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浪費型オリンピックのウラオモテ9−1026

オリ特委傍聴記
招致経費は150億円を50億円以上超過していた!
●10月26日、今期初のオリンピック招致特別委員会が行なわれ、10月2日の開催都市決定についての都の報告と質疑が行なわれました。
 招致推進派の議員は共通して、都の招致「努力」をねぎらい、IOCの開催都市決定の方に疑問を投げかけましたが、都民やマスコミが疑問の声を上げている、都民支持の低さや水ぶくれした招致予算にメスを入れたのは、共産党のたぞえ議員だけでした。

 以下、各党、持ち時間40分で行なわれた質疑の特徴を、多少主観もまじえてレポートします。

●民主党・・質問者4人の視点も結論もバラバラ

 1人目・中村議員は「残念無念。断腸の思い」「4年前、会派をまとめるのに苦労した」などひたすら嘆き節。
 2人目・門脇議員は「賛成の立場」と言いながら「民間資金の不足分を税金で補填するのか」だけをしつこく質問。
 3人目・いのつめ議員が本番の高額スーツを質問すると、都の答弁中に中村議員が「時間がない」と答弁を遮断。いのつめ議員は2020年について、広島長崎を応援するよう要望し終りました。
 最後に、栗下議員が招致活動でコスト削減したかと質問し、最後に「招致してよかった。次も頑張ろうとなるよう総括を」と次回立候補を求めるような発言で終了、いのつめ議員とちぐはぐな結論でした。質問者ごとにバラバラで、次回立候補への姿勢も不明確です。

●自民党・・委託事業の電通独占は「企業努力の結果」と強弁

 鈴木議員(わが小石川高校の一級先輩)が時間を気にしながら質問。
 「招致はムダでなかった」として「子どもたちがトップアスリートの演技に触れる機会になった」「開催都市決定以降のイベントも、オリンピズム普及としての意義があったのでムダではない」「広告業界で独占的存在の電通に随契で委託するのは企業努力の成果」であり当然などと主張しました。
 またコペンハーゲンの学生ボランティアや、都内での若い女性やラーメン協会の支援イベントなどを「お金で得られないもの」と強調しました。
 さすがに2020年の再立候補はいえませんでしたが、一部の美談だけ持ち上げる一方で、4年前に「東京招致」を言い出すまで石原知事と一体で「行革」の名でスポーツ予算を50億円から20億円以下まで削ってきたことや、2年で12億円もかけた区市町村との「共同事業」が施設整備や継続事業に使えず「トークショー」などイベント中心だった実態を見ようとせずに「レガシー(遺産)は残った」と主張する姿には、自民に今後も、まともな都民スポーツの振興は期待できないと感じました。

●公明・・知事を誉めながら「メディア対応」や本番の「立ち往生」などIOCの不手際に責任転嫁

 木内議員が、やはり「レガシー」を強調しながら、招致段階から「オリンピック学習読本」の80万部作成等を誉めあげ、「今後も活用」させるよう求めました。
 その一方で、招致委が海外メディアに不人気だったことや、本番のプレゼンで厳しい質問に「立ち往生」してうまい言葉を返せなかった点(浪費型オリンピックレポート73号参照)などに苛立ちをにじませました。
 石原知事がコペンハーゲンでエコカーに乗車して見せたり、ロボットに記者会見させたりしたことを答弁させ「東京のプレゼンは最高だった」とのヨイショ質問に、荒川オリンピック本部長が「評価委訪日まで”優位”といわれたが、訪日後”横一線”といわれ、最後の総会はIOC委員の投票のため別の要素に左右」されたという、裏の政治力学を強調した知事のコメントに近い答弁を返しました。やはり東京がなぜ失敗したかへの厳しい反省が、欠けていたと言わざるをえません。

●ネット・・「都民の不支持」指摘だけ

 最後の生活者ネットワーク・西崎議員は、招致反対の立場ながら、都へのねぎらいから始まり、マスコミがこぞって指摘している「都民が冷たかった」「150億円を使うなら、もっと別の道があった」などを指摘するにとどまり、独自の問題解明はありませんでした。

●共産党たぞえ質問でTVカメラ6台やおら撮り出す!招致経費は200億円超に

 共産党都議団のたぞえ議員の質問は、後日、詳しく紹介しますが、大きく2点を質しました。
 第一に、区市町村への1千万円ずつのばらまきの使い方で、4月17日に江東区が小学生など6400人を事実上”強制動員”で評価委員会と交流させたやり方のひどさ、評価委員会接待に予行演習・準備の5億円もふくめ、電通まかせの9億5千万円も使ったことなど、招致キャンペーンの異常ぶりを追及しました。
 第二に、招致経費は、総額150億円(税金100億円)を大きく超えて、実態は、税金で50億円以上も上回っていた事実を明らかにしたことです。
 たぞえ議員の質問に5〜6台のTVカメラがやおら動き出し、終った途端、カメラクルーがいっせいに帰ってしまう場面もありました。

●特別委員会終了後、日本共産党都議団が記者会見を行い、たぞえ議員が質問した招致予算の水ぶくれ問題の詳細を発表しました。
 都議団のホームページを参照してください

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