。そういう点での問題点をやっぱり指摘したいと思うんです。
 したがって、これは後で意見のときにもいいますけれども、多摩のユース・プラザ十年間の縛りで、事業者は安く出してきたけれども、本当の意味でのユース・プラザの役割を果たせるかという点では、大変厳しい、強い疑問を持たざるを得ないということを指摘して、質問を終わります。

●ユースプラザについての意見陳述

〇曽根委員 日本共産党の多摩ユース・プラザの契約事件案についての意見を述べます。
 本契約案については、先ほど質問で取り上げましたように、

第一に、初めからPFIを前提にし、しかも民間事業者が入札に参加しやすいように入札予定額を高目に設定してやるなど、民間事業者に至れり尽くせりの契約方法になっていること。

第二に、区部と同じく青年の家の代替機能にはなり得ず、社会教育事業も予算の枠で縮小せざるを得ないこと。
 また料金も、多少下がったとはいっても、成人が一泊で食事もとれば五千円近くになってしまい、社会教育施設としては高過ぎること。

第三に、地元八王子川町地域の念願でできた都立高校を十五年でなくしてしまい利用するにもかかわらず、採算を理由に、プールなど地元要望にこたえられていないこと。

第四に、計画でも四割の宿泊率で、しかも利用者が減っても、都の負担金はサービス購入費として変わりませんので、事業者にとっては事実上、利用者がふえればその分事業者の持ち出しがふえ利益が減る仕組みになっており、広く都民が利用すべき施設としては重大な欠陥があること。

 以上から、多摩ユース・プラザにおいても、都が直接建設し運営を担うことが都民の立場から見れば望ましいことは明らかであり、PFIによる本契約案には反対いたします。
 以上です。

●教師養成塾について質疑

〇曽根委員 かなりダブりましたので、幾つか、前の方とダブらない範囲で聞かせていただきます。
 五十人でスタートするという今回の規模と、それから五十人、希望は殺到する可能性もあると思いますが、そういう希望学生の中から五十人程度をまず選ばなきゃならないという選び方などについて、検討中だと思いますが、大体どういうことを考えているのでしょうか。

〇近藤指導部長 塾生の選考の方法でございますが、一般的には学長推薦また小論文、面接などが考えられるわけでございますが、現在、検討しているところでございます。

〇曽根委員 入塾した学生の身分なんですが、もちろん四年生の大学生のままではあるんですけれども、実習期間が一年にわたって長い、回数も相当多いわけで、どういう形で実施をするかわかりませんが、仮に同じ学校で一年間、先生たちと一緒に子どもたちと接するとなれば、ほとんど子どもたちにとっては先生と同じような接し方になっていく可能性もあります。この一年間を通じての学校における実習の実習生というのですか、塾生の身分というのは、通常、二、三週間程度の実習がありますよね、その実習生と全く同じと、同じ扱いであるというふうに考えていいですか。

〇近藤指導部長 通常の教育実習生と同じ大学生という立場でございます。

〇曽根委員 それから、実習を受け入れる学校やその指導に当たる担当教員、これは、二、三週間の実習生の指導だけでもかなりの負担があるというふうに聞いていますが、学校や指導担当の教員に対する配慮、もしくは場合によっては教員のある程度の加配というか、そういった対応は考えているんでしょうか。

〇臼井人事部長 特別教育実習につきましては、この東京教師養成塾の意義に賛同しまして、通常の授業に支障のない限度で受け入れに協力できる学校を区市町村教育委員会から選んで、出していただいて行うものでございまして、教員の増はないものと考えております。

〇曽根委員 すると、現行の学校の体制の枠の中でやるということですね。
 最後に、この塾を通じて、ここに掲げられている目指す教師像の@からBまで、社会の変化や子ども、保護者の願いを的確にとらえ、実践的指導力や企画力を高める教師とか、幅広い教養を身につけるとか、それから地域や社会貢献の活動に取り組むと。それぞれ立派に実績もおさめたという学生だけれども、いかんせん、例えば文部科学省の学習指導要領には多少批判的であるとか、東京都の教育目標については異論があるというような考え方の学生もいないとは限らないんですが、そういう学生の扱いについてはどのように考えていますか。

〇近藤指導部長 この東京教師養成塾は、東京都教育委員会の教育目標の実現に向けて設置するものでございます。また、学習指導要領に基づいて適切に教育を行うことのできる教師を育てる場でもございます。

〇曽根委員 私は、大学の四年生で教員になりたいと強く希望している学生が、こういう機会を得られたとすれば、やっぱり本当に先生になりたければ、学校現場で体験もできて、そういう機会を与えられるということで、非常に希望が出てくる可能性があると思います。
 したがって、そういう学生の芽がのびのびと、伸ばせるというような場であれば、価値あるものになる可能性もあると思うんですが、はたしてどうなのか、そういう点をもう少し中身が具体的になった段階で、機会があればまた改めて質問していきたいと思います。


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