●9月28日に、今期初の文教委員会質疑がありました。議案は、都立戸山高校の建て替えと、都立総合学科高校の第2号「つばさ高校」の設置条例で、いずれも全会一致で可決されました。 ●私はつばさ高校に関連して、総合学科高校を含め「都立高校改革」のあり方について、要旨次のような質問をしました。
(1)限られた教育施設予算の中での総合学科高校のコスト問題について
総合学科第1号の「晴海高校」を見学し、施設のすばらしさ、校長先生はじめ教職員の熱意、生徒の自覚的な学習態度に圧倒された。
●同時に今後検討すべき問題意識を得た。都立高校の新しい学校づくりを○か×かでなくより良いものにする上で若干質問とコメントをしたい。
Q.晴海高校の総建築費は?
A.106億1500万円。
100億をこえる都立校は初めて。総合学科として163の科目があり、生徒らは小グループなどに分かれ授業ごとに教室を移動し、常に半分くらいの教室は空いた状態。京橋商業の専門性も引き継いで、特別教室やパソコンなどの機器・設備も充実している。生徒にとってはすばらしい条件だ。同時に教育は何よりそこで行われる教育活動が本質。晴海ではバブル時代の設計のため建物や施設自体の豪華さが目立った。
(写真は晴海高校のパンフレットから)
Q・今度のつばさ高校の建設費は?体育館は9年前新築の既存施設をそのまま使うらしいが、校舎の建設費は晴海と比べてどうか。
A.建設費は67億5千万円だが、校舎の1平米当りの費用は、晴海が34万6500円に対しつばさは34万7200円。
●つばさ高校も豪華さは変わらない。工業高校のあとだから当然の出費もあるだろうが、普通高校では今回の戸山高校でも全部建て替えでも23億円。都立高校には70年前の戦前の建物さえ残っている。学校ごとの特徴や地域性もあり一律には言えないが、教育の機会均等を保障する上で施設でも一定の公平性は求められる。3年間で卒業していく生徒たちにとってはその時が全て。教育施設の予算全体はシーリングで減らされているだけに予算配分にも配慮が必要と考える。
●総合学科高校では、生徒の新たな進路相談に乗る「キャリアアドバイザー」制度の確立をぜひ実現すべきだ。
(2)総合学科が既存高校の廃止・統合で設置されることの影響
新設校は設備も良いし、意欲ある生徒には魅力的。期待が集まるのは当然。
Q・晴海高校の倍率は?
A.最初は4倍近かったが、現在は2・5倍程度。
Q・晴海で第5学区以外からの生徒は?
A.85%くらい。
●一概に善し悪しは言えないが、地域の中卒者にとって、倍率も偏差値も高くなる。他学区からも自由に受験できる。選択の幅は広がったように見えるが、実は挑戦しにくい学校がひとつ増えただけかも知れない。
●高校改革は、これから受験する中学生が選びやすい方法を関係者とも十分時間をかけて協議し工夫すべきだ。
●普通科高校のカリキュラム改善を積み上げながら改革を進めていく道も大いに検討すべきだ。
●実験的試行的要素の強い学校制度の設置は、普通科高校をつぶしてでなく、新たな場所に新設すべきだ。
以上を意見として述べました。
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